講評を読んでみて
大臣にそこそこ説教された二人は、大臣の部屋の扉を閉めるなり、背を扉に預けてふーっ、と長く吐息した。
「……テハイザ到着前の話から始まるとは……今日は久々に災難だったな」
「こっちの台詞ですよ。だから怒られるのは殿下だけにしてくださいって言ったじゃないですか」
「そうは言っても私の判断なのは大臣も知っているはずだから……私のせいか? これ」
「殿下だけ怒られるべきなのに、意地でも止めろと一緒に説教されるのは殿下のほかに誰のせいですか」
あたかも孫と同じく見ている大臣の心配は分からないでもないが、その心配が度を越すととくとくと長時間の説教になるのが厄介だ。確かに反省すべき点の指摘が多く、ぐうの音も出ないのだが。
***
たびたび登場しているスピンオフの人々の本編、『天空の標』の講評を読んでまいりました。ここまでのスピンオフは講評とは無関係です。
https://kakuyomu.jp/info/entry/wc6_rev_vol4
やはりシリーズ作を単体で、というのが難しいだろうな、と思っていた通りのご指摘でした。
シリーズであれ、単体で面白い作品はやはり優れたものが多いと思います。
勾玉三部作や十二国記がそうですし、りかさんとからくりからくさもどちらかだけを読んでも味わい深い。
漫画だと秋吉家シリーズもそれぞれで読んで面白いし、映画もそうですね。パイレーツオブカリビアンも二作目から見てもいけると思います。
シリーズの一部であってなおかつ、一つの作品に。
本作での解決策が見つからない現状ですが、いつかそんな作品をかけたらと思います。スピンオフ短編ではなく、長編で。
そして、この点がストーリーの弱点とすると、キャラクターや世界観なども高いスコアでないのが反省点でした。
登場人物って自分にとっては家族みたいなものなので、おそらく大してキャラが立ってなくても十分印象があるのですよね。それがいけないのだな、きっと。
家族は自分にとっては大きな存在だけれど、ひとたび家族が新宿駅の雑踏に入ったら、周りの人から見たら有象無象の一人なわけですよね。
いかに格好良くて歩き方とかに特徴があっても、すれ違う人にしたら、振り返って二度見するくらいがせいぜい。あの人のことがもっと知りたいなぁって寄ってくるまでにはならないわけで。
世界観やオリジナリティも、ちょっと隣町行ってくる、というのじゃ物足りないのだろうな。現代ドラマなら別ですが、異世界ですし。
そこまで変わった世界にするつもりはない舞台ですが、少なくとも読者に、「全く知らない外国に行ったけれど隅から隅まで忘れられない」くらいのテハイザを作る。
ここが課題なのかな、例えばの話。
講評、本当に感謝です。仕事とはいえもし読みたくない作品、好みのジャンルと違う作品なら読むのは骨が折れますし。ありがとうございました。
講評を読んでいて刮目かつ大喜びしたのは、「二人の主人公」の一言です。
「シレア国王、代わるか?」
「は?! 殿下以外に誰がやるんですか。自分は絶対、何が何でもお断りします。殿下負かしてでも断ります」
「冗談だ」
主人公にしてくれてありがとうございます! 出世したな……。
最近、手軽料理ばかり作ってますので料理短編集も更新したいなと思っております。多少、レシピが被るけど少しアレンジをきかせたヴァージョンでもいいかなって。
目指せ飯テロ小説。
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