第3話今日からお前は家政婦だ


振りほどいた手を掴まれ、私は蓮くんを睨む




「今日からお前は家政婦だ」




(か、かせい、ふ??)




「は、はぁぁぁぁぁ?」




(な、何よこいつ!!こいつの言いなりになんて…!!!)



「時給は5000円くれてやるぞ?貧乏人のお前が断れるわけないよな?」



「ご、5000円?」


(5000円なら…でも、プライドが…!!)



「お前のボロ屋敷はおれがうっぱらっといてやるよ笑 迷ってる時点で、お前の家政婦行きはもう決定だからな笑」



(えぇーい!!もうこうなったらプライドなんか捨ててやるわよ!!金のためよ!)





「いいわよ!やってやるわよ!その代わり他言無用よ!わかったわね?」



掴まれた腕を振り払いながら私は歩き出した



「わかったよ。しかしなんでそんなにキレてんだ?仕事を与えてやるってのに」



なによこいつ!あんたの態度にキレてんのよ!


「べ、別にキレてなんかないわよ!てか、着いてこないでよね!」



「教室一緒なんだからしょうがねーだろ笑

お前おもしれーな、今日から俺ん家帰ってこいよ?ほら、これやるから」



渡されたのは高そうなカードキーだった


(なによこれ、ハサミじゃ切れなそうなくらい固いカードキーね!どんな豪邸に住んでんのよまったくこいつは!)



私はカードキーを受け取り、また教室へ向かって歩き出した。


「おい、置いてくなよ!!つーか、お前スマホ出せ。LINE交換しろ、住所教えてやるから、あ、持ってねーか」



コイツ!持ってねーって何よ!!失礼な!


「もう!先生んとこ戻んなきゃなのに!はいこれ!スマホくらいちゃんと持ってるわよ貧乏でもね!」



蓮くんはニヤニヤしながら私のスマホを取り上げて、自分のLINEのQRコードを読み取らせた


「これな!ちゃんとプライベート様だからな?優しいだろ?俺、住所も送っとくわ、じゃ!後でな〜」


蓮くんはスタスタと教室に向かってしまった


(そっちこそ置いてくなっての!!なんなのあいつ!!)



____放課後____



性格の悪〜い女子達に掃除当番を押し付けられた私は1人で教室に残っていた。


「はぁ、なんなのよ。私だって用事あんのよ」


まぁでもしょうがないか、私も断れないのが悪いんだし…。


「おい。初出勤で遅刻する気か?」


はぁ、この声は…嫌な予感。


振り返ると

少し乱れた格好の蓮くんが立っていた。


「しょうがないでしょ!頼まれちゃったのよ!てか、ワイシャツのボタンかけ違えてるけど」



「次から断れ。仕事が優先だろ。さっきの保健室のお姉さんが家来いってしつこいから今保健室のベッドで済まして来たとこ。お前と帰る為に。」



どんだけ俺様なのよ!それに頼んでないし1人で行けるっつーの!!



「そーですか!それはそれはよかったですね、掃除してから帰るから遅くなるし先帰ってていいわよ。」


私がそう言い放つと蓮くんは掃除用具箱からほうきを取り出して掃除をはじめる。


「2人ならすぐ終わんだろ。俺はお前と帰るの」

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あんたが私のご主人様!? あいにゃん @ainyan0212

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