第2話 本性


キーンコーンカーンコーン



昼休みもおわり、本日最後の授業が始まる頃



「おい、誰か、五十嵐蓮見かけなかったか?

昼休みの辺りから姿が見えないんだが。」



担当の先生がみんなに呼びかけるけど


誰も知らない様子。確かに、あの人どこに?



「おい神宮、ちょっと探してきてくれないか?隣の席なんだし、そのくらいはいいだろう?」



まぁ、たしかに心配だし。行ってくるか!



「分かりました!探してきます」





とは、言ったものの、見当たらないんですけど!!!




ガタンっ!



廊下を歩いていたら保健室から激しい音が聞こえた



保健室の方へ近寄ってみると声がする



「あっ///蓮くんだめよっ///はっあっん♡」



「先生…綺麗だよ。もっと見せて?」



「あんっ♡蓮くん♡」


(蓮くん?先生??)


密かに覗いてみると、保健室のベッドで蓮くんと保健の美奈子先生が半裸で抱き合っていた



(うわっ、蓮くん何してんの!モデルでしょ?バレたらまずいんぢゃないの??)


ガタンっ



(あ、やばっ!)


立ち上がろうとした時に保健室の扉のドアノブに頭をぶつけてしまい音を出してしまった



(見てる事バレるかな?)



「だれ?蓮くん見てきてくれる?」


「了解」


蓮くんがドアの方に近づいてくる


(やばいやばいっ!!バレる!)



その瞬間、蓮くんがドアを開けたのがわかる


蓮くんと目が合ってしまい私は呆然としていた。


蓮くんは私をみて、ニコッと笑ってドアを閉めた


「誰もいないよ、続き、しよっか?」


蓮くんは先生にそう言って迫っていく


「あんっもう///でもおしまいっ!誰かいたら怖いわ。はいこれ、鍵!家で続きしましょ?」



先生が蓮くんに鍵を渡したのがわかる



(えー、先生彼氏いるのに。なんて淫乱な!

しかも先生もう29歳だよ?犯罪だよ!高校生となんて!)



「わかったよ先生。今日先に部屋にいるよ」



(蓮くんも蓮くんだよ!なにしてんだか!)



少し経って、蓮くんがドアを開けた


私はドアの前で棒立ち状態。



蓮くんはドアを閉めた瞬間、私を睨んだ


「あーあ、どーしてくれんだよ、さっき出来たはずなのにお前のせいで出来なかったぢゃねーかよ」



(…は?蓮くんってこんな人だっけ?)



「責任とってよ、あ、や、め、ちゃん」


蓮くんが私のスカートに手を入れて来た



「ちょ、ちょっと、私、まだそーゆー事は」



「じゃあ、俺が初めて貰ってやるよ、嬉しいだろ?俺、有名人なんだぜ?」



(くっ!こいつ、ムカつく!モデルだかなんだか知らないけどいい気になっちゃってさ!)


パシンっ


蓮くんに下ろされたパンツを直ぐに履いて蓮くんの頬を勢いよく叩いた


「ってーな、このクソアマ。庶民のくせに俺に逆らうんぢゃねーよ」



(なんてやつ!!もーこんなやつほっといて教室帰ろ!)



蓮くんに背を向け、そのまま廊下を歩いていると蓮くんがついてきた



「なぁ、そういえばお前さ」



「なによ!話しかけないでよ!あんたみたいな汚い人大っ嫌いなのよ!」



「うるっせーな、お前、貧乏なんだろ?いいバイト紹介してやるよ」



ドンッ


蓮くんは廊下の壁に手を付き、私に迫ってくる


壁ドンだ。


(でたー、流行りの壁ドン!よりによってこいつからの壁ドンかよ!)


「な、どいて!教室戻るのよ!」



「いーから聞けよ、いい話だと思うぜ?


宿付き飯付き宿代も飯代もタダで高収入!」




「そんなのどーせ、変なのでしょ?どいてってば!」



パシっ



振りほどいた腕を強く掴まれた



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