第3話

 流星は木曽と札幌にやって来た。

 木曽は漫才コンビのツッコミみたく言った。

「オマエは超能力者か?」

 ドラゴンホテルの宿泊名簿に成沢の名前があった。それにしても生の出雲和泉は美しかったな?流星は彼女の大ファンだった。木曽の部下、上島英明がキチンとガードしてるはずだ。上島は『太陽にほえろ!』でマカロニ刑事を演じた萩原健一に似ていた。最期は立ちションしてるところを通り魔に刺されて死んだ。


 流星と木曽は函館にやって来た。

 流星は小樽にて成沢を葬ることに成功した。木曽は人を殺したい為に刑事になった、あぶない男だった。

「2人も殺してるんじゃ間違いなく死刑だろ?犯罪犯した奴はみんな死刑でいいんだよ」

 チャチャ通りや五稜郭、夜にはロープウェイで函館山にのぼり夜景を見た。函館港に停泊してる豪華客船に乗ってみたいと思った。


 八木美月はアイドルだったが覚せい剤に手を出した。口封じの為にヤクザに射殺された。美月は雷を操ることができ、ハッキング能力はピカイチだ。さらに聴覚が鋭かった。

 1年以内に3人殺さないと冥界に戻るハメになる。薄ら寂しいところで魔物がいたるところにあり、戦争が日常的に起きる。あんなところに戻るのは嫌だ。冥界のボスは今は芹沢鴨だ。新選組の前身、壬生浪士組のボス。殺人に強姦、強盗、放火……極悪非道の塊だ。かつては平将門や織田信長が冥界のボスだったこともあったらしい。


 歌舞伎町のファッションヘルスに美月はやって来た。ジュブジュブと客のペニスをしゃぶる音がしていた。螺旋階段を辿って地下室に降りると様々な武器が眠っていた。

 

 流星は、相棒の篠田から加齢を理由とした引退の意思を告げられる。しかし退職を2日後に控えた日、篠田は以前から追い続けていた偽札組織の倉庫に単独で潜入し、何者かに射殺されてしまった。


 復讐を誓った流星は新たな相棒・八木美月と共に行動を再開、偽札の運び屋を手始めに、詐欺師・ブルーノ富岡を辿って彼の行方を追う。やがて、流星のなりふり構わぬ強引な行動は、警察も巻き込んだ末にようやく篠田を殺した真犯人の居場所を突き止める。


 達也、拓也、拓海、達磨の高松4兄弟は母親の葬儀に参列するため、故郷、天童に帰って来た。

 山形にある天童市は将棋の街として有名だ。魔術師が存在し、将棋に命を吹き込むことが出来るらしい。


 父親の高松拓郎も何者かに背後から撃たれてこの世に亡く、両親の経営する旅館も、既に津田沼インダストリアルという銃器製造所の地所になっていた。


 4人が父親殺しの犯人探しを始めたことに、町の実力者である津田沼氷柱は復讐を警戒し、雇った殺し屋の天童哲也に挑発させ、兄弟4人を排除する策を巡らせる。


 達也と懇意だった篠田を殺された罪も、4人兄弟に着せられ、達也を敵と狙う悪徳刑事、鳥取斗真の手によって、遂に投獄されてしまう。


 刑務所移送中に、襲ってきた荒くれ者との撃ち合いや橋のダイナマイト爆破で、三男の拓海は絶命し、最年少18歳の達磨は重体となる。


 氷柱の息子を人質に取り、流星の前ですべての事実を自白させた拓也も、背後から撃たれて床に突っ伏した。

 達也は単身、自宅に立て籠もる氷柱のもとへ、最終決着に挑んでいく。


 大河内耕一は伝説的な殺し屋だった。彼には善人は殺さないというモットーがあった。

 彼に殺された標的は医療ミスを犯したヤブ医者や、子供に食事を与えないで餓死させた鬼母などゴミ以下の人間ばかりだった。

 2002年8月のある夜、東墨田にある自宅アパートで耕一は、悪夢に悩まされていた。

 殺したはずの猟奇殺人犯に暗い道を追いかけられるのだ。

 鳴門夏樹って少年は性的欲求を満たすために少女たちの首を締めて、最後には首を切り落とすという血も涙もない奴だった。

 夏樹は1991年に逮捕され、わずか10年で娑婆に出てきた。

『アイツを、鳴門に私と娘が味わった恐怖と痛みを味合わせて』

 母親は憔悴しきって幽霊みたいな顔をしていた。夏樹はパチンコ屋に勤め、仕事仲間と麻雀とかをしていた。

『ロン!』

 雀荘で、茶髪にピアスというチンピラ風情の仕事仲間が声を張り上げる。

『バイオハザードって面白いな?クリスよりジルの方が使いやすいな?』

 この頃には既にバイオ3が出ていたはずだが、医療少年院に入っていた夏樹は流行に遅れていた。

『今頃かよ?』

『貧乏だからね?ゾンビを撃ち殺してるとスカッとするよな?また、やりたいよ?』

『また?やっとクリアしたの?』

『あっ、ああ……』

 また、やりたい?ってのはゲームじゃなくて殺人のことじゃないのか?そんな風に耕一は思った。

 

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ぶれ〜ぶす 鷹山トシキ @1982

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