03-04 罪と罰

 リクが見る夢の結末はいつも同じだ。

 どんなにハッピーエンドに向かって進んでいても、最後はバッドエンドで終わる。自分という盾をすり抜けて守るべき存在に着弾する。


 それはなぜか?

 なぜならリク自身の本物の過去だからだ。


 リクは過去に大切なものを奪われた。だから殺し屋になった。


 彼の罪がそれならば、彼の罰は今、ここにある。


△▼△▼


「すまん。二日ほど寝てた」


 リクが重い口を開く。


「いいよ。ただでさえ激務なんだから」


 ニトは軽く応じる。


「なあ。訊いていいか」

「ん?」

「お前は何者なんだ」

「ただの殺し屋だよ。今まで百回近くり続けてきた仲でしょ」

「……だよな」

「はーい! おふたりさん!」


 アヤが乱入してきた。


「できたわよ! 毎度特製のオリジナルランチ!」


 うぇー。これ、まずいんだよな。

 うぇー。これ、まずいんだよな。


 リクとニトは同じことを考えながらテーブルについた。


<完>

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マーダーライフ 電咲響子 @kyokodenzaki

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