目覚めたら白


目が覚めたら、空は白に染まっていた。

今日は曇天。天気予報によれば、涙の雨は降らないらしい。


しかし、私の視界は霞み、ひどく歪んでいる。

涙を流していることにようやく気がついた。


私が流しているその涙さえ、命の色をしていれば何か変わったのだろうか。


何もかもから、嫌われている。

自分の命ですら、私を嫌っている。


遠くから響くサイレンの音、カメラを構える人々。

顔をしかめる人、近くから聞こえるシャッター音。


人の不幸は誰かの見世物で、遠い誰かを楽しませるものだ。

自分には関係ないと、画面越しの死体を見て笑う。


ああ、こんな姿になっても誰も手を差し伸べてくれないのか。


次は誰かを助けられる人に、手を差し伸べる人になれたらいいのに。


もっと強い自分になれるのに。


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