仮想が現実になる感じ?

何を思って幻聴(?)に耳を傾けて、『走れ』を実行したのだろうか。

一瞬激痛が走ったが、そこから感覚が無くなって倒れたはずなのにその衝撃も感じない。多分死んだだろう、身体を動かそうと思っても感覚がない。

(死んだんだな、でも思った通りになったならそれで良かったかもな。)

『えらくすんなり受け入れたね。』

(あぁ、あの時の幻聴か。じゃあまだ生きてるのか?)

『いや、死んでるで合ってるよ。しかし、ここまではやく受け入れたのは君が初めてだね。みんな比較的早かったけど…』

(もう俺の脳も末期だな、幻聴と会話するの……やっぱり死んでるかー。)

『あ、あの、まだ幻聴って言います?一応世界の均衡保ってるんですけど…』

(ダメだな、幻聴が均衡保つなんて妄想を………って神様なの、もしかして?)

『そういう俗称なだけ。名前は正式に決まって無いから勝手に呼ばれてるの。』

まじか、なんとなく聞いてみようとか思ったのって何らかの力に強制された感じか。多分このパターンはネットに書いてあった転生ってやつだな。

(神様かー。だったらまたあの生きたく無い世界で無駄な時間過ごすのか。)

『いや、それでも良いんだけど、君の場合は魂があまりこの世界とマッチしていなくってね。だからあんまり良い巡り会いも無かったでしょ。』

(魂と世界が合わない、そんだけであんな無駄な時間を過ごしたのな。)

『それはごめん、その魂が創られてから初めてだとどの世界に合うのかが解りずらくって、でもそんな人には救済としてもこんな感じでどうするのかを決めさせてあげるんだよ。』

(じゃあ他の世界でお願いします。)

『即決!わかった。じゃああなたの言う無駄な時間の間に取れたデータを元にマッチする世界は……あった、3つあるね。どうしたい?』

(やりやすいところで構いません。)

『謙虚!人間みんな見てて欲深いって思ってたんだけど、良い人もいるもんだなぁ』


『よしっ、決めたよ。ここなら友達のだから、すんなり行けるよ。』

(お願いします。)

『あ、そうだ、お詫びと言ってはなんだけど、魂の格をちょっとだけ上げといたから。それじゃあ…』




よくわからない呪文みたいなものが聞こえた後になにかに引っ張られる感覚があり、意識が飛んだ。

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