第4話
「さて、到着しました。魔王様。ここが城下街です。」
目の前には広大な街があった。魔王城の城下街だ。
配下はみんなここで生活をしているようだ。
特に防衛設備などなく、ただの街に見える。
「遠くにいくほど魔力が弱い魔族が暮らしております。まあ、弱い魔族1人に対して人間の武装した兵士100人と同等の力です。おいそれと人間もここまではこれません。過酷な自然の中にありますから。唯一、たどり着ける勇者の血筋、王家の血筋、魔女の血筋、聖女の血筋・・・。これらが揃うと厄介ですが・・・。今の所は来ていませんね。ただ、揃いつつあるという情報は入っています。」
僕は周りを見渡した。魔族には多様な生物がいる。
獣人、亜人、エルフ、サイクロプス、オーガ、ゴブリン、ドラゴン
比較的僕は人型に近いが、少数派のようだ。
僕は何かを感じた。
「・・・。」
目の前を一つの塊がやってくる。
「ニャリーゼ!」
ジノケールが叫んだ。
塊は高速で動き、二つに別れた。
僕の両目を鋭い爪が襲う。二本の閃光が目の前にくる。
「・・・。」
ピタリとその爪はとまる。目の直前、5mmほどだ。
「なぜ・・・。よけなかったんですかにゃ・・・?」
「なぜ・・・。よけなかったんですかにゃ・・・?」
二つの声が同時に発声する。
「敵意も殺意もないから・・・。にしても可愛いね。猫だ。」
「まったく・・・。彼女たちはニャリーゼ姉妹。魔族きって精鋭部隊の1人・・・。いや、2人です。」
「実力試しってところだにゃ。でも、想像以上だにゃ。」
「実力試しってところだにゃ。でも、想像以上だにゃ。」
「テストは合格?」
「もちろんだにゃ。」
「もちろんだにゃ。」
「じゃ、今度は僕の番だ。」
僕は身体中からおびただしい量の殺気を出す。魔力は使っていない。
「な!?」
「にゃにゃ!?」
「にゃにゃ!?」
あたりにいた、ジノケールとニャリーゼ姉妹はひれ伏す。
空間が歪み、まるで酸素がなくなったかのように息ができなくるなる。
身体中から緊張で汗が出て、震え上がっている。
「試すなら、殺意を出さないと・・・。」
ニャリーゼ姉妹はガチガチと牙を震え上がらせてる。
そして、失禁した・・・。彼女たちの股間から液体が流れる。
「おっと・・・。やりすぎたかな?」
「はにゃ・・・。もらしちゃったにゃ・・・。」
「はにゃ・・・。こわかったにゃ・・・。」
この殺意は現実界で学んだものだ。ま、お父さんはもっとすごかったけど。どうやらこの世界でもそこそこ通じるようだ。
「魔王様、ステータスを確認しましょう。明らかに先代とは異質の力です。」
ジノケールは水晶を出した。
ジノケールは、膝をついただけですんだ。やはり、側近だけあって、強い。
アキト Lv 255
ステータス
HP 計測不可
MP 計測不可
力 計測不可
魔力 計測不可
俊敏 計測不可
特性スキル
不動明王の印 龍の印 虎の印
「こ、これは・・・!?」
「とんでもないにゃ。勝てるわけないにゃ。こりゃダメだにゃ。計測不可って初めて見たにゃ。チーターにゃ。」
「魔王様・・・。素敵だにゃ・・・。」
「この特性スキルは現実界のものですね。そういえば、魔王様の背中に何か印がありましたな。」
「あ、もしかして刺青のことかな。うちは有名な彫り師に不動明王と龍と虎を入れるんだ。家族みんなね。」
ぼくははらりと魔王のローブを脱ぐ。中に来ていたシャツを脱いで背中を見せる。
そこには、切り裂かれた、不動明王と龍と虎が描かれている。
異世界の魔王城からの手紙は突然に 加藤旭 @akira69
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