11話 アホなアンドロイドに、千年前の地図渡してやった(笑)

『首都郊外・地下鉄遺跡』


ソフィーと青い視野レンズの参謀との間に、長い沈黙が流れた。

参謀は動きを止め、どこかにあるサーバーと繋がっているらしい。


参謀の存在にまだ大きな違和感がある。

でもそれも少しずつなくなりつつある。

いつか馴染んだデューカの様な存在になるのだろうか?


参謀の青い視野レンズに知性が灯った。サーバーから戻ってきたようだ。


「宇宙軍を兼ねる空軍は、地上には関心がありません」

青い視野レンズの参謀は、ソフィーをじっと見つめた。


普通のアンドロイド同士だと、完全に恋愛目線と言っても良い位の視線だった。


・・・が、相手はめっちゃ機械なアローン兵の参謀・・それはないか・・・


「空軍基地に、我らアローン兵一個師団と、互角に戦えるだけの、陸戦隊は存在しません」


「陸軍は?」


「陸軍と空軍の仲は、非常に難しい物があり、お互い横の繋がりは一切ございません。陸戦隊の出動には、本省官僚の多くの手続きが必要となります。

さらに、精鋭の装甲騎兵を動かすとなると、評議会議長の許可も必要となるでしょう。その間に、我らは宇宙船を奪取、そして、宇宙に飛び立つ時間は十分にございます」


「そんな簡単に行くもの?」


ソフィーにそう見えただけなのかも知らないが、参謀はその青い視野レンズで不満げにソフィーを見た。


その視線に「惑星最強の特殊機械兵のプライド」が、見え隠れしないでもなかったが、自我意識がない以上そんな感情は起こるはずがない事は、ソフィーにも解ってはいた。しかし、そう感じずにはいられなかった。


「言いたいことは解った」


その言葉に、参謀の表情は喜び綻(ほころ)んだように見えた。




『首都郊外・荒野』


デューカは1機、荒野を彷徨い歩いていた。

熱い日差しが、思考回路を焼いているみたいだ。


>銀髪のアホが!

>地図が全然違うじゃねーか!

>何千年前の地図だよこれ!


いくら停滞する機械文明とは言え、1000年も時間が有れば、景色は変わる、


>いい加減な地図を渡しやがって!

>一体、ここはどこだよ?


愚痴りながら、ソフィーの元へ直感を頼りに、足を進めた。

久しぶりにソフィーに会えると思うと、心も機体も踊った。

めっちゃ高価な機体は、それはそれは動きが良い。


>生きてたんだソフィー♪

>良かった(安堵)るんるん♪




つづく


いつも読んで頂き、ありがとうございます。O(≧∇≦)O イエイ!!

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