3話 男泣きする機械☆彡

「・・・ソフィー!

こちら第4ゲート、アローン兵に阻まれて、突入できない。

アローン は味方じゃなかったのかよ?」


古びた無線機が、不穏な音色を奏でている様だった。


「・・・裏切られた?」


積み上げた足場が脆く壊れて行くような感覚に、ソフィーの左腕が小刻みにカタカタと震えた。


震え・・・機械なのに・・・危機に震えるプログラム?


この現状、ソフィーが人間だったら、嫌な汗を流したに違いない。

その代わりに、ソフィーは手を組み、心を落ち着かせようとした。


「第3ゲート、アローンに襲われている。話が違うぞ!

これ以上持ちこたえられない。撤退する。」

再び無線が入った。


「ちょっと待って・・・」


「これ以上犠牲は出せない。無駄死にはしたくない」


「え・・・うん・・・そう・・だよね・・・」


ソフィーは、誰にも聞こえないように呟いた。


機関銃で激しい弾幕を張るデューカには、その弱気な表情だけが見えた。


「俺達は、完全にコーリーに騙されたんじゃない?

おい・・・銀髪・・・・あれ?銀髪がいない!?

ソフィー、銀色がいないぞ!

逃げやがった。俺達は、はめられたんだ。

このままじゃ俺達全滅だ。」


デューカは、道化師の様に慌てふためいた。

人間だった時から、おどけた奴だったけど、それは機械になったとしても変わらないらしい。


薄情な銀髪の裏切りは、いつもの事だ。

最初から信用しないと、裏切られた時のショックは軽くてすむ。


デューカの放つ弾幕は劇音は、喜劇と悲劇を併せ持っていた。


道化のおどけた悲鳴・・・


その音は、コミカルだが、悲哀に満ちていた。


デューカは、男泣き(嘘泣き)をしながら、


「俺が・・・俺がお前を守るから!絶対にお前だけは俺が守るから!」


機関銃の弾幕に負けない声で叫んだ。


「デューカ・・・そのテンション、ちょっとウザい。

今、欲しいのは、そう言うんじゃないんだ」


「えええええええ!」


理不尽な返しに、デューカは乙女の様に泣いた(もちろん嘘泣き)。


ソフィーはちょっと笑った。


暗雲とした心の曇りが晴れたソフィーは、

「さて・・・」

と呟くと、拳を握りしめた。


思考回路の処理装置が熱を帯び、けたたましく回転を始めたような気がした。


足場が壊れたのであれば、再び作ればいい。



つづく



アンドロイドたち


★ソフィー 反乱軍サインのリーダー 

★デューカ 人類時代からのソフィーの相棒


★銀髪のアンドロイド コーリーの忠臣?

★コーリー博士    反乱の企画者

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