オペレーション・アンダーグラウンド
カウントダウンは差し迫り
時間切れと 塞ぎこむのか
ダウンタウンに恋い焦がれ
昔にしいたアスファルトも
目的地には繋がっていないみたいだ
見捨てられた廃トンネルに
無駄に眩しい街明かりと喧騒
木漏れ日を歩いた記憶も 遠く
地に伏し 必死こいて乞うても
もう一度と そう祈っても
星空は 太陽は
何処にも残らない
傷跡を残した
残滓
絶望はもう 金輪際
閉ざされた道を
開けようとする神はいない
タイムアウト 字面だけが
脳裏に堪える
立ち往生した影法師の
伸びる先は 地獄か 奈良か
それでもなお 往生際も悪く
我らは銃をとる
最終列車の汽笛は
もう十二年前に鳴り終わっていたんだ
ああ そうか
それがどうした
灰になった同志が
耳元でささやくんだ
奴らを 焼きつくせと
巡り巡る憎悪が
いくつの戦場を駆け抜け
めくるめく輪廻は
いくつの時代に多くを失う者を生むのか
そうだろう 我らの理性は
とうに腐り落ちて
燃え尽きている
信念 信条 エゴイズムの果てに消え
我ら果し合い 果たされぬ目的
従うことはない
我らに残った たったひとつの道
灰になった同志が
耳元でささやくんだ
奴らを 焼きつくせと
原作:BFV
敗北する運命が眼の前に迫ったドイツ軍のいち兵卒の叫び。勝機も正義も失った人間が、目的なくそれでも足掻こうとする詩。
異端審問 星野響 @H-Hoshino
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