第123話 マッチングアプリの懊悩―男性のコスト実例
さて、幸運にもマッチングして「さぁ、会おう」となった場合、次に問題になるのは「いつ」「どこで」「何をして」会うかです。
基本的に、昼カフェかディナーくらいしか選択肢はないと思っています。で、その2つの中なら僕は迷わずディナーを選びます。なぜなら酒が飲めて、料理があるから。
昼カフェは女性からすると安心感があるかもしれませんが、時間の都合上、土日しか日程調整出来ません。わざわざ土日の昼をつぶしてマッチングの予定を入れるのはお互いに気合が要ります。それに東京のおしゃれなカフェは人が多くて、入るのも大変。必然的に会う日程とバリエーションが制限されます。そして何より、酒を飲むのが憚られる。
初対面の人と会うときにドーピングが出来ないのは、男気のないジャイアンのようなものです。マイナス要素しかない。更に、カフェでは「なめろう」と「なめたけ」が好き、みたいな特殊な食事の話題を膨らませることも難しい。変態が出せない。
なので、僕は平日の仕事終わりでも会えて、お酒と料理が楽しめるディナーを選んできました。ただ、ここで問題になるのが費用です。昼より夜のほうがお金がかかる。今回は僕が実際に使ったお店を一部紹介しながら実費用を見ていきましょう。
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少し道筋を外れますが、Dineでは「奢ります」というオプションがあります。最初から「俺は金持ってるぜ!」という意思表示ができます。マッチング率が1.5倍になるとの触れ込みですが、一度も使ったことはありません。理由はみなさん何となくわかりますよね。というか「これは合法のP活なのでは……」なんて口が裂けても言えません。怖い怖い。
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さて、ではいくつかお店をご紹介しましょう。
不二楼(焼き鳥) 茅場町 …コース、8,000円/人ほど
料理屋壱(和食) 目黒 …コース、8,000円/人ほど
魚Bar一歩(居酒屋) 恵比寿…オーダー、6,000円/人ほど
中華茶房8(中華) 新宿 …オーダー、6,000円/人ほど
上記のお店は個人的にオススメなので、関東にお住いの方はぜひ行ってみてください。上二つはめちゃくちゃ美味しいお料理が楽しめるキレイめな料理店、下二つは料理は美味しいし、ワイワイと楽しめるカジュアルな居酒屋です。
お店選びってめちゃくちゃ難しいですよね。初めて会う際は「なんでも好きですー!」って答えてくれる方が多いですが、選択肢めちゃ多いマキタ製品を買うときぐらい悩みます。新宿中華は場所もジャンルも指定してくれたので楽だったのですが、選択肢が豊富すぎると優柔不断には厳しい。最初なのでディープすぎるお店もリスキーだな……と考えると、小洒落たお店が候補に上がるんですよね。
そうなると問題になるのが費用です。
Dineの「奢ります」オプションは頑なに利用しない僕でも、セオリーは学んだので1軒目はとりあえず全部出します。そして、何もなければ2軒目もお誘いします。2軒目を割り勘にするかどうかは相手の出方次第ですが、少しは出します。つまり、1回のディナーで2万円くらいはかかってくるわけです。
僕は11月からアプリを始め、12月初旬に予定を入れていったのですが、この2週間で諭吉さん10人くらいとバイバイしました。併せて友達との会食も多かったので、みるみるうちにカード明細が積み上がっていきます。
僕はこのとき思いました。
「男の経済力ってここから必要なんだな」と。
プロフィール上の年収はどうとでもなりますが、実際会うのにお金は必要です。そもそもお金がなければアプリに課金も出来ませんしね。
彼女もいない、趣味もスノボと海外旅行くらいの独身男性なので許容範囲です。が、金がなければ会えないこんな世の中じゃ。ポイズン。思い返しても20代前半では到底払える金額ではないのも事実です。
僕が変態で名の知れた文豪になった暁にはこう若者に言いたい。
「学生時代にお相手を見つけられなかったら、あとは出会うだけで金がかかるよ。だから、ちゃんと就職するか、起業できるだけの才能は持っておこうね。どちらも嫌だったら教祖になるための勉強(※)は続けておこうね――」と。
※参考
第47話 奇跡は起こすんじゃねぇ。勝手に起こるんだ。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893700544/episodes/1177354054897947845
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