信号機を渡る
声を聴く
第1話
私は自転車を漕いでいる。急ぎ目に漕いでいる。目的地まで全部で2つの信号がある。それらを抜けて私は目的地までたどり着こうとしている。
一つ目の信号は赤。私は信号に従って止まる。歩行者自転車用の信号機に従う。前には男子高校生と思われる二人組がいる。私はそれを抜いて、次の信号機に向かう。
二つ目の信号機も赤。私は交差する歩道の手前で待機している。待機する私に追いついた二人組の男子高校生が私を抜いて、車道の手前で信号を変わるのを待っている。
私はこの横断歩道を渡って右に曲がろうとしている。ここで私はその男子高校生二人組を抜くのか、私は彼らに追従するべきなのか考える。私は彼らを抜かして、目的地に向かうことにする。
私は彼らの内側を通って右に曲がることを考える。しかし彼らの内側には安全に自転車一台が通れるほどのスペースは確保されていなかった。外側も同様に安全に抜けるだけのスペースがなかった。私に与えられた選択肢は男子高校生二人組の後ろに追従するほかないようだった。
そうだ、男子高校生二人組は私の自転車より後ろに待機するべきだったんだ。彼らを抜いたのは私だから、男子高校生二人組より前に私がいるべきだったのだ。私は交差点で交叉する歩道を通る歩行者自転車のスペースを確保するために敢えて、前を空けたのだ。彼らはそれを無視して、空いている前のスペースに自転車を止めたのだ。そして急ぐ私の前をゆったりと横断歩道を渡ったために、私は彼らの後ろを追従するような形になったのだ。
私は彼らの背中を見ながら、かつ周囲に注意を払いながら、信号を渡っていく。
信号機を渡る 声を聴く @koewokiku
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