タイトルからは伝わり切らない深さ

このタイトルを見て、ポップでジャンキーななラブコメを期待して読んだ人は拒否反応を起こしてしまうかもしれません。実際、レビューも恐らく軽いラブコメを想定していた人がタイトルや高校編とそれ以降の落差にやられて受け入れられずに書いたであろうものが多くあります。
しかし、私はこの作品が「等身大の恋愛」をこれでもかと言うほどに表現していると感じます。(多少小説なので展開は現実よりも激しいですが)
たしかに、「ラブコメ小説の王道」からは割と外れています。けれど、実際に恋愛をすればこのようなしがらみはいくつもあるでしょう。このような理不尽な別れもいくつもあるでしょう。主人公の陣の反応だってそうです。こんなに理不尽な振られ方をすれば誰だって必ず冷たく突き放してしまうでしょう。しかし、そこが受け入れられにくいのでしょうね、、、(まあここまでモテるのは現実でも稀でしょうが)
少なくとも私は、この小説を読んでノスタルジーに浸りながら楽しめています。もしタイトルが気になるなら、タイトルのことは忘れて読めばいい、それでも十二分に読む価値のある作品です。そして、作者様も言っているように、タイトルの意味は今後回収されのでしょう。それに触れた時、漸くタイトルを思い出し、「ああ、やられたな」と思えればいいのだと思います。まあちょっとコメディとは言いきれないので、多少心して読んだ方がいいですが笑
とりあえず私は陣くんがこの後どのような道を歩むのかが気になってしょうがないです。読者の意見に左右されすぎず、作者様なりの陣くんを書いて欲しいと思います。それが一番楽しみです。

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