【短編】告白、本音と建前。

宜野座

告白、本音と建前。

この世に比肩する者のいない絶対的な美貌を持つ現世唯一の女神は、たった今告白された。

 相手は同じクラスの男子顔はまあまあイケてるけど街中探せばゴロゴロ転がってそうなレベルの男

 放課後、体育館裏に呼び出されてベタな、辟易するシチュエーションでいきなりの「ずっと気になってました、俺と付き合って下さい!」という告白。

 私は少しの沈黙の当然即座にお断りの気分だけど、あえて焦らして男の緊張する様子を楽しんだ後、その告白に答えた。

ありがとう、その気持ちすごく嬉しい。気になってた程度の軽い気持ちでこの私に告白なんて片腹痛いわ。でも、ごめんね。ほんと時間の無駄。今は誰かと付き合う気分じゃないの。まったく、冗談はそのクルクルパーな髪の毛だけにしておきなさい。本当にごめんなさいむしろあなたが死んで詫びて

 男子無様な負け犬はその答えを聞くと、「分かった。ごめんね、時間取らせちゃって。ありがとう!」と瞳を潤ませながら惨めにその場を立ち去った。


 

 



 ん? 何か問題でも?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【短編】告白、本音と建前。 宜野座 @ginoza

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ