急に現れた謎の妖精に50個の質問をされた話

文屋旅人

急に現れた謎の妖精に50個の質問をされた話

 ある日、書斎で八女茶をのんびり飲んでいると、目の前に人がいた。

「……何者ですか?」

 のっぺらぼうのような、不定形な何か。

 すわ不審者か、そう思った。

「私はカクヨムのトップページを開いた人のもとにランダムに表れる精霊です」

 なるほど、確かに私は今カクヨムのページを開いた。

 それが引き金となってこのような存在が召喚されたというのか。

「では、その精霊は何のために現れたのですか?」

 問いかけると、精霊と名乗ったその存在は、急に口調を変えた。

「じゃんじゃんじゃーん! 今からあなたには50の質問に答えてもらいまーす!」

 ……ノリが違う。

 若いノリだ、私のような年寄りにはついていけぬノリだ。

「はぁ……まぁ宜しいですが……」

 とりあえず、お茶を飲み干そう。

 とりあえず、なぜ50の質問に答えなくてはいけないのか、それを疑問に思って問いかけてみる。

「何故、50の質問に答えなくてはいけないのですか?」

「面白そうだからですよ、それ以外に何か理由でも?」

 不定形な影のくせに妙に陽気な……

「まぁ、いいでしょう……では質問をしてくださいな」

 これも一興。

 なんともなしに、徒然なるままに答えてみよう。

「はい! では質問をしていきます!」





1 まずあなた様のお名前を!

「文屋旅人、といいます」

「古臭い名前ー」

「実際に年をとっていますからね」



2 ペンネームに由来はありますか?

「徒然浮草を長年の文芸仲間に見せたところ、ブンヤみたいと言われたのでそこから名字の文屋を決め、旅が好きだから大伴旅人から名をとりました」

「だから古代味が……」



3 どんな作品を書いていますか?

「随筆として日本全国を旅した記録を記した『徒然浮草』を、新しい試みとして異世界のニュースを勝手に作った『異世界ニュース』、歴史上の人物がTwitterをしていた、と想像して書いた『歴史上の人たちがTwitterのようなものを始めるようです』、そのほかいくつか短編を書いている」

「短編が割と多い」

「好きなので」



4 好きな小説家は?

「宮脇俊三」

「まぁ、そうだろうね」



5 おすすめの本を教えてください!

「宮脇俊三作品全般、三島由紀夫作品、森鴎外作品、川端康成作品も全般おすすめだな」

「大雑把!」



6 小説を書こうと思ったきっかけは?

「元々旅した感想を手帳にまとめていて、それを随筆にしようと思ったのが始まりですね」

「何故カクヨムに来たのか……」

「親戚から勧められて」



7 犬派? 猫派?

「どちらも好きですね」



8 好きな音楽はありますか?

「クラシックや雅楽、最近京劇の音楽なども追加しましたね」

「あ、はい」



9 あなたのイチオシのお菓子

「暑い夏に食べるわらび餅ですね、生来甘いものはあまり好まないのでこれくらいです」

「その割には随筆で食べてる気が……」

「人付き合いで食べるんですよ」



10 夏or冬にしたいデートプラン

「夏に湖畔をゆっくりと歩く」

「おじいさんみたい」

「良きものですよ、そういうのも」



11 私は〇〇恐怖症

「特には、しいて言うなら誤字が怖い」

「その割にしてますね」

「だから怖いのですよ」



12 コンビニに行くと買っちゃうもの

「綾鷹、ですね」

「ダイマ乙」



13 黒歴史を語っていただけますか?

「見栄をはってアリを生きたまま飲み込んだこと、ですかね」

「やーめーろー」



14 よく使う絵文字🐌

「使わないですね、発音できないから朗読するとき難しいでしょう」

「理由がそこ!?」



15 これだけは譲れないこだわり

「泊まるなら駅の近く」

「書いてるものを考えれば納得ー」



16 死ぬまでに行ってみたいところ

「メッカとか言ってみたいですね」

「宗教的にむーりー」



17 好きな異性のタイプは?

「真面目な方ですね」

「シンプル!」



18 好きな遊びは?

「旅、ですね、知らぬものと触れ合うこと、それが遊びですね」

「本当になんてシンプルな……」



19 最近買った高いモノ

「北海道までの切符」

「なんか一貫してない?」

「まぁ、そりゃねぇ……」


20 つい涙した出来事

「道端で死んだ鳥を見た時」

「あー、泣く泣く」



21 無人島に持っていくなら

「鍬、晴耕雨読をしようにも素手では耕せない」

「それかぁ」



22 貴方を四字熟語で例えてください

「自由奔放」

「文章だけで言っている範囲が広いもんね」



23 今までで一番苦労したこと

「大学受験」

「倍率が高い時代だったんだね……」



24 学校の行事といえば?

「修学旅行ですね」

「楽しいもんねー」


25 今までで一番の思い出

「やはり高校卒業でしょうね。みんなで川に飛び込もうとして怒られたあの日……」

「ひどくないです?」



26 結婚しない人が増えていることに対する意見

「今は自由社会だから好きにすればいいと思いますよ」

「あら、たんぱくー」

「ヤりたいなら人間かってにやりますって」

「下品ー」



27 もしも明日、世界が終わるなら?

「解脱したい」

「脱出じゃなくて?」

「魂だけでも救われたいのです」



28 行くとしたら未来? 過去?

「過去」

「なんで?」

「今まで学んだことでより自分を飛躍させたい」

「思った以上に俗!」



29 会ってみたい人

「そうですね……マルクスとか」

「なんでー?」

「自分の考えが後世に微妙に捻じ曲げられたりした感想を聞いてみたいです」

「あ、はい」



30 自分の作品の登場人物(三人程)を勝手にキャスティングしてみてください。

「キャスティングするほどの人物がいないですね」

「悲しすぎる……」



31 ペットを飼うとしたら名前は?

「学名からもじりますね」

「もし人間をペットにしたら?」

「サピエ?」

「ひどっ!」



32 普段着はどんな感じ?

「動きやすい格好ですね、ジャージとか。畑に行きますし」

「よーするに汚れてもいい服ね……」



33 最近気になるニュース

「そうですね、イラン関係でしょうか。あそこが小津なるかは、怖いです」

「洒落にならないニュース!」



34 特技!

「とくにないですね」

「即答!?」



35 インドア派? アウトドア派?

「旅が好きなのでアウトドアでしょうね」

「300キロを近いという人間はアウトドアだと思うんだ……」



36 この世で一番怖いもの

「死、ですね」

「ドストレートに来たね」

「死ねば旅ができなくなる」

「成程」



37 映画とか見ますか?

「友人に誘われたら」

「誘われなかったら?」

「TV放送を待ちます」



38 自分流ショッピング

「その土地っぽいものを衝動買い」

「ちなみに今までで一番高かったのは?」

「多分佐賀で買った鍋島段通です」

「マジで高い奴!」



39 1億あったら何します?

「日本全国旅します、三周位できそうですね」

「飽きないの?」

「季節をかえれば楽ちんですよ」



40 この企画に参加した理由を。

「貴方が出てきたからですね」

「そうだねー」

(実施は目に着いたらから)



41 こんな企画あったらいいな♪を。

「自分の作風もありますが、短編の企画と地域に密着した企画はあったらいいなと思いますね」

「うん、徒然浮き草のようなスタイルはなかなかないっぽいもんね」

「読んだのですか?」

「ところどころ待っている間に」



42 あだ名

「特になし、です」

「つまらん男ですね」



43 武勇伝を聞かせてください

「いじめてきた奴がビビるまで何されても無視した」

「あー、地味に荒らし対策っぽい」

「根本一緒ですよ」



44 こんな異世界に転生したい

「努力が100%成就する異世界ですかねぇ、やはり努力が報われるのはすっきりする」

「ユートピアかな?」



45 愛用しているもの

「ツボ漬けです」

「あれは美味い」



46 好きなアニメ

「フルメタルパニックですね」

「ふるっ!」



47 あなたのモーニングルーティーン

「作品を三十分書く」

「朝に書くんだ」

「朝にも書くのです」



48 そろそろ質問飽きてきましたか?

「少し疲れましたね」

「もうすぐ終わるよー」

「ですね」



49 小説を書いてるときに思うこと

「ただ書きたいものを無心に書きます」

「だから誤字が多いんじゃ……」

「はいそうです」



50 最後に、普段貴方の小説を読んでくれている皆さんに一言!

「しがない随筆書きですが、まぁいろんな短編なども書いているので見てもらえれば幸いです」

「うん、これで終了」





「んじゃ、これを永遠さんにもっていかなくちゃー」

 そういいながら、妖精とやらはボイスレコーダーを持ってました。

「ほう、それは……」

 えらく旧式だな、と思いながら見ていると妖精は口を開きました。

「これは我々の主、永遠さんがなんか出したボイスレコーダーなのだっ! 今回の質問の答えは永遠さんの捜索の糧となるだろう! というわけで、ご協力ありがとう!」

 けたたましく妖精は去っていく。

「まったく、何ともうるさい奴でしたね」

 もう一度茶を飲んで、外を見る。

 なんとも穏やかな日だ。こういった不思議なことがあっても、許せてしまえる。



          了

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

急に現れた謎の妖精に50個の質問をされた話 文屋旅人 @Tabito-Funnya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ