どうだった?

調査員が麻衣が警察から帰っていくのを見ていると、署長が声をかけた

「どうって?さあ、まあ酷い事になる前にほり出されて、それでほっとして気が抜けてるとしか」

「そんなもんなのか」

「そんなもんなんでしょうね」

署長は考え込んでいた、やはり、先日の襲撃とは全く別なんだろうか

「という事は、先日の襲撃とは全く別だってことかな」

「ああ、ヤクザの抗争っぽい事件のあれですか、あれ、もう片方がどこか全くわかってないですよね」

「そうなんだ、近隣の連中をみんな当たってみたけど、みんなその時間はアリバイがありやがるのな」

「アリバイ」

「そうだ、一番多いのがちゃんと金払ってレシートを受け取る奴な、そういうのを毎日、ちゃんと付けてやがるんだよ」

「はあ、なんか小学生みたいですね」

「アリバイがないといきなりしょっぴかれるってわかってるからな、冤罪〜〜とか行って、気がついたら15年塀の向こうなんてーのが今までずっとだったからな」

「はあ、まあこれも進化というわけでしょうか」

「まあ、それよりも、本当にあの女に何かなかったのか?」

「今の所では、何とも、まあでも、これ以上聞くこともないので」

「あいつ、前に他の署で、妖怪特捜班だったな」

「はあ」

「その関係であいつを呼べないか」

「また何で」

「ちょっと気になる事があってな、つながりを付けときたいというか」

「いいんじゃないですか、でもそれ、署長の方から班の方に話しといてくださいね」

「ああ、わかった、で、女の方は」

「私の方から聞いてみましょう、前の妖怪対策は給料なかったらしいですけど、今、仕事を探してる最中らしいので、そこそこの給料を出すと言ったら来るかもしれません」

「よし、じゃあ、その方向で」

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