「ニュースで」

翌日のニュースで、小さい商社の倉庫兼事務所の建物がガス爆発を起こして全焼、社長と他数人の死者が出た事を報道していた。

王女も私も、まるでそんな事、関係ないかのように仕事である。王女は都内でミーティングが有るらしい。私は普段通りに出勤して仕事をこなし、時間通りに帰る。


しかし、久美子の知らないこの社会の中では結構な騒ぎになっていた。

隠れヤクザの始末屋と、警察長官との癒着、今の所どのマスコミも気がついていないけど、警察組織の中では大騒ぎになっていた、特に次期長官を狙ってる数人の警察官僚、東京の大きな警察署の署長達にとっては、特に死んだ長官の腰巾着になってる署長にとっては、上官のスキャンダルは自分の出世に大きなダメージを与えるものだった。


「なんだこれは?テレビのアニメかなにかなのか」

特に混乱しているのは例のビルに隠しカメラを仕掛けていたアンチ長官派である、長官が死んだその日、その時間、隠しカメラはリアルタイムに映像を送っていたのだが、女性を拉致した長官・・・までは良かったが、その後の大立ち回り、そして最後の瞬間、まるで仮面ライダーかプリキュアか、わけがわからない意味不明な状況が写されていた。

「ガス爆発の瞬間に機械が故障して、何か、オンライン映画配信とこんがらがったのでは?」

部下が必死で説明するが、全く理解できない。

数日後、そのビデオに登場している女性が、都内の企業に勤務している事がわかり、何かの機会があれば、詳しく質問するという事で、また、部下が交代で久美子に張り付くことになった

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