「奴は妖怪だ、退治する」

「え?」

部下は一様に驚いた

「考えてもみろ、大の男を振り回したり、いきなり金色に光ったり、そんな人間がいると思うか?」


署長は全員を見渡す

といっても、自分の信用できる部下、5人程だが。

「あ、ええ。」

全員は頷いた。

「前にも他所の署の連中がやられた事があったろ、あれも、同じ犯人の仕業だと考えられる」

確かに、あの所業は人間のできることではない。

でも、映像を見るとどう見ても人間だ。

人間を殺すと、世間の目と裁判所が

「奴を退治する時には、奴の映像をちゃんととってな、そして、人間でない、妖怪だって事をその場でわからせるさ。」

署長は全員を見回し、そして静かに告げる

「今回は秘密裏の作戦だが、自衛隊の協力も取る、今回は奴を逃しはしない」


そうとは知らずに久美子は

「はい!はい!もーしわけございません!もーしわけございません!、すぐに向かいます!はいっ!」

クレームの電話に向かって腰を直角に曲げてお辞儀していた。

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