返り討ち
仕事のかえり、駅前の喫茶店で私は王女と顔をつきあわせていた。
こんなどう見ても外国人な彼女と話している私はどう見えてるのだろうか
「で、どうするの?」
私が聞くと王女は
「うん、今のところは向こうの準備待ち、警察の偉い人がライフルをどっかで手に入れてくれたら、それで狙い撃ちって事になってるわ」
「なんか雑なはなしねえ」
「でも、この世界の人は魔力がないわけだから、そのための武器を準備する必要があるのね」
「まあそうねえ、ま、ここしばらくが用心だと思うわ」
そういって王女は笑っている
「でね、その人々が、今、この店を外から見てるの」
「え?」
私は顔をふせたまま、王女に応える
「頭をうごかさないで、窓の向こう、入り口の見えるビルの一階、白い車が止ってるけど、あれは、その狙ってる人たちの車よ」
「え?狙ってこないのかな」
「まあ、この世界の人は魔力がない、魔法が使えないって事があるから、今襲ってくるなんて事はないわね」
「まあ、とりあえず、帰ろっか」
私たちは店を出て、そこから彼女のアパートだかマンションだかの方向に歩き出した
と、後ろを車の爆音が、とっさに私たちは電柱の陰に隠れる
電柱の横に止る車
「きゃ!なにこれ」
「〇▼■☆💀!!」
ドアが開いて男たちが私たち二人を車に引きずり込む
「しずかにしろ」
「ドア閉めた!出せ!」
車が急発進する
天井の様子からこの車がワゴン車だって事がわかる
私たちの腕を押さえつけていた男はそのまま、私たちの腕をひもで縛りあげる
「大人しくしてもらおうか」
男が私たちをシートに抑え込む
「くっ!」
腕に力を込めるとひもが切れそうだ
「動かないで、このまま奴らのアジトに連れてってもらいましょう」
王女様が耳もとでささやく
「王女様、大丈夫?紐」
「紐?まあ、いつでもほどけるわ」
車はそのまま走り続けた
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