「そんなに言わなくてもいいじゃん」

「私だって、大変だったんだからあ〜〜〜」

妹が泣き出した

「そんな、そこまで言わなくてもいいじゃん、私、みんなの代表とか言われて、すっごく頑張ってたのに、

自分に、妖怪と戦う力なんて無いのすっごくわかってた

妖怪出たときすっごく怖かった

もう、毎回死んじゃうんじゃないかって必死だったんだから

上司に言えと言われて、オネエチャンに、こんなこと頼めないってわかってたのに、言えと言われて」

「言わされてたの?」

妹が頷く

「ゴメンナサイ、ごめんなさい、でないと、クビになるから、私、大学のときに素質あるって言われて、毎日のように警察の人が家に来て、大学やめて警察にはいった。でも妖怪怖いばっかりで、私、全然素質なんてない。クビになるのが怖かったの」

妹が泣きながらこっちを見る

「お母さんから、給料出てないって聞いてるけど、どうなん?」

「警察の仕事は夜だから昼間はバイトしてる。ボランティアは給料出てないって言われて、それはやる気のある、立派な精神だからって言われて、そんな腑抜けたこと言ってたら死ぬぞって言われて、実際、たくさん死んでるし」

「人に仕事させて金払わんなんて東京都クソだな、昨日、国会でやってたけど、災害対策で3000億くらい国の税金から貰ってんじゃん、知事がチョロまかしてんじゃねーのか?

とにかく、なんか理由つけてもう辞めな。また大学行き直したらいいし。お父さんに言って、妖怪の出ないところに引っ越そう」

「私・・・辞めていいの?」

「いいんだよ、もう、いいんだ・・・・」

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