第9話~潜入オクマー共和国3~


壁の間近に到着した2人。

しかし、トモサが期待していたそこには何もなく、行き止まり感があるだけだった。


プラズマアローが暫く止み、一時の静寂の後、トモサの予想を上回る人数の兵隊がトモサが走り出した場所に現れ、ゆっくりと近づいて来た。

もはや、終わりか。だがトモサは諦めず壁の何処かに変わった点があると信じ、手探りで壁の特異な場所を探した。


やがて、兵隊の足音も聞こえはじめ、徐々に近づいてくることを背中に感じるトモサ。

しかし、ミサニが騒ぎたてないなと、ふと思った瞬間、目の前がパッと明るくなった。

『ここか!』と叫んだが、うすらざゆく行く意識の中で、違う、後頭部を打たれた。と、振り返りざまに一瞬見えたのは、棍棒を持った無表情なミサニだった。

「おにい、ごめん」と言ってミサニは絶え絶えの意識に倒れかけるトモサを壁側に突飛ばした。


トモサは『なんで・・・・』と思いつつ、意識をうしなった。


やがて兵士達の足音もとまったが、トモサには、もはや認識する術はなかったのだが。



カペト共和国は、かつて、大陸の砂漠地帯を越えて、緑多き農業、牧畜の国として潤いに満ちた国であった。

共存と思いやりに満ちたその国は、正式が軍隊を保有せず、カペトに侵略を受け領土を失っていった。

カペト王( 事情あって低浮上 )は民の前に姿をあらわすことも無くなり、沈黙の国として、暫くの時が過ぎた。

やがて、カペト王国に事実上支配され始めたころ、何処からともなく、強力な反乱軍がその姿をあらわにした。


オクマー王の沈黙と反乱軍に、たじろんだ、カペト・ルラだったが、ここで急速に進行を早めていた。

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ファンタジーを読んでいたら、キャラの中に自分がいた! Shran Andria @Shran_Andria

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