第10話 前門の狼・後門の虎

耐え切れなくなった和田さんの口から、

溶解液が勢いよく放たれた。

日本最大の黒部ダムの放水にも負ける事のない

和田さんの口からの放水!


大放水!!



前門の狼、後門の虎とはよく言うが、


『前門のビチグソ、後門のゲロ』

・・・とは古代ローマや中国の哲学者や教授も、

考えもしなかったであろう。


車内は前方のクソ悪臭と後方のゲロ悪臭が入り混じりの大事件!


そう9.11米国同時テロと、3.11東日本大震災並みの、

悲劇・惨劇が起きているとは、

はるか前方を走る他のクラスのバスは知る事も、

予想すら出来なかったはずである。



前方でビチグソの放たれる爆音と悪臭・・・

後方で床にゲロを撒かれ飛び散り、

靴や荷物・洋服に被害を受ける者・・・


気の触れんばかりの爆笑する者、

泣き出す女や、貰いゲロをする奴らも現れた。


各々の喜怒哀楽の人間性を魅せつつ・・・



「フゲロオエップ゙プビチチッ ワーウッッープッーーー!! 」

「ワハハハゲェェッハハゲロゲロハブリリリハハハ  ゲロ 」

「 ブリブリワハハハゲロゲオエッエッ   ビプッ・・・!!」



その間も、前席・後席で悪魔の笛の音は止むこともなく



脱糞、嘔吐、嗚咽、爆笑激臭を乗せた地獄のバスは、

速度を緩める事なく目的地へと向かった。



バスは、ダンテの神曲「汝、一切の希望を捨てよ」とばかりに、

中央フリーウェイの横に見える、

目的地の某飲料メーカー工場への旅路を、

終えようとしていた。



ラストエンディング曲はもちろん

荒井由実:「中央フリーウェイ」


中央フリーウェイ♪

右に見える競馬場~♫

左はビール工場(←見学工場)♬

この道は ・・・♬♪




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少年時代。~狂気と混乱のクラスメイトたち~ 眠り猫四十郎 @kantona4071

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