第4話 真相
〜真相〜
今日は恵美とあいつのデート当日。
私は、あいつに会いに行っていた。
会いに行くと行っても、もちろん約束はしていない。あいつが家を出た時からバレないように尾行していただけだ。
最寄りの駅の改札を通り、駅のホームで右手に携帯、両耳にイヤホンをつけて、おそらく音楽を聴きながら電車を待っていたあいつに徐々にそっと近づき、電車が来たタイミングで背中を押した。
落ちていく瞬間、咄嗟に振り向いたあいつは、
ぎょっと目を見開いて驚いていた。一気に血の気が引いて恐怖に歪んだ顔は傑作だった。でも、君が悪いんだよ?人が大事に大事にしてきた宝物を壊そうとしてきたから。私は何も悪くない。私は自分のものを守っただけ。
電車が急ブレーキを踏む音、周囲から漏れる悲鳴、ざわめき、グチャッと身体がバラバラになる音、その雑音を聴きたくなくて私はすぐにその場を後にした。
私はずっと恵美が好きだった。
小学校の頃、学校ではいじめられて
家に帰ると今度は両親から虐待を受けて
どこにも自分の居場所がなかった。
苦しくて何度も死のうと考えた。
でも、そんな時、彼女が私に希望の光をくれたの。いじめから助けてくれて、友達になってくれて、つまんない毎日から辛い日々から私を救ってくれたから。
恵美は私にとってヒーローだから。
誰よりも愛しい人だから。
だから貴方が何度、道を間違えそうになっても、その度に私は貴方を助けて守ってあげる。
それが私の優しさだから...。
私だけがあなたを幸せにできるの。
それを気付いてもらうために...。
ねぇ、次は誰を消せばいい...?
END
優しい友達 美咲 @misaki070719951024
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