第3話 日曜日の憂鬱


〜日曜日の憂鬱〜


ザーザーと外から雨の音が聞こえる。

湿気が多く、ジメジメしていて憂鬱だ。

今の私の気持ちのように。

自分の部屋の窓から見える外の景色をぼんやりと眺めていると


ピーンポーン


と玄関チャイムの音が鳴る音がした。玄関に向かい、「はーい、どちら様ですか...??」

私がそう聞いてもドアの外からは何も反応がない。誰だろう?と思いつつ、私はドアスコープを覗く。


すると、そこには雨が降っているのに

傘もささずに下を向いて立っている恵美がいた。

急いで、ドアを開けると、恵美はそのまま

私に勢いよく抱きついてきた。


「...こ、琴葉...尚...尚先輩が...」


彼女は小刻みに震えていた。まるで、猛獣に狙われている子ウサギのように。

どれぐらいの間、外に居たのだろう?

身体はすっかり冷え切っている。

背中を優しくさすり、「何があったの...?」と聞くと、彼女は「尚先輩が...死んだって....」そう小さく呟くと我慢してきたものが溢れ出したのか子供みたいに大声で泣き出した。


可哀相に...。

あぁ、泣かないで。

もう、大丈夫だから。

あんなやつの為に涙を流さないで。


何も言わずに彼女をぎゅっと抱きしめ、頭を撫でながら私は不気味な笑いを浮かべていた。

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