第7話 見送り



 どこかで爆発音がする。

 もしかして、もうなのか?


 敵が来た?


「時間切れだ。やつらがくる。俺はまた過去に飛ぶことにする」


 なら、と私は述べる。

 これから長い闘いに赴くだろう、どうしようもなく優しくて愚かなそいつに。


「一人で悩むな、私達に相談しろ。これであってるんだよ。何年お前に付き合って馬鹿やってると思ってるんだ。お前は馬鹿だったけど、そこだけは今まで正しかっただろ!?」

「……そうだな。お前には本当に頭が上がらない、いつも助けられてる」

「あたりまえだろ。私が助けてやらなかったら、今頃お前はどうなってたか」


 軽く十回はおまわりさんのお世話になってるぞ。


 近づいてくる足音を聞きながら私はそいつに別れを告げた。


「いってこい」

「ああ、いってくる」


 私は目を閉じた。


 奴が時間をこえる。

 どんな条件があるのか分からない。

 何か呪文でも唱えるのか、道具を使うのか。


 やがて、音も人の気配も遠くなっていく。


 あいつが、いつかまたバカバカしいことで笑えるようになるのを願った。


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物語の始まり ループ 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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