第十五章 誰もが病気

 八月の末に、何らかのトラブルにより、ガイドの炉が停止した。

 そのため、部品の供給が停まり、梱包するブツがなくなった。

 おかげで、中組の選別などをやって時間を潰した。最終日の土曜日は休みになった。

 九月に入ると、アウトリンクとピンが単体出荷となった。おかげで、それぞれ単独で作業を進められるようになった。それに伴って、セット以外の部品構成表も全て廃止になった。UC工場まで、コピーのために往復する必要がなくなった。小迫さんは、防錆機の横にパレットを置いて、防錆したピンを直接パレットに積んだ。台車で運んでパレットに積むより手っ取り早いようだった。前田さんは、そのやり方を採用した。

 更に九月に入ると、また新人が加入した。

 初日の朝礼で、前田さんに概要を聞いた。

 名前は新海君といった。

 まだ三十代だが、持病がある。糖尿病でインシュリンを打っている、ということだった。

 三十代で糖尿ということは、相当な肥満なのかもしれないと想像していた。

 残業が終わってUCヤードに戻ると、その彼がいた。前田さんに紹介された。想像とは全く違っていた。

 身長は百六十センチにも満たないだろう。何だかひょろっとしている。小学校なら、『もやし』と綽名されるところだ。三十代らしいが、かなり幼く見える。次の日の朝礼で、自己紹介をした。

「新海です。よろしくお願いします」

 ラ行が上手く発音出来ないようだった。

 この年齢と体型で糖尿ということは、生まれつきのⅠ型なのかもしれなかった。しかし、結局詳細を聞く機会はなかった。

 最初は、UCで指導を受けていたので、話す機会もほとんどなかった。

 いずれにせよ、新人の相手をしている暇はなかっただろう。

 ある朝、惰性の視察で実験Z棟に入ると、ショートの段ボール箱が防錆袋をセットした状態で積み上げられていた。

 昨日の残業では、作業を終えて、とっとと実験Z棟の鍵を閉めて帰ろうとしたにもかかわらず、何故か小迫さんが、チャイムが鳴るまで居座って文字通りぶっ殺してやりたくなっただけで、段ボール箱を作った記憶はなかった。

 朝礼で、前田さんが言った。

 成形停止の影響で、先月のタスクがまだ残っていた。昨日の残業後に、本日中に二十パレット入庫しろ、との指令が下ったらしい。その日の朝、前田さんは朝六時に出勤して、箱を作っていた。社員は大変そうだった。

 結局、残業までに、運搬された分は全て片付けた。残りも次の日に終わり、やっと今月分に着手した。

 私が順番通りに並べた78RXピンを、前田さんが計量して滅茶苦茶にした。

「ったく、前田の野郎よお」

 後で小迫さんがキレた。

 更にその件とは無関係に、小迫さんと松井さんが口論になった。理由は余りにもクソくだらないためもう忘れた。

 新海君が実験Z棟にやって来たのは、週が明けてからだった。

 ガイドをやらせたが、作業はやはり遅かった。ガイドは他の部品に比べてまだ軽い方だったが、コンテナを持つとフラフラとしていた。反応も鈍く、ぼんやりとしているようだった。自分が悪徳サーカスの猛獣使いか、強制収容所のSSにでもなったような気分になった。

 運搬をすると、成見が言った。

「前田さんが言ってたんですけど、朝、新海君が酒臭かったらしいんですよね」

 後で私も気付いた。朝だけでなく昼でも臭った。呂律が回っていないのは、酒のせいなのか。朝まで臭いが残るというのは、相当な量を飲んでいるのではないだろうか。しかし、幾ら何でも糖尿でそこまで酒を飲むのか。謎だった。

 その週に、成見が岩手に帰郷したため休んだ。UCは、前田さんが指示を出した。

 午後一で、前田さんと運搬をした。車内で新海君の話になった。

 毎朝、酒臭い、反応が鈍い、ぼーっとしている。アルコール依存症かもしれない、ということで意見が一致した。

「脳が委縮しているのかもしれませんね。ハハハ」

 私が言った。

 残業が終わりUCに帰ると、前田さんが新海君に話を聞いていた。成見がいると、普段はなかなか話も出来ないのであろう。

 後で前田さんから話を聞いた。酒はやめると約束した、ということだった。しかし、治療は受けているのか、そもそも、アルコール依存症の診断を受けているのか、詳細は不明だった。その後もアルコール臭は続いた。

 次の日も成見が休み、残業は一時間、のはずだった。

 ところが、UCに帰ると、志田君と前田さんが何やら話し込んでいた。

 そのまま消えようかと思ったが、嫌な感じがするので思いとどまった。志田君が去ると、前田さんに呼ばれた。

 どうも、中国向けのセットをイギリス向けで梱包入庫したらしい。ブツは既に、立体倉庫にブチ込まれているということだった。

 UCは、前田さんが指示を出していた。私の知ったことではなかったが、忠誠心と責任感を示しておくことに越したことはなかった。

 三好さんに、立体倉庫からパレットを出してもらい、その場でラベルを貼り替えた。仮組表も書き換えた。入庫処理の取り消しは、社員の誰だかの権限が必要だった。入庫のやり直しは明日に回された。残業は結局、二時間になった。


 土曜日の社食は、閑散としている。利用者が少ないため、前日に食券を受け取っていなければ、利用出来なかった。最近は月一で休むくらいで、私は入社以来、常連と化していた。

 小迫さんと松井さんは、土曜日だけは他で済ませているようだった。小迫さんは、何かドロッとしてるよな、あれ青椒肉絲じゃねえよ、とか宣わっていた。社食を弁護するつもりもないが、どうせ普段から碌な食生活をしていない癖に何言ってやがるんだと思った。

 新海君が初めてだったため、私が案内してあげた。そのまま、一緒に食べることになった。

「毎晩、酒呑んでるの」

「………」

 あまり持病のことを突っ込んで聞くのも憚られたが、そもそも、リアクションがほとんどなかった。何を聞いても、ぼんやりとした薄笑いを浮かべるだけで、答えは返ってこなかった。

「御馳走様でした」

 カニクリームコロッケだけ平らげて、キャベツの千切りは残した。血糖値のコントロールは出来ているのか疑問だった。

 平日の社食は、流石に賑やかだった。新海君も平日は一緒ではなかった。

 定食を食べ終わろうとする頃、地震が発生した。あちこちでスマホが鳴った。震源は茨城で、工場の地域は震度三と表示されていた。

 周囲の社員たちも、そこまで気にしている様子がなかったので、食券で普通に精算して外に出た。

 社食下の芝生広場では、社員、ワークネード双方が集まり始めていた。

 UCの連中に合流すると、成見が言った。

「こういう時は、朝木さんも真っ先に集合して下さい。サブリーダーなんですから」

 社員どもが無反応だし、昼休みのことまで、知ったこっちゃなかった。


 新海君は仕事も覚えて、病気を押して頑張っていた。しかし、やはりぼんやりとしており、たまに言ったことを一瞬で忘れたりした。記憶力とか認知機能とかいったことが、相当に衰えているのではないかという印象を受けた。更に、病気だったのは新海君だけではなかった。

 残業を終えてUCヤードに戻ると、松井さんがまたぶっ倒れたと、成見に言われた。既に帰宅したらしい。

「今度はどうしたんですか」

 今度の経緯は、やや複雑、というか面倒なものだった。

 ヤードのパレットに積んであった、ピン用のコンテナがぶっ倒れた。そいつは坂上君が作業中に使っていたものらしい。

 後で坂上君がやって来ると、松井さんがまた例のへらへらとした調子で、何か倒れましたよ、とか何とか言ったらしい。

 それで坂上君が成見に、ちょっとあれはないんじゃないですかね、とクレームを入れた。直してくれてもいいんじゃないの。

 そして成見が、松井さんに『説教をした』らしい。具体的な内容は不明だ。想像するのも面倒だった。その最中に、またバタンとぶっ倒れたということだった。

 土曜日の午前中に、一緒に運搬をしていると、成見が言った。

「松井さん、ムカつきますよ」

 何で今頃になってキレてやがるんだ。

 あの後、検索して調べたらしい。どうも『怒られて、意識消失』という症状に、しっかり名前が付いているらしかった。

 『血管迷走神経反射性失神』とは、迷走神経反射の過剰のために徐脈と脳血流不足を来たし、意識を失うという症状である。過度なストレスにより、突然意識消失することもあるという。

「どうすりゃいいんですかね、松井さん」

「え、どうって」

「だって、叱ったりすると倒れるんですよ」

「いいんじゃないですか、別に」

「いやいや。そりゃ、朝木さんはいいでしょうけど、倒れられる身にもなって下さいよ。何かやらかしても、叱れないじゃないですか」

 そもそも、自分が何故そこまで嫌われているのか、真剣に考えた方がいいのではないか、と思った。

 松井さんは以前、病院で検査をして、異常はないと言われたらしい。しかし、音がうるさいとか、発達障害だか学習障害のようなところがあるので、脳神経系がやはりどこかおかしいのであろう。一度、精密検査を勧めたいところだが、発達障害とか言ったら逆切れするに決まっている。

 新海君も然りだが、病気であれば会社側にも配慮する義務がある。正社員様になりたければ、そういったことをこいつは理解するべきではないだろうか。

 話は変わった。

 その日の朝、組み立てに75RXピンがない、とダイレクトの社員に言われたらしい。

 75RXピンは実験Z棟にあった。既にアウトリンク向けに設定がされていた。何気なく教えてあげたがスルーされた。輸出より組み立てが優先されると思うのだが、ピン径が合えば、それを譲ってあげた方がいいのではないか、という発想は成見にはなかった。結局、その日のうちに、小迫さんに防錆させて入庫した。製造が納期をすっ飛ばしたのかどうかは、聞いていない。

 ちなみに某自動車メーカーの場合、部品の納入をすっ飛ばしてラインを止めると、数千万円の賠償金を請求されるということである。


 その週末に、ビートの事務所が移動することになった。それまでは丈選の部屋に食い込んでいたが、ヤードの中央付近に新たに仕切り壁が立てられ、その中が事務所となった。その位置にあった事務スペースが、ヤードの端へと移動した。丈選の部屋が、その分拡張してブースが増設された。移動しても広さは大して変わらなかった。相変わらず成見は、社員どもと同化していた。月末になるとラベルの山でデスクが埋まった。

 長田さんからは、前田さんに三日連続で指導が入ったらしい。

 我々の字が汚い、という内容だった。

 三日目は、ワークネードの会議中にわざわざヤードに呼び出されて、指摘されたらしい。私の字もその中に入っていたのかは定かではない。前田さんの方は珍しくお怒りだった。呼び出したのはUCヤードであろう。私は無関係の可能性が高い。しかし、この私でも流石に同情した。字は可能な限り丁寧に書いてあげようと思った。


 月末の土曜日が休みとなり、日曜日に出勤となった。

 小迫さんと浦田は休みだった。その日は四時までとなり、ヤードがパレットで埋まった。

 翌日には、午後から成見が実験Z棟にやって来た。更に、長田さんまでやって来た。ガイドのパレットが四枚搬入されてきた。まだ温かかったが、松井さんと私で、梱包を強行する羽目になった。翌日が最終日で、そこまで無理する必要もなかったが、誰もがパブロフの犬のように作業に邁進していた。

 昼になって成見が段ボール箱を発注したらしく、三好さんが持ってきてくれた。ところが、ヤード内が混乱していたため、外に出しておいた。

 二時間の残業を終えようとする頃、松井さんに中に入れるように指示を出した。

 ところが小迫さんが、自分がやると言い出して、ハンドフォークの取り合いになった。

「ボクが言われたんだもん」

 結局、松井さんが勝った。

「あいつに、出来んのかよ」

 小迫さんが毒づいた。まるで小学生の喧嘩だった。

 やはり、ハンドフォーク捌きについては、自負があるようだった。

 二人ともヤードに閉じ込めて火を放てば、さぞかし見物だろうと、最後に一人で鍵を閉めながら思った。


 最終日に、無事にその月のタスクは全て終了した。九月は、休日が二日あったせいか、時間外労働時間は六十四時間だった。これは、この工場での三番目の記録である。

 月明け早々に、嘔吐と悪心で工場を二日休んだ。気分が悪くて死にそうだった。インフルエンザの可能性があるため、病院で検査をしてもらった。休んでも休むことすら出来ない。特に異常はなく、風邪と診断された。


 月末から、スマホの通話と通信が不能になっていた。電欠の電話は、自宅の電話からかけた。週末にショップに行くと、新規購入を勧められた。落としたりしたので、SIMカードのリーダー部が破損していたらしい。修理には時間も費用もかかります。時間もなく、疲れていたので、断る気力もなかった。結局、言われるがままに、新品を購入した。

 前回同様、設定する暇も碌になかった。

 その月のタスクは、やや少ないようだった。部品の上りも遅かった。昼から選別に回されることも多かった。

 台風が来たが、ざんね、いや、幸いなことに出勤に支障はなかった。

 休出の昼休み。小迫さんの防錆が終わらなかった。キリのいいところで、終わりにするだろうと思って先に実験Z棟を出た。

 ところが、昼礼の時に言った。

「アウトリンク、終わりましたよ」

 昼休みに,一人で作業を続けていたらしかった。

 流石にゾッとした。想像を絶するアホ野郎だった。

 工場ではたいてい一人での作業は禁止されている。ましてや、昼休みに一人で作業をさせて、もし何か怪我やトラブルがあった場合には、サブリーダーである私がまず責任を問われることになる。労災も降りない。その程度の常識も理解出来ないとは、驚きを通り越して、恐怖を感じた。

 そもそも動機がよくわからなかった。その分、早く終わると思っていたとしたら当てが外れた。その日は結局、三時終了だった。

 更に、小迫クンの奇行は続いた。

 今度は、掃除をすっ飛ばすようになった。

 派遣時代の名残で、金曜日は定時で、最後の二十分でヤードの清掃を行っていた。

 もうそろそろ作業が終わろうかという頃、指示を出していないのに勝手に06Fのピンの計量を始めた。

 結局、そのまま作業を続けて掃除は私が一人でやる羽目になった。

 例の如く、最初は何も考えていないだけだと思った。ところが、翌週も同じような行動に出た。どうも意図的にやっているようだった。自分が掃除をやらなければ他の人がやる羽目になる、ということには、思い至らないようだった。何度か言ってはみたが、聞く耳を持たなかった。

 松井さんの方は、やっぱりパワハラ体質だった。

 ガイドに汚れが発見されたため、代替品が搬入された。新海君にコンテナの移動を指示した。

 彼がフラフラと作業をしていると、松井さんが芝居がかった口調で言い出した。

「もう、ダメ。そんな持ち方じゃ。もういいよ。ボクがやるから」

 指示もしていないのに、勝手に介入して交代しやがった。

 そして、それを見ていた浦田が、後で嬉々として成見に報告した。

「何か、持ち方がどうとか言ってましたよね」

 どうもUCでも、垣内さんの時と同じように、訳のわからないことを言って絡んでいるらしかった。

 誰も彼もがいかれていて、仲が悪かった。

 最早、全てがどうでも良かった。

 この頃、ダイレクトのメインは小迫さんで、相手にするのは疲れた。午後から一人でピンの剥離選別に回されたりすると、いい息抜きになった。

 前田さんはワークネードの指示で、人権研修会なるものに出席した。

 派遣会社に人権もへったくれもあるのか、と疑問を抱いたが、そういったことに多少の配慮があるのは悪いことではなかったろう。

 その間UCヤードでは、長田さんが入庫の作業などを手伝ってくれていたらしい。

 ところが、成見が後で言った。

「手伝ってくれるのはいいんですけど、長田さんいるとやりにくくないですか」

 これには唖然とした。

 おいおい、長田さん大好きなんじゃなかったのか。一体どういう心境の変化だ。

 同一化した対象でも、自分の思い通りに動かないと反発するのであろうか。よくわからなかった。

 わからないことは、まだあった。

 その日は、成形の遅れにより梱包するものがなくなった。ヤードにあったアウトリンクが製造に持って行かれた。島村君の依頼で、前田さんと成見がトラックで台車を運び去った。昼からは、松井さんと二人でリンクプレートの選別に回された。

 ご機嫌だったようで、自分のことを話し始めた。

 銀行はやはり、都市銀だったようだ。合併して今はなくなった大手都市銀の一つにいたらしい。仕事はサーバーの保守。どうも、新卒の行員ではなく、最初からIT系で入ったらしい。しかし、大卒なのか、銀行本体なのか、関連会社なのか、そこはやはり不明だった。

「それでえ、辞めますって言って、友達と居酒屋を始めたんですよ」

 何が『それで』なのか、さっぱりわからなかった。しかし、脱サラして居酒屋を始めたことはわかった。どいつもこいつも居酒屋だった。

「調理とか出来るんですか」

「いや、僕は接客担当でした」

「ほほう」

 居酒屋を始めたのに、調理が出来ない。まあ友達が出来たからいいのであろう。

「だけど、そのうち友達も『辞める』って言い出して、それで店を畳んだんですよ」

 注文を間違える。『あーー。ごめんなさい』。本人に何を言っても、ヘラヘラとして、糠に釘状態。もしかしてこいつ相当ヤバイんじゃないか。気付いた時にはもう遅い。ネズミの如く、沈没する船からは逃げ出すしかない。恐らく、そういうことだったのではないだろうかと推測している。

 梱包では品薄の状態が続いていたが、成見は作業を煽った。

 土曜日には、三好さんに『ここまででいいですよ』と言っておきながら、後になって言い出した。

「ガイドまで入庫しろって言ったじゃないですか」

 『じゃ・な・い・で・す・か』と言われたところで、そんなことは一言も聞いていなかった。面倒くさいので、のらりくらりとかわしていたら、しつこく食い下がってきた。流石にキレそうになったが、その内に終わった。

 月末には、遅れていた部品がまとまって放出されてきた。実験Z棟は、部品台車で溢れ返った。

 ヤードを見回して、前田さんが聞いてきた。

「全部、入庫出来る」

「出来ます」

 成見が即答した。

 後になって、私に聞いてきた。

「本当に大丈夫」

 何とかならない量ではなかった。しかし、成見が計算して言っていたのかどうかは定かではない。どうも、二人の間にも見えない溝があるようだった。

 例によって、台車を片付けるべく、アウトリンクを先にした。そして06Fに着手するべく、私が計量をしていると長田さんがやって来た。前田さんに、うだうだと何か言っていた。どうも、何故セットを先にやらないのかと言っていたようである。しかし、台車を片付けないと、作業場所の確保もままならなかった。おまけに、小迫さんと松井さんがいたので、トラブルの元は可能な限り排除したかった。セットは昼前から仕掛け始めた。

 結局、四時には部品がなくなり、その後、UCヤードに戻ることになった。そちらではラベル貼りをやらされた。

 以前、ラベルの貼り間違えがあったとかで、ラベルのダブルチェックをしているということだった。何となく私も聞いてはいたが、ダイレクトでやることになると面倒なので、知らない振りをしていた。流石にUCではやらない訳にはいかなかった。ラベルを貼った後、別の人物が一枚ずつ指差し呼称をして確認をしていた。誰もが真剣にやっているようだった。完成品の段ボール箱は多くてワンパレ四十八個である。狂気のさ、いや、大変に素晴らしい試みだと感心した。頭が痛くなった。以前、映像で見せられたとおり、本当に脳に負荷がかかるようだった。普段うるさい浦田も、不思議なことにこういうところには何も言わないようだった。

 その月の時間外労働時間は三十八時間だった。しかし、楽だったという印象はなかった。


 ガイドが一部、翌月に持ち越しとなったため、月曜日の休出で大放出されることになった。その日のうちに四枚を入庫しなくてはならなかった。

 実験Z棟だけでは捌き切れないということで、一部をUCヤードに運び込むことになった。

 しかし、前週の土曜日に、実験Z棟にアツアツのが一枚運び込まれていた。

 朝礼にて、前田さんに聞いた。はーい、実験Z棟のガイドはどうしましょう。

 前田さんの方が言い淀んでいる間に成見が即答した。

「こっちに持ってきます」

 ダイレクト工場からは、そちらの社員さんがフォークで持ってきてくれることになっていた。では、実験Z棟のパレットはどうするのか。ダイレクトの社員に頼む訳にもいかなかった。

 結局、前田さんがUCのフォークを借りて、UC工場へと運んでいった。普段、乗っていないせいか、狭いヤード内では挙動がぎこちなかった。後で小迫さんが、バカにしたような口調でうだうだと文句を言っていた。

 彼はどうも、フォークの運転もあまり好きではなかったらしい。とんだ藪蛇だったが、私の方も指示を出さないといけないので、言及しない訳にはいかなかった。

 仮組表やらラベルをUCに持っていき、仕向け地の指示を出した。その後のことは知ったことではなかった。

 お陰様で、ダイレクトの方は午前中でケリがつき、午後からはUCになった。

 新海君がカラーの投入をしていると、成見が何やら割って入って実演していた。そこまでやるほどのことには見えなかった。

 その日は、三時に終了した。

 金曜日は定時だった。四時過ぎに三枚入庫処理をした。その後、三好さんがフォークでやってきた。私は例によって、別に明日でもいい、と言ったのだが、今日中に引き揚げると言って聞かなかった。まあ土曜日の朝は、向こうも人数が少なくて忙しいのであろう。

 そこに、運搬のトラックがやってきた。三好さんの方はトラックをよけて、斜め横からヤードに入ろうとした。シャッターに突っ込んで、バーがレールから外れた。

 閉まらなくなったと、小迫さんがギャアギャアとキレた。

 後で、成見が面白がって言った。

「どうなりました」

 どうもこうも、後工程のことを考えないで作業を煽るとこうなる訳だ。壁に標語でも貼っておけばよかろう。『安全より納期』。

 シャッターの修理が入ったのは翌週だった。

 土曜日の朝礼で、成見が言った。

「早く帰れるように、頑張りましょう」

 随分と御機嫌のようだった。何故、そうしたことを言い出したのか謎だった。

 前日には、実験Z棟に試作品が搬入されていた。試作品は、過去にも何度か梱包したことがあった。

 前田さんが言った。

「試作品までやっていいからね」

 十時に運搬の予定が十一時になった。車内で成見が言った。

「試作品は後回しですね」

 昼休みには、また小迫さんが一人で防錆をしていた。

 昼礼では、成見が聞いてきた。前田さんは昼で帰宅していた。

「今日、どうします」

 何故、ここでいきなり私に振ってくるのか謎だった。UCの状況もわからないし、こういうことは事前に聞いておくべきだった。これは、罠ではないだろうか。

 いずれにしても、小迫さんと松井さんと三人で、試作品その他を放置すれば、ダイレクトは二時でも切れる。答えた。

「三時で」

 しかし、午後からは成見が参入した。小迫さんのピンは二時前に終わった。松井さんもリンクが一つ終わった。ここで切ればキリが良かったが、成見が小迫さんに試作品を振った。松井さんにも同様だった。三時で仕事が終わり、成見が言った。

「どういう予定だったんですか」

 試作品を放っておけば二時でも良かった。成見がいなければ三時でも良かった。どちらでも良かったが、人数とタスクが変る状態で、予定もへったくれもなかった。二時と言った場合に、成見が何を言い出すのかも予測不能だった。

 しかし、よくよく考えてみると、試作品は通常の入庫処理をせずにそのまま輸出されることになっていた。成見にとっては、試作品のことなどどうでも良かったのかもしれない。早く気付くべきだった。

 松井さんは、小迫さんとはいがみ合い、浦田からは毛嫌いされ、新海君に対してはパワハラ体質だった。しかし、口だけは達者だった。

 実験Z棟で、松井さんと作業をしていると、彼が副票を見つけた。アウトリンクのもので、新海君の字だった。

 作業表を見返してみると、昨日に梱包したものらしかった。

 私はさりげなくスルーして揉み消そうとしたが、松井さんが言った。

「こういうのは、信用に関わりますからね」

 信用という言い方が適切かどうかはわからなかった。副票が一枚足りないだけで、クレームになるのか、副票一枚のために、わざわざパレットを戻して入れ直す必要があるのかもわからなかった。コストと手間を考えると、スルーした方がいいような気がした。しかし、そのような理屈は通じないような気もした。こっちが黙っていると、彼がバラすことだけはわかっていた。案の定、後で前田さんがやって来ると早速報告しやがった。

 昼休み明けに、新海君本人に話を聞いた。彼は既にこのことを知っていた。前田さんから聞かされていたのであろう。途中で副票が足りないことに気付いたので書き足したという。その件はそれで終わった。成見は何も言ってこなかった。前田さんが伝えていなかったのかもしれない。


 前田さんは、成見と違って常識的な判断が出来る人だった。パワハラじみた言動は一切なかった。根は優しい人間なのであろう。成見によると、長田さんからいつもカリカリと言われていたらしい。しかし、我々に対して八つ当たりをするといったことも一切なかった。その半分くらいは私が原因だったような気もするが、私に対して直接何か言うようなこともなかった。これは私の態度にも大いに問題があったと思う。しかし、この点に関しては前田さんにも責任がある。見え透いた『やりがい搾取』を仕掛けてきたからである。それに引っ掛かったのは成見だけであった。いずれにしても、かなり甘えさせてもらっていたとは思う。これは、大人になれないシゾイドPDが一番の原因であろう。しかし、それだけではない。非正規というのは本来そういうものなのである。待遇に見合わない責任を自ら負うほど、私はお人好しではない。

 いずれにせよ、GLとして長田さんや志田君の御機嫌を取りながら、非正規どもを上手く飼いならし、新しいセクションを軌道に乗せることに成功した訳だ。

 以前から成見が言っていたが、誇大妄想の類だと思って話半分で聞いていた。昼礼にて正式な発表があった。

 翌年から、前田さんはプレスに異動になり、中組の笹井さんが新たに梱包セクションのGLになるという。笹井さんは、来月から研修がてら、こっちと中組を行ったり来たりするということになっていた。

 仕事のことをよく知らないGLが新任だと、相対的にサブの成見の力が強くなる。よくある図式だ。これは、かなりマズイ状況なのではないだろうか。

 本人もそれを意識していたのかもしれない。

 月末は週末で、私は土曜日に休み、日曜日に休出になった。

 うるさいのがいないので、適当にタスクをこなしてとっとと帰ろうと思っていると、何故か昨日出勤して、今日は休みのはずの成見がいた。ダイレクトの部品が大量に出ていたために、わざわざ出勤してきたようだった。台車が多くて、何が何だかわからなかった。しかし今月分だけなら、新海君と私に、成見を加えて、ざっと計算すると二時で終了、その後運搬といったところだった。成見に聞かれてそう答えた後で、ピンの存在に気付いた。

 幸いなことに、彼は午前中で消えた。

 午後から、私がピンの防錆を片付けた。新海君は二時に帰し、その後で前田さんと運搬した。

 もう梱包には戻らないだろう。誰もいなければ、成見か私がGLに昇格するだろう。成見はやる気だし。

「正社員になれるんですか」

「いや、わからないけど、時給は上がるんじゃない」

 この期に及んでわからないとは。元々、成見が一人で盛り上がっていただけで、上にそのつもりはないのだ。しかし、非正規のままでGLって意味あんのか、それ。そもそも、何でそこで私の名前が出てくるのだ。

 前田さんの方も、成見の本性に気付きつつあるようだった。異動は彼にとっても僥倖なのであろう。上がうるさいのはともかくとして、下までいかれているとなると、気の休まる暇もなかったであろう。アホで凡庸なだけなら、苛々することはあっても、少なくとも理解は出来る。しかし普通の人は、パーソナリティ障害などというものには縁がない。知識もないのに自己愛性PDと付き合っていくのは、霧の中で、得体の知れない巨大グモと戦うようなものであろう。

 しかし、成見がGLになると、私が成見に取って替わるということであろうか。それだけは避けたい事態だ。いずれにしても、そうなる前に何とか辞める算段をつけなくてはならない。

 運搬の後はラベルを切り、三時半で終了した。その日は最終日なので、タイムカードは回収された。前田さんは、四時の分まで時給を付けてくれた。

 月が変わると、早速笹井さんが朝礼に参加してきた。

「では、笹井さん、何かありますか」

 前田さんが言った。

「いや、まだ何もわからないんで」

 それが、笹井さんの最初の挨拶だった。

 身長は成見くらいだったが、メタボではなかった。やはり自前の眼鏡をかけている。顎には無精髭を生やし、よく通る声で丁寧な話し方をした。年齢は、私より少し上だったようだ。

 中組は、梱包ヤードの通路を挟んだ向かい側だった。笹井さんは、事務所に出入りしてはいたが話したことはなかった。成見は社員どもに同化していたので、既に知っているようだった。昼休みには、電気を消した事務所で、笹井さんが足を伸ばして寝ている後ろで、成見がPCに向かって作業をしているのを見たことがある。さぞかしうざかろうと思ったが、実際彼が何を考えていたかはわからない。

 前田さんと一緒に実験Z棟にも来たが、何せ最初は中組と行ったり来たりで、私の方もずっとダイレクトにいたため、あまり話す機会はなかった。

 ある日、UCにいる時にセクションのことを聞かれた。

 当たり障りのないことを言っておいた。

 小迫さんは頭のネジがぶっ飛んでおり、松井さんは頭のネジが抜け落ちている。他の連中は知らん。

 しかし笹井さんはリア充っぽくて、前田さんのような繊細さには欠けているような気がした。私とは違い、年齢相応にしっかりしていた。前田さんのような、リア充に対するルサンチマンとか心の闇は感じなかった。

 本当にイカれているのは誰か、理解出来る日が来るとは思えなかった。

 その時も、彼はいなかった。

 まだ月初めで、ブツの上りが悪かった。昼間には、私が防錆した75RXが製造に持って行かれた。

 残業時間は、UCヤードでラベル切りになった。何故か新海君だけが残っていて一緒だった。一時間で終了となり、帰ろうとした。成見が新海君を呼び、何やら説教を始めた。すぐに終わるだろうと思って、ロッカーの前でフラフラとしていたが、一向に終わる気配がなかった。別に私が消えても誰も気にしなかっただろうが、サブという立場上、新海君より先に帰るのは憚られた。

 前田さんと伴野さんがやってきた。

「愛がないよ、これじゃあ」

 伴野さんが言った。

 どうも、JITカンバンのデザインがわかりにくいと言っているようだった。

「帰れば」

 一人うだうだとしている私を見て、前田さんが言った。前田さんも、成見と新海君に気付いたようだった。お言葉に甘えて帰った。

「愛がないよ、愛が」

 伴野さんが言った。

 確かに、終業後に十分以上も拘束するのは、愛が足りなかった。

 あまりダイレクトには来なかったので、新海君の普段の様子は、あまりわからなかった。しかし成見は不満だったのであろう。新海君に対してプレッシャーをかけ続けた。

 ある日、私がUCに戻ると、成見が新海君の肩を掴んで揺さぶった。

「明日も頼むよ」

 激励に見せかけた、ちょっとした恫喝だった。

 下には睨みを利かせると同時に、上の連中に恩を売るのも忘れていなかった。

 次の土曜日には、前田さんと成見が、二人揃って工場とのソフトボールの試合に参加した。笹井さんは休出してくれたが、ラベル切りすら教わっていなかった。UCは浦田がみてくれたので、私はダイレクトで適当に作業をこなし、適当に切り上げた。翌週に何か言われるかもしれないと思ったが、何も言われなかった。三時まではやったので、うだうだと言われる筋合いもなかった。

 更に、その翌週の土曜日のことだった。

 タスクの遅れを取り戻すべく、大量に部品が届く予定となっていたが不発に終わり、珍しく午前中で終了となった。

 事務所に入ると、成見に聞かれた。

「市民会館って、どうやって行けばいいんですかね」

 私は地元だったので、よく知っていた。

「そこの国道をまっすぐ行って、ガソリンスタンドの交差点を左折して……」

 説明を試みたが、よくよく考えてみると、スマホのマップで検索でもすれば一発だった。

「ちょっと、書いてもらっていいですか」

 釈然としないまま道順を書いてあげた。ところが言い出した。

「駅から歩いて行きたいんですけど」

「え、歩き。車じゃなくて」

 言うまでもなく、彼は軽トラで通勤していた。

 話をよく聞くと、その日の夜に市民会館で、とある演歌歌手のコンサートが開かれるらしかった。その演歌歌手とは、加藤さんの行きつけのスナックのママが応援しており、そのスナックとは、忘年会でここの連中が連れていかれた、あのスナックらしかった。

 どうも、加藤さんが持っているチケットで一緒に応援に行き、その後に、そのスナックで打ち上げか何かをやる予定らしかった。そのため、車ではなく電車を使いたいらしかった。しかし、駅からだと道が複雑だった。

 結局、道順の説明は有耶無耶になった。どうも、私の説明能力に問題があると思われているようだった。第三の男を思い出した。


 年末は忙しいようだった。翌週には前田さんの送別会が開かれた。

 送別会といっても、KD梱包セクションを離れるだけで、どうせその辺をうろうろしているのだった。

 笹井さんは誘われたが、結局来なかった。

「何で行くの。何時に帰るの」

 奥さんに反対されたらしい。

 場所は、駅前の焼き肉屋だった。

 参加者は、前田さん、成見、松井さんと新海君、そして私だった。

 送別会に先立って、成見に五百円徴収された。前田さんへの選別だった。

「前田さん、リーダーお疲れ様でした。前田さんは、我々を引き上げてくれました」

 成見はそう言うと、前田さんに怪しげな紙袋を渡した。

 何をどう引き上げたのかは、よくわからなかった。前田さんも同様だったらしく、困惑したような微妙な表情を浮かべていた。

「笹井さんは、あの人、ダメだ」

 笹井さんは未だに、梱包の作業すら自分でやっていないらしかった。

 前田さんが袋の中身を見ると、受けていた。どうやらアダルトショップで調達したらしかった。

 送別会は、和やかに進んだ。

 新海君が、意外とハードな音楽ファンだということが判明した。ブルハにガンズにモトリークルーにレゲエなどを聞いていると言った。今時モトリークルーとは珍しいなと思った。成見はリンプが好きだと言い出した。話が合いそうで羨ましかった。或いは、逆かもしれなかった。

 成見は、加藤さんに嫌われているようだとか、正社員にはなれそうにないとか、珍しく弱気なことを言い出した。

 加藤さんも、前田さん同様に、彼の本性に気付いてきたのかも知れない。しかし、わざわざ演歌のコンサートにまで志願して行ってやっているのに、随分とつれないようだった。或いは、逆にそのせいなのかもしれなかった。

 浦田と黒須さんの話題になると、前田さんが言った。

「あれは、可哀想だよね」

 恐らくゲームばかりやっているから、そうなるのであろう、と他人事に思ってみた。

 成見が、私や松井さんのように、大学を出ている人が正社員になれないのはおかしい、とか言い出した。私は大学を出てはいないのだが、そもそも何故、大学に行ったことを知っているのか。どうも前田さんが、以前に履歴書を見せたことがあるようだった。何故、社員以外に履歴書を見せるのか。もしかして以前は、本気で成見に入れ込んでいたのかもしれない。それはともかくとして、松井さんも大卒なのか未だにわからなかったが、成見が言っているからにはそうなのかもしれなかった。

 非正規雇用問題には多少関心があるようだったが、ブラック企業問題に関してはあまり関心がないようだった。自分に都合の悪いことは耳に入らないのであろう。

 楽しい楽しい一次会が終わり、選りに選って、二次会でカラオケに行くことになった。

 よくよく考えてみると、カラオケボックスなんぞに来たのは、数年振りだった。

 成見は、エグザイルだのラルクだのモンパチだのを歌った。新海君がブルハを選ぶと、肩を組んでデュエットした。何だかうざそうだったが、実際に新海君が何を考えていたかはわからない。更に成見は、ばあちゃんがどうとか言う歌を歌った。どこかのバンドの曲だったが、誰の曲かは覚えていない。

 超かったるかったので、私は適当にお茶を濁すしかなかった。

 杉山清貴&オメガトライブと稲垣潤一と大瀧詠一と来生たかおとその他を適当に歌ったが、カラオケでは何故かキーが下げられていることが多いので、歌いづらいことこの上なかった。私は元々キーが高いようで、女性ボーカルの方が歌いやすかったりするが、受けを狙うつもりもなかった。

 成見は朝までやる気だったが、前田さんが明日に用があるとかで、日付が変わらない内に帰りたがった。結局、その日の内にお開きということになった。成見は不満そうであった。

 締めを私に振ってきやがったので、『恋するフォーチュンクッキー』を選んでやった。

 帰り際に、カウンターの向こうで店員さんがプロテインのようなものを飲んでいた。成見が同志よろしく突っ込みを入れていた。機嫌が回復して何よりだった。

 新海君は、焼き肉屋でも、カラオケボックスでも、普通にビールやらサワーを飲んでいた。あくまで普通に。

 以前、アルコール依存症の男と呑んだことがあった。最初は普通に呑んでいたが、ある瞬間に突然スイッチが切り替わり、人格が変った。

 アル中なら、目の前に酒があるなら、まず止めることは出来ないはずだし、恐らく飲むと、コントロールも効かなくなるに違いない。しかし彼は泥酔することなく、普通に一人で帰宅していた。

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