3.仏との出会い

 再び意識が覚醒していく。


「くそがっ!目の前にいたのにっ…!俺に殺せる力があれば…!」


 周りはまた、光に満たされている。だが、さきほどの光が白であったのに対し、今回は金色である。


「今度はどこだよ…。」


 愚痴りながら起きようとして気づく。体がない。


「な!いや、…はあ。今度こそあの世か…?」

「ふふ。当たらずとも遠からずと言ったところかのう。」


 突然、前から声がした。いや、体がないので、前かどうかもあやしいが。しかし、


「誰だ!?今度は何なんだ!?」

「そう警戒するでない。我らは仏である。そして、我は、釈迦如来である。代表してお前に話しかけている。」


 その言葉とともに、俺の周りになにかが見えてくる。それは、確かに仏の形をしていた。


「ほ、本当にに仏様なのですか!ならば…」

「ああ。我々は仏だ。そして、お前の望みも分かっている。だが、その前に聞いておくことがある。」

「な、なんでしょう。」

「お前は本当に神を怨んでいるのか?」

「?何を当たり前のことを。」

「お前は神に消えてほしいか?」

「もちろんです。」

「では、お前は神を殺したいか?」

「ぶっ殺したいです。それに、神の信者も。」

「あの世界の神はお前のいた世界の神とは違うぞ?それでもか?」

「はい。できるなら元の世界の神も殺したい。が、それはまだいい。まずは、俺を殺したこの世界の神だ。」


 そこまで聞くと、釈迦如来はうなずいた。そして、


「では、お前に我らの力を与えよう。神にも匹敵する、我らの力を。」

「そ、それは本当ですか!?」


 俺は驚きを隠せない。


「ああ。我らは、我らに対し、信仰を捧げた者の願いを叶えるのだ。その信仰が、そして、その願いが強ければ強いほど…な。」


 俺は、喜びに包まれた。そんな力があれば、神をも殺せる。復讐できる。止まったと思った歯車が、動き出す。


「有難う御座います!」

「我らは今からお前に力を与え、その身をさきほどの世界に戻す。後はお前の好きなようにせい。ただし、無用な殺生は控えるのだ。」

「はい。分かっております。」

「それと、向こうに行ったら最初にやってほしいことがある。」


  ◇◇◇◇◇


「では、我ら仏の力を与える。」

「感謝してもしきれません。本当にありがとうございます。」

 そして、俺は光に包まれる。そして、

「では、行ってこい。」



 俺は、異世界に戻っていった。

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神に殺された勇者はスキル「仏」で復讐する @mikuru-mikan

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