私がいい大人なので……
天裁光(バベル)であるとか毒魔爪(デ・イズグロード)といった技名はもはや思い浮かばず、うらやましいなと思っています。
天使や悪魔が召喚されて、日本神話と融合する発想もおもしろいです。
漫画のような文字の配置も、テンションが伝わって読みやすいです。
少年ジャンプのような技出ちゃう系の作品はすでに卒業しているお年頃なので、通常、比較的苦手なんですが、この作品は振り切れてて好感が持てます。
お姉さんの復讐の件が、回を追うごとに、だんだん影が薄れているように感じられるのが、重いの好きな私からするとちょっともったいないのかなと思います。
ライトで読みやすくはなっていると思いますが、キャラクターのインパクトある特長だと思うので、今後活かせればいいのかなと期待しています。
「聖書の奴ら」への叛逆を志す主人公・クロムの戦いの物語。
この作品の最大の魅力は、残虐でありながらも美しい描写でしょう。
残酷描写というものは、時に無意味に感情を煽るだけの不快なものになりがちですが、この作品はそうではないと考えます。グロテスクな美しさといいますか、魅せる残酷描写と表現すればいいのか……とにかく、溢れ出る残酷性の中に、病みつきになりそうな美しさがあります。
それだけではありません。
一癖も二癖もある登場人物たちによるコミカルな会話や、迫力ある戦闘シーンなど、魅力ある文体で描かれる物語は、引き込まれるような魅力に溢れています。
残酷で美しい叛逆の物語……虜になること、間違いなしです!