Stella's Road

ワタナベ

Prologue

崩れた瓦礫の隙間から光が見える。


折れているであろう足を引きずりながら,光の方へと進む。


一歩進む度に発狂じみた声が木霊する。


何かを食いちぎる音や貫く音が嫌という程に脳裏に響く。


だがそんな事を気にしてはいられない。


少しでも早く辿り着かなければならない。


あの光に1秒でも速く。


そう思った矢先周りの瓦礫が更に崩れ始める。


俺は残った力を振り絞って駆け出した。


痛みなんて気にしてられない。


血が溢れ,骨が砕ける音が響く。


それでも俺は光に手を伸ばした。


段々と薄れゆく意識の中,伸ばした手が光に触れた。

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Stella's Road ワタナベ @syoganbarimasu

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