第41話
疲れたー。
体ダリー。
しんどーい。
いやマジで最近疲れることが多すぎたからなぁ。
体育祭で走れないくせにリレーに出ることになった佐々木を最低限走れるように頑張って教えたし。
文化祭でミスコンに出ることになった佐々木を助けるためにわざわざマジックを練習して、体育館中に放ってしまった白い鳩の回収して、神崎に頼まれた野球の試合で九回投げきって、本当に疲れた。
久しぶりの野球だったから肩が痛すぎる。
中学の頃はよく二日連続で投げてた時もあったなぁ。
いやでもまだ今でも俺投げれてたなぁ。
ていうか俺が忙しかった理由がほとんど佐々木のせいじゃないか。
アイツ本当にどうしようもないな。
逆にアイツの得意なことって何があるんだよ。
まぁそういうことは置いておいて、今は修学旅行の班決めで困っていたところなのだ。
困っていたところと言ったけど実のところ大体は班が決まっているのだ。
ぼっちな俺と嫌われ者の佐々木と寺田のこの三人はほぼ確定だろう。
大事なことだからもう一度言うとぼっちは俺だけで嫌われ者は佐々木と寺田だ。絶対間違えるなよ。
みんなグループが固まってるからあまりものとしか組めない。
結局、俺、佐々木、寺田、森、あとクラスの中で浮いているカップルの六人班で修学旅行に行くことになった。
「どこ行く?」
今は班のメンバーでどこに行くのかを話し合っている。
ちなみに福岡県に行く。
最初はめちゃくちゃブーイングの嵐だったなぁ。
俺はめちゃくちゃ嬉しかったけどなぁ、本場の博多豚骨ラーメンが食べたい。
美味しいものをいっぱい食べたい。
「私たちは二人で別行動するから四人で話し合って」
浮かれカップルはどうやら俺らとは行動する気はないらしい。
ま、いっかこんなバカップルと三日も行動するのこっちも嫌だったから。
「で、どこ行く?」
「俺はとりあえず美味しいものが食べたい」
どこ行く?と言われて美味しいものを食べたいと答える俺は本当にバカなんだと思う。
「私絶対辛子明太子食べたい」
「俺も絶対食べたい。家で食べる用でも買っておきたいからなぁ」
「お土産で言うと明太マヨが欲しいなぁ」
「うわ、お前めっちゃ良いこと言ったわ。明太マヨって嫌いな人いる?」
「私なんて直で明太マヨを飲むもん」
「マジで!?」
「ていうボケをかます秋の夕暮れ」
「ボケでよかったぁ」
「屋台も行ってみたい。でも夜しかやってない」
「じゃあ夜一緒に抜け出して行くか?」
「先生に怒られたら浅野のせいね」
「お前、怒られる時は二人一緒だ」
「ちょっと二人で盛り上がらないで」
俺と佐々木がずっと二人で話していたら寺田に注意されてしまった。
お前たちも会話に入ってこいよ。
帰り道
結局はその場の雰囲気に任せて行きたいところに行くというクソみたいな話し合いで終わった。
「本当に大丈夫かなぁ?」
「知らね」
不安がってるけど主に俺と佐々木のせいでこの話し合いの結果になってしまった。
「私新幹線に乗るの初めてかも」
「そう言えば俺も初めて新幹線に乗るかも」
「絶対に新幹線より私の方が速いからね」
またバカなこと言ってるよこいつ。
「ちょっと鞄持ってて」
佐々木は俺に鞄を持たせてきた。
「急に走ると怪我するぞ」
一応忠告はしておく。
「行くよー」
そう言って佐々木は道路を走り始めた。
「見てよー、速いでしょー」
こちらチラチラ見ながら走っている。
「おー速いぞー」
なんか嬉しそうに走ってるなぁ。
ん?アイツ急にうずくまったぞ
「いた〜い、足挫いた」
もう本当こいつヤダ。
「今行くから大人しくしとけ」
俺は佐々木の元へ急ぐ。
「だから急に走ると怪我するぞって言ったのに」
「いけると思ったのに」
「はぁ〜もういいわ、早く乗れ」
俺は佐々木をおんぶする体勢になった。
「え、ちょっと待って。どういうこと?」
「見て分かるだろ、お前足痛いんだろ?おんぶしてやるから早く乗れ」
「大丈夫?いいの?本当にいいの?」
「うるせぇな、早く乗れって」
佐々木はようやく俺の背中に乗ってきた。
「大丈夫?重くない?」
「大丈夫だって」
こいつ本当に軽いなぁ。
「ねぇ浅野」
「ん?なんだ?」
「修学旅行楽しもうね」
「当たり前だバカやろう」
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