第24話
ガチ説教されている二人を見て私はざまぁみろと思った。私の説教を途中で逃げ出すからバチが当たったんだ。
浅野が言ったさっきのあの暗号みたいなのが気になって仕方ない。なにあれ?
あのバカ二人は説教したところでもう変わることではない。あのバカ二人は放っておいて私は自分のことに集中するとしよう。
森くんのところに戻り、少し遅くれたことを謝罪して水族館を回ることを再開した。
しかし、特に盛り上がることもなかった。
最後に水族館になぜかある観覧車に乗った。なんで水族館に観覧車ってあるんだろ?観覧車に乗りながら魚が見れたら最高だと思う。
「今日来てくれてありがとう」
サッカーの練習で忙しいのにわざわざ今日水族館に来てくれたことに感謝している。
「別に暇だったから」
「それでも本当にありがとう」
好きな人と一緒にいるだけで嬉しいんだからこっちは。
観覧車から観える景色はとても綺麗で、夕日が私達を照らしてくれる。こんなロマンティックな演出してくれるなんて神さまも粋なことをしてくれる。
私はもう覚悟を決めていた、森くんは私に気がないことと今日の結果で私は腹を括った。
観覧車が頂点に達して私は覚悟を決めた。
「森くんって香奈ちゃんのこと好きなの?」
森くんは私が言った言葉にかなり驚いて口を開いたまま私を見ている。
そして私が真剣に聞いていることを察して森くんは口を開いた。
「好きなのかもしれない」
やっぱり、分かったいたことだけど改めて聞くと心にくるものがある。
「でもなぁ、あんなの見せつけられたら可能性無いのかなぁって思ってしまうなぁ」
あんなのとは多分、香奈ちゃんと浅野のバカコンビのことだろう。
森くんは落ち込んでいるのが目に見えて分かる。
「私、森くんのことが好き」
もうこれは水族館に行く時から決めていた。森くんは香奈ちゃんに気がある、私には興味が無い、今はそんな感じだ。だからとりあえず今日は興味を持ってもらう、それが狙いだ。
「森くんは香奈ちゃんが好きだけど、私は森くんが好き、絶対にいつか振り向いてもらうから」
これは宣戦布告だ。
「あ、ああ」
森くんは驚いて言葉がうまく出てなかった。
顔が赤かったのは夕日のせいか照れていたのかは私には分からなかった。
観覧車が地上に着くまでは気まずくて会話がなかった。まぁ、私もかなり恥ずかしかった。
観覧車を降りてあのバカ二人と合流した。
「あれ?穂花ちゃん顔赤くない?」
当たり前だ、さっき告白をしたのだから。
「でも、なんか吹っ切れた感じもあるね」
「うん」
あの告白は恥ずかしかったけど、して良かったとは思っている。今日からが勝負だ。
森くんの方を見てみると浅野にいじられていた。
「あれあれ〜森くん顔赤くなーい?」
「別に赤くない」
浅野が立場が上なのが不思議にに見えて仕方ない。これじゃあ、側から見るとまるで友達だ。
時間も時間なので今日は帰ることになった。
帰っている途中で香奈ちゃんと浅野が何か話している。
「エンディングでも撮っておくか」
「やっぱり最後は締めないと」
ロケごっこのエンディングを撮るらしい、まぁ、最後だし多めに見ることにしよう。
「は〜い、今日は〜いっぱい飲んでしまいました〜」
なぜか香奈ちゃんはフラフラで千鳥足だ。
「佐々木さんはどのお酒が好きでしたか?」
「わたしは〜3軒目の日本酒が好きでした」
「そうですか、今日は楽しかったですか?」
「はい、とても」
「それは良かったです。じゃあ今日、五軒ハシゴしたけど次は目指せ六軒、ってことで」
「はい、次もがんばります」
と言って香奈ちゃんは敬礼のポーズをした。
なんでいつの間に水族館リポートから飲み歩きになってんの。
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