第18話
佐々木と寺田と夏休みを遊ぶこととなった俺は今待ち合わせの場所で佐々木と寺田を待っている。
本当は森も誘いたかったが森はサッカーで忙しいから今日は来ない。
ていうかまだ誰も来てないんですけど。もう待ち合わせ時間過ぎてるんだが、なんか俺が張り切ってみたいで嫌だ。
「ごめん待った?」
佐々木が小走りでやったきた。
「めっちゃ待ったわ、めっちゃ時間過ぎてるし、めっちゃ暑かったんですけど」
「ごめんね、暑かったでしょお茶飲む?」
ん?今日のコイツ優しいな、怖。
「いや、そんなに待ってないし」
「そう?でも待たしたんだからごめんね」
「全然気にしてない」
怪しい、佐々木が俺に優しいのはなんか怪しい。絶対なんかあるはずだ、でもいつもと一緒の気がするけどなぁ。
ん?コイツちょっと顔引きつってるし肩上がってないか?
「お前もしかして緊張してるだろ」
「は?全然緊張しないし」
顔が赤くなって焦りながら返してきた。
「めっちゃ顔赤くなってんぞ」
「え、えーっと今日は結構暑いからよ」
「そういうことにしといてやるよ」
「本当なのに」
まぁ仕方ない今日初めて友達と外で遊ぶのだから少しの不安と緊張があってもしょうがないだろう。
「寺田遅いな」
「うん」
「電話したら?」
「もうやった、もうすぐで来るって」
「すぐ」は人によって捉え方が違うそうで5分の人がいれば15分、30分って言う人もいる、だから寺田は5分の人であって欲しい。
「浅野が言ってた好きなお笑い芸人が出てるネタ番組観たわよ」
「ああ、昨日のやつな」
「すごく面白かったわ、久しぶりにあんなに笑ったわ」
「だろー、スマホばっか見ないでたまにはテレビを観ないとな」
「そうね、また面白いのがあったら教えてね」
「ああ、ネタ番組だけじゃなくてロケやトークも面白いからまた教えるわ」
「ありがとう」
佐々木が俺の言ってたことを覚えてるとは意外だ。
「お前の言ってたゲーム実況者のYouTuber観たぞ」
「面白かった?」
「結構面白かったぞ俺でも観れた」
「あの人の声ちょっと低くて聞きやすいのよ」
「うわー分かるわ、なのにしっかりリアクションとってて面白かった」
「そうなのよゲーム画面しか出ないからリアクションとらないと面白くないのよゲーム実況は」
「ゲーム実況だけじゃなくて面白いYouTuberがいたらまた教えてくれよ」
「いいわよ、テレビだけじゃなくてスマホも観ないとね」
「そうだな」
なんてことない雑談が続いている。
「ここの近くに美味しいラーメン屋があるらしいんだけど知ってる?」
「ああ知ってるぞ、そこの右曲がったらすぐにあるぞ。佐々木ってラーメン好きなのか?」
「好き。油がギトギトでスープがドロドロしたやつ」
「お前女なのに分かってるじゃねぇか」
「バカにしないで毎日三食ラーメンで良いと思ってるもの」
「お前それは嘘だろ、たまにはパスタとか食いたいだろ」
「うん」
嘘はすぐバレるからつかない方が良い。すぐで思い出したけど寺田が遅いな。
「ごめん待たした」
寺田がやって来た。
寺田は15分の人だった。
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