第16話
本当は終わるはずだった、しかしほんの少しだけ延長することになった。これがレンタルビデオ店だったら延滞金を払わないといけない。でも俺はここで佐々木と寺田との関係が早く終わってまた俺に頼られても困るからあとほんの少しだけ助けることにした。
「ねぇ、女子ってどんな会話するのかな?」
「知らねぇ、ていうかお前も女子だろ」
と言うことで今日もファミレスで作戦会議を行なっている。
「だってあらためて女子との会話って何話せばいいのか分からないの」
「化粧品のこととか話しとけば」
男の俺から言わしてもらえば化粧品の違いが分からん。チークって何?アイシャドウって何?
メイクにも色々名前があるが何一つも分からん。分かるのはピエロと歌舞伎は白塗りなことぐらいだ。
「化粧品なんてネットでレビューの高いものを買って使ってるから詳しい話なんてできない」
「じゃあ、服はどうだ」
服なんて機動性重視で選ぶものだと思っている。野球やっていたこともあるが動きにくいとイライラしてしまう。
「服はお店の人におすすめを聞いて買ってるから服にも詳しくない」
店員に聞けるってすごいな、俺なんてメニューを注文するだけでもまだ緊張してしまう。
「自分な好きなもの話せばいいんじゃないか」
「好きなものかぁ、浅野は好きなものってあるの?」
「スポーツは基本的に好きだな。あとは読書ぐらいかな」
俺は野球をやってたからニュースで野球のことが放送されてたらついつい見ちゃう。
読書はミステリーものを読んでいる。俺は賢くないから毎回犯人が誰か当たらないからそこが楽しくて読書をしている。
「それはどちらかと言うと趣味って感じがする、でも趣味持ってるのもいいなぁ」
「お前はゲームが趣味だろ」
「でもゲームやってる女子ってかわいくないでしょ?」
「いや、一緒にゲームができる女子は男子としてはかなり好感度高いぞ」
共通の趣味があるのはうれしいものだ、趣味のことで話題を共有できるから会話がかなり盛り上がる。
逆にこっちは楽しんでいるのに相手は楽しんでなかったら気を使ってしまう。だから二人が楽しめる趣味なのはうれしいものだ。
「へーじゃあ浅野は私のこと好きなんだ」
なんでそうなる。
「俺は好きな人には気を使いたくないから今日割り勘でいいよな」
「調子乗りました。ごめんなさい」
速攻で謝りやがった。ゲームに課金しすぎだろ。
「また課金したのか?」
「しょうがないじゃないゲームが友達なのだから」
そんなんだからお金がなくなるんだよなぁ。絶対コイツ貯金できないタイプだ。
「貯金してないのか?」
「貯金できるお金があったら課金しるわよ」
ダメだこりゃ。
「将来後悔するぞ」
「そうよね、次のイベントでガチャ引けなかったら後悔するよね」
そういうことじゃねぇよ。
「課金はほどほどにしとけよ」
「分かった」
反省しているようだ。でも絶対やめないだろうな。
「今での課金額って何円なんだ?」
「気になる?」
いつのまにか話題の話から課金の話へとなっていた。気づいているだろうけどもちろんロクな話し合いなどしていないから次の日の会話なんてめちゃくちゃだった。
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