次回予告 『結成』

 海賊に捕まっていた少女達は幸に救出された。

 一行は幸が魔法で作り替えた船で海賊のアジトを飛び出し、大海原へ。

 

「ヨーソローなのです! 一度言ってみたかったのです。ところで幸お姉さん、この船どこに向かっているのです?」


「……さぁ〜、どこかしらねぇ〜フィーちゃん?」


「私も知りませんよ!? 貴女が占って決めた方角ですよね。まぁ、貴女がいれば何があっても大丈夫そうですし……どこでもいいんじゃないですか」


「それもそうなのです! ヨーソローなのです!」


「ミーちゃん、水晶の光があっちを向いてるから取舵よ〜」


「あの、そっちは面舵です……」


 海賊という恐怖から解放され、笑顔を取り戻した少女達。だが笑顔の裏に不都合を隠す者もいた。


「(ちょっと、どうするのよ。海賊達の相手をしなくて済むのは助かるけど……これじゃ報酬どころか口封じに消されるわよ)」


「(そもそも報酬は貰えるのか怪しい額だったから最初から口封じか海賊達の玩具コースな気もするんだけど……)そんなことより、いい感じの紐があったんで鞭代わりにして引っ叩いて貰っていいですか姉さん」


「最後まで小声で喋りなさいよ! このおバカ!」


「あぁ、そこです姉さん! 縛られるだけで物足りなかったんです。さぁ、もう一発!」


 同船する少女達の教育に悪い会話は波の音が掻き消し、船は『導きの光』の指す方角へ進んでいく。

 『導きの光』が示した先では、一体何が待ち受けているのか。


「どうやら海賊あいつらは上手くやったようだな。補償金に上物の女達商品、笑いが止まらんよ。商品に傷がつかんように乗せた身代わりの女二人は海賊あいつらにくれてやるとしよう。ん? 靴紐が……」


 船の行き着く先は果たして無事でいられるのか。




 次回、異世界編災禍と祝福招かれし母『結成』。

 海の世界に幸あれ!

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〜異世界召喚事故は大変危険ですのでおやめ下さい〜 三界見聞録〜海の書〜 真偽ゆらり @Silvanote

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