勇者2人はずるいですか?

古地 真矢

前章

「くそっ…【最力弾】!」

エリックに握られている双竜剣が自分の力を吐き出したかのように白い光の玉を発射しようと…

「フッ、まだまだだなもう一度鍛えなおしてくるがよい、戻ってこれたらの話だがなぁ!【時空支配】!」

魔王デスシオスの声とともに彼の左手から飛び出した青白い光がエリックの体を包んだ瞬間、

「なに?!」

エリックの驚く声と共に双竜剣がまとっていた白い光が消え、体に力が入らなくなった。

「エリック‼」

仲間のレーンがエリックの名前を呼び、エリックのもとに駆けつけてきた。

「レーン?」

なぜか次第にくすんでいく視界の中エリックは自分の名を読んだレーンを見た。

レーンは慌てた様子で、

「あ、あのねエリック、聞いて今の魔法は【時空支配】、相手を現在の時間軸から切り離して任意の時間に飛ばす【特殊魔法】なの。今の私ではその術を解除することはできないわ。」

エリックの目を見ながら言った。

「エリック、たどり着いた時間の中で(巫女)を探しなさい。魔王以外でこの【特殊魔法】が使えるのは(巫女)しかいないわ。あなたが返ってくるまでは絶対に時間を稼いで見せる!絶対に巫女を見つけてかえーーーーー」

そこで、エリックの意識は完全に途絶えた。

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勇者2人はずるいですか? 古地 真矢 @ryoshin

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