一きれのパン、蜂蜜、キャンディー。
双葉使用
今日のご飯は
もちっ。
日が暮れる。遠くの空は茜色に輝いているが、この一帯の空は曇りだ。鱗雲がひとかたまりになってきて、寒い。私は土手で日向ぼっこをしていながら、雲が寄り添うのを眺めていたのに。もう帰らねば。嫌だなー
わずらわしく起き上がって、砂を払い──
「なんだお前」
もちっ。
「いやなんなんだよ。ついてくんなよ。」
暗さが目立つ帰り道。私の赤いスニーカーだけがずっと彩りを加えていた暗いこの帰り道が、今日はなんだか白が主役だ。
白くて、丸い。これを見れば、白玉という言葉を発明するだろうといったもの。それが、もちもちとついてくる。見てくれはかわいいが、理解できない生き物は、なんとも怖い。長い私の紺のスカートに、もちもちとすがり付こうとする。
「んだよお宅はよ、すね擦りかこの野郎。」
手提げのカバンで追い払う。中身は薄いながらも本なので、多分痛いだろう音がした。
「あっごめん」
私は痛いのが大嫌いだったから、咄嗟に謝った。私は一回も謝られたことはないが──
しらたまはふっとんで、起き上がって、?、なんというか、起き上がって、動かなくなる。
……しょげているのか?
「ごめんって。あ、ほら、飴やるよ。友達にもらって、食べないで取っておいた方だけど、ほれ」
……?
袋が、開かないな。
あれ?
寒い。とても。
何をして、いたんだっけ
─────────────────
お腹すいたよ……おかあさん……
ごめんなさい……ごめんなさい……
くもりぞら
一きれのパン、蜂蜜、キャンディー。 双葉使用 @FutabaUSE
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