終章 十二月 その26
何故だか旭先輩の告白を賭けた僕らの試合が始まる。
「対戦相手は…?」
「どうやら山梨県のチームみたいですねぇ」
その時、ざざっという音と共に僕らの前に対戦相手が現れる。
赤いお揃いのユニフォームを着ている。
「そう、俺達が…」
「山梨県からやってきた」
「人呼んで山梨の赤い旋風!不死の
「
最初に出てきた三人を無視して背の低い男の子が握手を求めてくる。
「おおい!青山!人の自己紹介を妨げるな!?」
「あ、僕スキップの青山です。こいつらは赤井、赤池、赤坂です。名前は覚えなくていいんで。高校は別々なんですけど同好会でやってます」
「適当な紹介だなぁ!?青山!」
…どうやらこの青山という男の子以外面倒な性格のようだ。
…全員が旭先輩に近い雰囲気をしている。
「僕がスキップの黒崎です。よろしく。それじゃ始めますか」
「自己紹介なんざ必要性ないぜ。この試合でぶっ倒して、もう二度と会う事はないんだからな」
旭先輩がゆらりと現れる。
…なんだか雰囲気がいつもと違うような…?
「「「なんだと!?」」」
赤井、赤池、赤坂と呼ばれた三人の声が重なる。
「お前達のカーラ
…カーラ
「なぜなら俺は愛によって立っているからな!負けられないんだ」
旭先輩のテンションがおかしい。
…恥ずかしい。
猛烈に恥ずかしい。
「し…信じられん。なんてカーラ
「だが負けられない理由なら俺達にもあるぜ!?」
「この同好会の命運が掛かってるんだからなぁ!?」
「じゃんけんでいいですかね」
「はい。それじゃあうちのサードは彼です」
旭先輩が指名される。
「うちは赤坂君です」
早くもじゃんけんで二人が火花を散らせる。
お互いの闘志が激しくぶつかり合う!…訳もないのだがごく一部にはそう見えてるのかな。
「まずはじゃんけんでぶっ倒してやるぜ」
「望むところだ」
「「じゃぁぁぁんけぇぇぇんっ、ポイッッッ!!」」
無駄に気合いの入ったじゃんけんが行われる。
「俺の勝ちだな」
「じゃんけんは負けたか…だが俺達赤い
「かわすまでもないぜ。受け止めてやる」
「えっと、それじゃあうちは後攻で」
「お願いします」
燃え上がっている四名は置いておいて、僕らは試合を進める事にした。
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