第51話 1560年6月『茶室』(3)

 小早川繁平

 竹中さんは本当に史実に沿って稲葉山城を十七人で落としたんですね。凄いなー。


 一条兼定

 それよりも清酒だよ、清酒。この時代の酒は不味いから、いいこと聞いた。早速俺も作ろう。


 最上義光

 清酒はいいですね。作り方さえ知っていれば簡単に作れますからね。領内に広めるのも簡単です。


 一条兼定

 その代わり他国で作られるのも簡単だけどね。


 北条氏規

 竹中さん、人材が揃いだしましたね。島清興、百地丹波、明智光秀、蜂須賀正勝、前野長康、林秀貞。戦線指揮官から分隊指揮官、内政、諜報と隙がない。


 竹中重治

 ありがとうございます。運にも恵まれたと思っています。そして、今川さん申し訳ありません。本多正信も配下武将として迎え入れました。


 今川氏真

 本多正信かー。いいんじゃね? おめでとうさん。


 最上義光

 軽いな、今川さん。それにしても本多正信か。謀略を得意とする武将が厚くなったなあ。中央の皆さんが羨ましいよ。


 安東茂季

 そうそう、俺たち北の僻地だと松平元康や織田信長配下の武将を迎えにもいけないよね。


 一条兼定

 人材なら北条さんも凄いじゃない。いや、今川さんもか。

 井伊直親と蒲原さんだっけ? 桶狭間で戦死していたはずの人材が残ったのと、裏切るはずの人たちも裏切らないだろうから、今川さんのところは強国として健在でしょ。


 北条氏規

 お陰様で人材は地味に厚くなりました。上泉信綱の弟子がこぞって仕官してくれました。さらに正木弘季、正木憲時の親子を取り立てたためか、彼らの一族が少しだけ流れてきそうです。


 伊東義益

 上泉信綱の弟子って、地味じゃないですよ、それ。それに正木一族か。厚くなりましたね。後は松平元康の配下をどれだけ取り込む事ができるかですね。


 一条兼定

 俺たちも織田信長と松平元康の配下を引き抜きに行かないと。


 伊東義益

 それよりも、忍者が欲しいです。北条さんのところは風魔小太郎がいるし、今川さんは服部半蔵を取り込めるでしょう。竹中さんのところは百地丹波がいる。ですが、我々は忍者のあてがありません。


 最上義光

 有名どころって、他に誰かいましたっけ?


 一条兼定

 武田に真田十勇士のモデルになった忍者とかいそうだけど?


 北条氏規

 そうですね、真田十勇士はともかく武田も歩き巫女とか、忍者っぽいのを使っていたはずです。


 竹中重治

 忍者ですが、百地丹波の伝手で大和周辺にいる他の忍者たちを皆さんに紹介する用意があります。


『これからの連絡手段の一つとして忍者は有効なはずだ。それに諜報活動を、小早川さんを除いた全員ができれば、俺たちの隙も少なくなるはずだ』


 伊東義益

 本当ですか、竹中さん! 是非お願いいたします。


 一条兼定

 俺も俺も。それで、大和の誰に会いに行ったらいい?


 安東茂季

 その忍者だけど、東北まで移住してくれるかな? 


 最上義光

 竹中さん、東北への移住は難色を示されるかもしれませんが、それ相応の待遇で迎えます。ダメ元で紹介をお願いします。


 竹中重治

 百地丹波を通じて伊東家と一条家への仕官を希望する人たちと既にコンタクトをとってあります。

 伊東さんのところと一条さんのところは条件次第で、すぐにでも移住してくれそうな人たちがいます。


 伊東義益

 それは助かります。彼らを召し抱える条件も、竹中さんのところと同じ条件で構いません。それで取りまとめて頂けますか。


 一条兼定

 俺も伊東さんと同じで、竹中さんにお任せします。


 竹中重治

 分かりました。では、伊東さんと一条さんのところへ向かうよう手はずを整えます。彼らに私からの紹介状を持たせるのでよろしくお願いします。

 安東さんと最上さんのところは、改めて相談してみます。条件はどうしましょうか?


 最上義光

 よろしくお願いします。条件は皆さんに合わせます。あ、もし遠方ってことで色を付ける必要があるなら色を付けます。さじ加減もお任せします。


 安東茂季

 こっちも、最上さんと一緒です。全てお任せします。


『東北の二人まで丸投げかよっ。まあ、その方が何度もやり取りする面倒がなくていいか』


 竹中重治

 分かりました。それでは明日には動くようにします。結果は次回の『茶室』までお待ちください。


 伊東義益

 よろしくお願いします。


 一条兼定

 同じく、よろしくお願いします。もし何かこちらでできる事あれば協力するよ。


 最上義光

 是非、お願いします。


 安東茂季

 お願いします、竹中さんっ! もう、他に頼める人いません。


 竹中重治

 分かりました。できるだけ頑張ります。 >最上さん、安東さん

 伊東さん、一条さん、話を付けて書状を持たせるようにします。おそらく、次の茶室までにはそちらに接触があるはずです。


『さて、忍者を使っての連絡網の確立について話をしたいが、今切り出すと海賊と海路、内政や農業生産、道具開発の話が後回しになりそうだな。先ずは海賊と海路の話を切り出すか』


 竹中重治

 すみません、海賊の話をしたいのですがいいでしょうか?


 今川氏真

 いいよ、海賊と海路の話をしようか。俺も竹中さんに提案というか、お願いがあるんだ。


 北条氏規

 うちと今川さんのところは自前で水軍を確保して港を押さえることが出来ます。北条家と今川家に攻撃を仕掛けて来ないよう、竹中さんのところでコントロールできれば問題ありませんよ。


 竹中重治

 ハードル高いですね、北条さん。

 今川さん、了解です。海賊と海路の話に付随するようですね。後で聞かせてください。


 一条兼定

 北条さん、簡単に言うけどさあ、海賊をコントロールするのは大変だよー


 伊東義益

 まあ、まあ、一条さん。大変だ、とばかりも言っていられないのが我々の実情です。どうやったらコンロールできるかを考えましょう。

 皆さん、海賊をコントロールするのに苦労しています。協力お願いいたします。


 小早川繁平

 私が小早川家を動かせればよかったのですが、何の力にもなれずに申し訳ありません。


 今川氏真

 いいって、小早川さん。取り敢えず、できる事をやろうぜ。お互いにさ。


 小早川繁平

 ありがとうございます、今川さん。


 伊東義益

 では、現状の海の問題点をそれぞれ上げていきましょうか。私から始めますね。

 1.海賊が他の配下武将と違ってコントロールが難しい。

 2.毛利がいて瀬戸内海が危険。


 一条兼定

 基本は一緒かな?

 1.伊東家と一条家の海路は毛利の問題はあるが何とか繋がった。

 2.南尾張を竹中さんが押さえていないため、駿河、遠江が次の連絡地点となり距離がありすぎる。


 竹中重治

 港を押さえられていない状態で申し訳ありませんが。

 1.海賊が伊勢の北畠家を襲っていて、北畠家が織田家弱体の駒として機能していない。

 2.竹中家で港を押さえられていない。


 今川氏真

 俺の方は純粋に家中の掌握が最優先なんだけどね。

 1.弱ったとはいっても織田が健在で一条さんのところと海路を結ぶのが厳しい。ついでに毛利も怖い。

 2.家中の掌握ができるまで水軍の確保が難しい。


 北条氏規

 私の方は父親の北条氏康の顔色をうかがいながら、という事が前提です。

 1.伊豆の港は開港して私自身が運営できるが、もう少し先となる。現在準備中。

 2.水軍の目処は立ったが、これもあくまで配下武将、一介の領主の域を出ないので規模が小さい。


 最上義光

 港がない。太平洋側に出られる気がしない。以上。


 安東茂季

 日本海側の港を確保して外国貿易はできそう。だが、実権がない。

 太平洋? どこ、それ? 状態。


 小早川繁平

 飛ばされちゃいましたが。

 現状何もできません。


 北条氏規

 海路は伊東さんのところから伊豆まで。そこから先、最上さんを経由して安東さんまでは陸路になりますね。

 或いはうちから最上さんまでを陸路で、最上さんから安東さんは日本海側を使うか、でしょう。


 一条兼定

 伊東さんのところから伊豆までで、一番の問題は竹中さんのところだね。


 伊東義益

 竹中さんが尾張を押さえても、途中に四国の大名もいますし、三好、北畠が邪魔にはなりますね。


 竹中重治

 ただ、尾張の熱田と津島を押さえるのではなく、海賊を取り込めれば四国の他の大名や三好、北畠相手でも十分に海路を確保できるでしょう。


 安東茂季

 キーは竹中さんか。


 最上義光

 安東さん、こっちはこっちで、日本海側の海路を開くか陸路で交易するか決めておかないと、秋に予定している米の相場操作に参加できなくなりますよ。


 安東茂季

 そうだったっ! 一気に大量輸送するなら日本海側だね。安全なら陸路かな?


 最上義光

 陸路も決して安全じゃありませんよ。

 輸送量とこれから先の事を考えて、海路を開くようにしませんか? 他の大名からの攻撃も海路の方が陸路よりも低いと思います。


 安東茂季

 大型船の開発を今から着手して、秋に間に合うとは思えないなー。


 最上義光

 大型船の開発は絶対に必要です。それは全員で協力し合って進めましょう。ですが、今年の秋はこれまで利用していた船を改造して速度を出せるようにしたいです。

 速度が上がれば荷物を積載していても逃げ切れます。

 大量輸送よりも、回数を増やしてでも高速で逃げ切る船を考えましょう。


 安東茂季

 皆は、この秋に間に合うように高速船の開発をするってことでいいかな?


『足の速い船は魅力的だ。俺としても異存はない。ただ、大量輸送の船と並行開発になるかな』


 伊東義益

 軍船として利用できて、尚且つ逃げ切る速度を考えたら三角帆の帆船でしょうか?


 竹中重治

 私も三角帆の帆船だと思います。速度重視の形の小型船を優先して開発しましょう。あと、同時に開発できる部分があれば、積載量重視のガレオン船も並行して開発しましょう。

 もちろん、最優先は速度重視の小型船です。


 一条兼定

 そうだね、どうせ開発するなら同時に進められるものは進めた方がいいよね。


 北条氏規

 この時代の軍船って安宅船と関船、あとで鉄甲船が出てくるくらいで、あとは小型の小早くらいですよね。


 伊東義益

 取り敢えずは小早よりも早くて小回りの利く小型の三角帆の帆船、ヨットのような小型の船と同じく三角帆の安宅船級の帆船、それとガレオン船の開発を皆で進めましょう。


 最上義光

 そうなると、毎度の事だけど知っている知識を出し合おうか。


 


 俺たちはそこから少しの間、船と海賊の話題で盛り上がった。

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