応援コメント

第37話 人間の未来」への応援コメント

  • 代理母でなく、母になったのね…。
    手足の生えた子宮ではなく、一人のヒトとして。

    作者からの返信

    まとめてのご返信で失礼させていただきます。一気読み、コメント、誤字のご指摘、誠にありがとうございました! 少々挑戦的・冒涜的なテーマかも、と戦々恐々で公開しているのですが、お楽しみいただけましたら大変嬉しく思います。
    賢く生きていたつもりのマリアが本当の意味で成長した物語、ということになると思います。どんな未来になっても、人間の善性は残ると信じたいものです。


  • 編集済

    最後まで拝読しました。ちょっと複雑な感想を抱いています。

    私自身はもともと、「ディストピア物はその中で抗い世界の枠組みを打開していこうとするヒーローを描いてほしい」とする志向なのですが、そのうえでなお、「代理母として職務を全うして個人的な幸せを享受するマリアを見てみたかった」という、らしからぬ読後感が残りました。

    彼女が翻意する辺りの流れに、ややロジックの苦しさを感じる部分があったのもそれを助長しています。種明かしされるまではドクターの時宜を得すぎた救援も都合よすぎると感じたところでした。

    ですが、それらのこまごまとした瑕疵を上げたうえで、なお。

    頭の中に響く神の子の声に必死で抗い拒否しつつも次第に絆され、自分の幸せよりももっと大きな範囲にあるものを見つめだすマリアの、内面の変化と母性の萌芽を描いていく。
    その結果として、本作はあるべきふさわしい地点に着地しえている、と感じました。

    矛盾と対立をはらんだ世界であることは現実も同じで、行動の結果は必ずしも全面的に納得のいくものではなく、人間の心は常に千々に引き裂かれている――
    そういったことを考えれば、私の読後感がこうしたアンビバレントなものになってしまうのも、また作者様の意図と巧妙な誘導の結果なのかもしれません。

    ところどころに挟まれた胃の悪くなるようなサスペンス、マリアに向けられる妨害的な意思とそれに対する彼女の行動なども含めて、息もつかせぬようにページをめくらせられました。

    刺激的な作品を、ありがとうございました!


    (長文になってしまいましたがレビューとしてお送りするにはややふさわしくない内容もあるかと思い、こちらは応援コメントにとどめさせていただきます。公的なレビューはまた後程……)

    作者からの返信

    一気読み、ありがとうございました!

    マリアの心情の変化、ドクターの存在の都合の良さについては、初稿時から迷いがあった部分です。二回の加筆修正を経て今回のカクヨム版となっておりますが、まだまだ改善の余地があるなあと忸怩たる思いです。

    一方、本作で伝えたかったところを汲んでいただき、大変嬉しく思っております。即ち、自分だけの幸福を追求することこそが最善と、半ば自分に信じ込ませていたマリアが、自分以上に大切な存在を得て、「母」になること、でした。決して美しくない世界で、少しでもより良い未来と自身の納得のために足掻く彼女の姿を、描くことができていましたら幸いです。