第704話 水巨人1
<side:ボノフさん救出任務チーム 秘彗、剣風、虎芽>
バルトーラの街の中心部近く。
藍染屋が集まる一画の表通り。
来たる赤能者のテロからボノフを守るために派遣された『ボノフさん救出任務チーム』。
ボノフの要請を受け、白鐘が破壊される可能性を他の藍染達に伝える為の説明会に同行。
その帰りに赤能者から襲撃を受けるも難なく撃退。
その後、現れたロキの分身に倒した赤能者を引き渡すなどの後始末を終えた所で…………
白鐘が破壊されたことを秘彗達が察知。
そして、その直後に全高30mの女巨人が出現。
全身を水で構成された、流麗なフォルムの女性型。
一見、水晶で彫られたかのような美しい女神像。
天を見上げるようなその巨大さと輝きは、見る者の言葉を失わせる程の神秘性を秘める。
しかし、ソレは決して人間が魅入られて良いモノではない。
なぜなら、30年ほど前にダンジョンから現れ、迷宮街を壊滅させた紅姫の姿なのだから。
記録によれば、当時の街の狩人達よって討伐されたはずの色付き。
ブルーオーダーされて、特機戦力としてこの街の地下に眠っていたはずなのだ。
だが、こうして、再びバルトーラの街の人間達の前に現れた。
顔に当たる部分に赤い光……赤の威令に染められてしまった証を2つ灯しながら。
「な、なんであの子が…………レッドオーダーに………」
ボノフが呻くように呟く。
特機戦力であった彼女のマスターはこの街の領主。
領主自身は機械種使いではない為、機械種使いのサブマスターがいたはず。
もし、何らかの事故でそのサブマスターが亡くなっているとしても、
白鐘が破壊されたのは、秘彗の弁によればほんの数分前。
レッドオーダー化するには早すぎる。
通常であれば10分以上。
防冠の増設を何度も行っているあの子であれば、計算上その3倍以上は耐えられたはず……
「ま、まさか………」
ボノフの知識の中で今回のケースで当てはまる情報が1つ。
『鐘割り』だけが持つという、『赤の威令』を凝縮した石があるという。
蒼石と同じように機械種にぶつけることで、レッドスクリームを大量に排出。
一気にレッドオーダー化を進ませることのできる禁断のアイテム………
『赤石』
白の恩寵が失われ、サブマスターもいなくなった彼女を、こんなに早く赤化させるなんてそれしか…………
「マダム・ロータス! ボノフさん! あの機種は? 知っているのですか?」
秘彗が水の巨人に注意を払いつつ、背後の2人へと問いかける。
可憐な顔をキリリと引き締め、自身の背丈ほどの杖を両手に構えた勇ましい姿。
外見は幼い少女でも、中身はストロング(強者)の名を持つ砲撃型機種。
緊急事態を察し、少しでも情報を得ようとしての行動。
また、剣風、虎芽もボノフを庇う位置に移動しながら、現れた『敵』についての情報を2人に求めるような視線を送る。
もちろん、街の有力者である2人は当然、この機種名を知っている。
1人はかつての討伐したことのある敵で、
1人は特機戦力としての彼女のメンテナンスを担当したことがあるからだ。
「あの子の名は…………、この街の特機戦力、機械種ボトムウィッチ……だよ」
ボノフが言葉に詰まりながら答える。
悲壮な表情。
明らかにショックを受けた様子のボノフ。
長年、機械種ボトムウィッチのメンテナンスを担当。
年に数回だが、点検の際は数時間も話し込む仲であったのだ。
最近は後進へとその役目を譲ったものの、それでも彼女とは20年近い付き合い。
それだけに親しい友達を失ってしまったかのような悲しみがボノフを襲い、一気に老け込んだ雰囲気でガックリと肩を落とす。
「ここからは私が話そう」
そんな意気消沈した様子のボノフを見て、話の続きはマダム・ロータスが引き継いだ。
「元は超重量級の紅姫さ。30年前、ダンジョンの奥から現れ、迷宮街を崩壊させ、このバルトーラの街へと迫った………、狩人や猟兵団を総動員して迎え撃ち、私と、白海と、ガンマン殿でトドメを差した……」
苦々しい顔でかつての強敵を睨みつけるマダム・ロータス。
当時でギリギリの戦いだった。
ちょうど中央帰りの猟兵団や狩人チームがこの街に居て、協力してくれた。
また、白の教会に、熟練の高位感応士である『
また、この街の隠者、機械種ガンマンが力を貸してくれたことも大きかった。
だが、今この場所に猟兵団も狩人チームもおらず、
共に紅姫へとトドメを差した1人と1機はいない。
1人は何十年も前に別れたきり。
もう1人は街外れに籠ったまま。
そして、マダム・ロータス自身の戦闘力は、当時の半分以下まで落ち込んだ状態。
代わりにいるのが秘彗達。
3機ともストロングタイプ………、その機体に秘められたエネルギー量を見るに、おそらくは職業を2つ重ねたダブルだと、マダム・ロータスは推測。
だとすれば、その実力は中央の超一流狩人が所有していてもおかしくない程。
しかし、当時のレジェンドタイプ並みの実力を持っていたマダム・ロータスや機械種ガンマンには及ばない。
また、どうやっても感応士の代わりは務まらない。
あれほどの高位感応士なんて、この辺境にいるはずもない。
だが、この場にいない者を求めても仕方がない。
今はこの場にいる者達だけで対処できる方法を考えなくてはならないのだ。
「いいかい、良くお聞き。あの機種は従機を生み出す。レッドオーダーともなればほとんど無制限にね。流石に大きさは10m程だけど、生み出す速度が半端じゃない。放っておくとバンバン増えて水巨人の軍団を作り上げてしまう………」
マダム・ロータスは秘彗達に現れた『敵』について話す。
30年前の経験を元に、詳細な情報を開示。
「従機の力量は大したこと無い。動きは鈍いし、技量も無い。戦術的思考も皆無で力任せに暴れるぐらいしかできない木偶の棒。ただし、機体は本体と同様、水で構成される。物理攻撃は全く効かない。重力で押し潰しても、空間斬で切っても無駄だ。炎や電撃もよほど高い威力じゃないと効果は薄い。冷却なら機体を凍らせて動きを止められるだろうが、倒すまではいかない。弱点は機体の中を漂う赤く光る晶石だ。あれをピンポイントで破壊すれば倒せる……」
「!!! ………では、あの紅姫も?」
「秘彗。残念ながらそれは違う。あの紅姫に弱点はない。あの赤く見える目の部分もフェイク。機械種ボトムウィッチの晶石は彼女自身の亜空間倉庫の中だ」
「そ、それって…………」
秘彗の顔色がサッと蒼ざめる。
優秀な彼女の晶脳が最悪の可能性を弾き出したから。
そして、それは不幸なことに、正鵠を射ていたのだった………
「超高位機種の色付きで偶に見る仕様だね。機体全部を破壊してようやく晶石が出てくるのさ。それも『晶冠独立機構式』。おまけにその晶冠単独でも中量級の紅姫並みの戦闘力を持つタイプだよ」
「ガオ?! つ、つまり………、あのデッカイ超重量級の紅姫を倒した後、もう1回中量級の紅姫と戦わなきゃならないのか、ガオ?」
秘彗が早々に辿り着いた真実を、遅れて知った虎芽が驚き、
未だ動きを見せない水の巨人へチラリと視線を走らせながら、浮かび上がった疑問をマダム・ロータスへとぶつける。
「質問、いいかな、ガオ? さっき、マダム・ロータスは、従機には物理も炎も雷も効かないって言っていたガオ。それに本体は弱点が無いって………、じゃあ、どうやって倒すんだガオ? 機体を破壊って言ったって、あの紅姫の機体は水だガオ。切っても殴っても壊せないガオ。それとも、高熱でジュジュッ!って蒸発させるか、カチンコチンに凍らせてから砕けば良いのか、ガオ?」
「……………本体を完全に蒸発させたり、凍らせるのは難しいね。なにせあの質量だ。さらに『水』と言っても、純粋な『水』じゃあない。炎や熱にも強く、少々の熱量ならコップ1杯分すら蒸発しないんだよ。冷気なら多少有効だが、どれだけ冷気をぶつけても表面を凍らせて動きを鈍らせるのが精一杯だろうさ」
マダム・ロータスは質問してきた虎芽に向き直り、自分が知る限りの情報を伝える。
「倒し方は2つ。感応士の力によって、亜空間倉庫に収納された『晶脳』を弾き出させて………ソイツを倒す。だが、感応士として相当な力量が必要。おそらく、この街の鐘守………、あの子では無理だろう。30年前、ソレを成した白海でさえ、成功したのは奇跡と言っていた程だったからね」
マダム・ロータスは懐かしい記憶の中の『白海』の姿を思い浮かべる。
自分とほぼ同等の長身。
足元にまで届くような長く、海のうねりを彷彿とさせる波打った美しい銀髪。
鐘守に相応しい端正な美貌には、いつも母性を感じさせる穏やかな笑みが浮かぶ。
そして、今まで自分が見てきた中で最も豊満な胸………、なのに、腰は驚くほどに細く、ある意味男の理想を体現したかのようなスタイル。
『マダム・ロータス。焦らないで。貴方には支えてくれる人達がたくさんいるのだから…………』
20代半ばの見た目に反し、自分よりも年上ではなかろうかと思う程に、大人びた女性だった。
鐘守は歳を取らないという噂は本当で、実は私よりもずっと年上じゃないのだろうか、当時、不敬にもそんな疑問が頭を過ったものだ。
聞けば、鐘守の中でも両手の指に入るくらいの実力者。
そんな超高位の鐘守がこんな辺境に居てくれたことこそが奇跡みたいなものだっただろう。
だが、奇跡はそう何度も起こらないからこそ奇跡と呼ばれる。
ならば、この危機を切り抜ける為には奇跡に頼らない方法を見つけるしかない。
「もう一つは、先ほども言った通りの正攻法。機体全部を破壊………あの紅姫の機体を構成する水を一撃の元、全て消し去ることだ。ただし、生半可な砲撃じゃあ、あの質量には歯が立たない。過去、要塞級戦車の砲撃すら1割も削れなかった。陸上戦艦の主砲を以ってしても難しいだろうね」
「ガオ?! そ、そんなの無理だガオ! 陸上戦艦以上の砲撃なんて、今のボク達では逆立ちしたって出せっこないガオ!」
虎芽の狼狽も尤も。
陸上戦艦級の主砲は主に超重量級の攻性マテリアル機器を複数連結して放出される。
『悠久の刃』の面子でその威力以上の砲撃が可能なのは、マスターであるヒロを除けば、ベリアルを筆頭に、白兎、豪魔ぐらい。
ヨシツネは空間斬、重力斬といった斬撃メイン。
浮楽は手数は豊富だが、高威力の技は物理系に偏っており、砲撃とすると威力に乏しい。
輝煉の得意な広範囲落雷攻撃では今回の相手は不適当。
電気単体では液体を蒸発させることができないからだ。
剣雷の溜め打ち砲撃『雷双爆雷』でも、超重量級の紅姫相手を一撃というわけにはいかない。
連射できるならともかく、1発で倒すには相手が巨大過ぎる。
秘彗の全力攻撃でも陸上戦艦以上の砲撃というと難しい所。
機体の小ささ故、どうしても一撃自体の威力に限界がある。
剣風の砲撃は弾幕をばら撒く連射タイプ、若しくは強力なレーザーで貫くタイプであり、超重量級の機体を1撃で消滅させられるモノではない。
虎芽はそもそも直接攻撃がメインであり、砲撃は不得意。
とすると、現状の戦力ではどうあがいても討伐不可能ということになる。
相手をすることはできても、倒し切ることは叶わない。
難しい顔で互いを見合う虎芽と剣風。
現状打つ手が無く、互いに正攻法以外の手段を模索するのは苦手。
そんな中、秘彗は敵を睨みながら探査系マテリアル術を行使。
この追い詰められた状況の中、何か突破口は無いかと敵の弱点を探る。
しかし、ゆっくりとこちらの出方を待ってくれる敵ではなく、
「………気をつけな! 紅姫がついに従機を生み出し始めたよ!」
マダム・ロータスから鋭い警告が発せられた。
皆が一斉に一点へと集中。
今まで道の真ん中で立ち尽くしていた紅姫ボトムウィッチ。
数分間の沈黙を破り、ついに動きを見せて来た。
足元に広範囲に渡って広がる水たまりが波打つようにざわめき、
やがてヌッと巨大な手が水たまりの中から突き出て来たと思うと、
全高10m程の水で構成された巨人が次々と出現。
紅姫ボトムウィッチの姿が、ギリシャ神話の女神の彫刻にも似た流麗な女性のフォルムに対し、こちらは野蛮人めいた巨人の風体。
水底の魔女の息子とされる巨人グレンデルの再現であろう。
見える範囲の数は5機。
まるで生まれた喜びを爆発させるように、腕を振り回しながら大股で歩く水巨人達。
街の中心部近くである藍染屋が集中する広い本通りが、あっという間に水巨人達に占拠されたような光景。
放って置けば周りの建物を破壊し始めるのは火を見るよりも明らか。
とにかく少しでも早く数を減らさないと街は甚大な被害をこうむるであろう。
バンッ!!!
銃声が響き、水巨人の1機の胸に穴が開いた。
剣風が『竜撃砲槍』のキャノンモードで銃弾を放ったのだ。
見事、胸の真ん中を射抜き、弱点である赤く光る晶石を破壊。
起点となる晶石を失い、従機である水巨人は機体を維持できなくなりただの水へと戻る。
ザッパーンッ!!
道路に水がバラ撒かれる。
これで現れた5機のうち1機が消滅。
「たああああ!!!」
次は虎芽が道に並ぶ商店を壊そうとしていた水巨人の1機へと打ちかかり、
「虎芽クロー!」
敵の攻撃を潜り抜けて、爪を伸ばしての直突き。
水の機体をぶち抜き、腰部にあった晶石を一撃で貫いた。
ザッパーンッ!
これまた、水へと戻る従機。
虎芽はバラ撒かれる水に巻き込まれないよう、バックステップで後退。
ただの水に戻った従機を見つめ、ニヘラと笑いながら感想を述べる。
「なんだ、全然弱いガオ………、それとも、虎芽が強すぎるのか、ガオ? これなら何機いてもへっちゃらだガオ!」
剣風、虎芽が動き出して僅か10秒で2機を葬った。
敵の機体を構成する水を貫ける貫通力、そして、水の中を漂う赤い晶石に命中させる腕があれば、倒すこと自体は容易い。
秘彗、剣風もこれならば、然して苦労することも無く殲滅できると安堵した時、
「げ! 新しいのが生えて来たガオ!」
虎芽があんぐりと口を開けて驚く。
剣風も僅かに機体を震わせ動揺を見せる。
2機倒したと思ったら、従機が4機新しく生まれてきたのだ。
マダム・ロータスが言っていたように、従機が発生する速度はあまりにも速い。
そして、生まれた従機はやはり暴れる様子を見せる。
早期に倒さないと街の被害は増えるばかり。
「もう! こうなったら、片っ端から殴りつけてやるガオ!」
コクッ
とことん付きやってやるとばかりに叫ぶ虎芽。
ソレに追従して大きく頷く剣風。
「行くガオ、剣風!」
コクッ!!
並んで敵の軍団へと向かう虎芽と剣風。
そして、その動きを確認した秘彗は、マダム・ロータス、ボノフの方へと振り返り、
「マダム・ロータス! ボノフさんを連れて避難してください!」
水巨人の相手を剣風、虎芽に任せ、後方でボノフ、マダムロータスを守る位置についていた秘彗が叫ぶ。
結局、探査系マテリアル術では敵の首魁、紅姫ボトムウィッチを力量を探り切れず、得られた情報は僅かなモノ。
敵の力量に予測がつかず、この場は危険と判断。
護衛対象であるボノフ、この街の重要人物であるマダム・ロータスに避難を促す。
しかし、マダム・ロータスは一瞬、心外とも言える表情を見せた後、
「ボノフは避難させた方が良いと思うけど………、私はこの場にいるべきだろうね。これだけ目立つ敵が現れたんだから、街の戦力もいずれ集まってくるだろうさ。その時に私がいた方が説得がしやすいだろう? 戦力的には不十分でも、街の連中を率いて戦闘指揮を執ることぐらいはできるよ」
「でも、ボノフさんをこのまま1人で避難させるわけにも………」
「う~ん………、そうだねえ………」
秘彗の言うことも尤もだと分かりつつ、けれども、この場を離れるわけにもいかない。
街の衛兵、狩人、猟兵………
どこの所属か、分からない連中が雑多に集まってくるとなると、敵を目の前にしてイザコザが起こることもありうる。
さらに見るからに高位機種である秘彗達にチョッカイをかけてくる者が出てくる可能性も……
そこに街の有名人でもあるマダム・ロータスが居れば、流石にそんな無体な真似をする奴はいないだろう。
だが、こんな鉄火場において、ボノフをたった1人で避難させるわけにもいかず………
「ボクが引き受けようか? そのご婦人を」
「!!! ……………お前、ロキか?」
「ロキさん?」
突然投げかけられた声に驚く2人。
悩ましい様子で話し込むマダム・ロータスと秘彗に話しかけて来た人物。
それは先ほどこの場から去ったはずのロキであった。
『こぼれ話』
鐘守には全て数字が振られています。
数字が小さい方が位が高く、数字が大きくなるにつれ立場が低くなるようです。
その中で『
2桁以上は貢献度や活躍具合により割と頻繁に上下が入れ替わることがありますが、『
『
『
1 白陽 気高い女王様タイプ(ある事情で少し性格が病み気味)
2 白月 ほんわか聖女タイプ(ただし、使命を見つけると覚悟が決まり過ぎる)
3 白星 少しマッドな女研究者タイプ(色々なことを知り過ぎてヤサグレ中)
4 白海 母性溢れる保母さんタイプ
5 白山 背高寡黙な山ガールタイプ
6 白闇 ジトジト根暗少女タイプ
7 白光 キラキラ根明少女タイプ
8 白天 プライド高いお嬢様タイプ
9 白獄 サディスティックお姉さまタイプ
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