第537話 発見3



 白兎達に連れられ2階へと上がる。

 まだ見ぬ機械種への期待のあまり自然と階段を昇る足が速くなる。


 一階が広めの部屋が多いのに対し、2階は小さめの部屋が多い模様。

 おそらくは普段使いは1階、2階は来客用となっているのであろう。


 そして、一目で応接間と分かる部屋に入ると、そこにあったのは3つの中量級用機械種保管庫。



「白の遺跡で機械種が手に入る…………か」



 形状からしてこの中にあるのは人型であろう。

 おそらくは白色文明時代からここに残された機械種。

 それなりに高位の機種のはず。



「できればストロングタイプを希望!」



 正直、今更亜人型やノービスタイプ、ベテランタイプが出て来ても役に立たない。

 理想を言えばレジェンドタイプと言いたいところだが………



「さあ、一体何が入っているのか…………」



 期待に胸を膨らませ、そっと開閉ボタンに指を伸ばす。


 ポン


 プシュー



 まずは一番右端の保管庫の開閉ボタンを押すと、水蒸気を噴き出しながらその蓋が開き、




「こ、これは!!」



 

 出てきたのは、1機の女性型機械種。



 深緑色の長髪をした18,9歳ぐらいに見える女性型。

 俺よりも拳1一つ分程背が高く、キリリとした目鼻立ちの長身の美女。

 切れ長の目に鼻筋が通ったシャープな美貌。

 胸も腰も豊かなボリュームあるスタイル。

 それでいて両手で掴めそうな細い腰。

 どことなくチャイナ服に似た、緑を基調としたメイド服………



「メイド型?」



 まさか夢にまで見たメイド型がここで出てくるとは思わず、呆けたように言葉が漏れ出し、そのままポカンと口を開けたままになってしまう。


 しかも俺好みのプロポーション。

 その容姿はラズリーさんに近い楚々とした美人。

 

 ああ、こんな所で出会うことができるなんて……………


 

 あまりの衝撃に、ぼーっと立ち尽くす俺。

 そんな状態の俺に毘燭が近づいてきて、その機種名を教えてくれる。



「そうですな、こちらはストロングタイプのメイド系、機械種ドラゴンメイドになりますな」


「ドラゴンメイド?」



 初めて聞く機種名。


 …………というか、どこからドラゴンが?


 と、思ったら、確かにメイド型機種の頭からドラゴンのごとき細めの角が2本生えている。

 また、背後には翼竜のような翼。

 そして、足元には臀部から生えているのであろうトカゲに似た長い尾が巻きついていた。

 

 毘燭の言うように『ドラゴンメイド』というのは間違い無いようだが………



「なんでドラゴンなの?」


「さて、白の民の考えることは拙僧には、とんと分かりませんな」


「……………まあ、いいか。念願のメイド型が手に入ったんだ…………」



 角も翼も尻尾もアクセントの1つだろう。

 現代日本のサブカルチャーで鍛え上げられた俺の嗜好の前には何の障害にもならない。



「ふ、ふ、ふふふははははっは! やった! やったぞ! メイドが手に入ったあ! あははっはははっははははは!」



 改めてこみ上げる喜びに耐えきれず哄笑。


 果たして、メイド型が欲しいと願ってからどのくらい月日が流れていただろうか?


 何度も手に入れようと足掻き、店先に並ぶディスプレイの価格に苦汁を飲まされ、


 幾度か出現した機械種用保管庫からは結局出て来ずに、


 だが、こうやって回り回って俺の前にやってきてくれた。



「ははははははははははははっ!! しかも、しかも、ストロングタイプ! 良かった、あの時、ベテランタイプで妥協しなくて…………、あはははははは! ついてる! 俺はついているぞおおお!!! あははははっははっはは!」


 

 そうして笑うことで自分に訪れた幸運を噛みしめる。

 

 そして、一しきり笑った後、手に入れたメイドを見ながら一言。


 

「もう、ゴールしても良いかもしれん…………」


 パタパタ

『いや、ゴールしたら駄目でしょ』



 俺の呟きに白兎がツッコミ。



 フルフル

『というか、次のも早く開けようよ』


「おお、そうだな」


 

 白兎に促され、次の機械種保管庫に手を伸ばす。



 ポン


 プシュー



 中央の保管庫の開閉ボタンを押して、その蓋を開ける。

 

 すると出てきたのは、




「え? これもメイド?」




 おそらくは15,6歳程度の少女の外見。

 黄色と黒のメッシュが入ったミドルボブ。

 可愛いと凛々しいが同居する中性的な顔立ちの美少女。

 ビシっと太い眉毛が何となく意志の強さを感じさせる。

 身長は165cm程度の細めの体系だが、胸はそこそこあるようだ。

 身を包むのは白と黒のストライプが入った現代風のメイド服。

 ただし、下はミニスカートで白い太腿が眩い感じ。



「こちらもストロングタイプのメイド系、機械種タイガーメイドになりますな」


「はあ? タイガー………」


 

 と言われてよく見ると、頭の上に虎耳が2つ。

 さらにそう言われると髪やメイド服も虎縞に見えてくるから、あら不思議。


 またも知らない機種名。

 割とメイド型の所は良く調べていたはずなのだが、全く聞いたことも無い機種だ。


 

「え? なにゆえにタイガー?」


「その辺りの謎を解くためには、まず白の民の嗜好を知らねばなりませんな」


「……………まあ、いいか。可愛いし」



 まさか2機目もメイド型とは…………


 オーソドックスなタイプではないようだが、それでもメイドには変わらない。

 どちらかというとレアと言う意味では貴重なのかもしれん。




「ひょっとして3機目もメイドなのか?」



 2機続けて出たのだから、3機目もその可能性が高いはず………

 


 ポン


 プシュー



「やっぱり…………」



 出てきたのは予想通りメイド型。


 歳は13,4歳くらいであろう。

 幼さの残る可愛い系のロリフェイス。

 紺色の髪を前下がりおかっぱにしたヘアースタイル。

 前髪でやや目の辺りが隠れて見えるメカクレ女子系。

 髪の天辺にピョンと生えたアホ毛がご愛敬。

 身長は150cmくらいの中量級のギリギリ下限。

 起伏の少ない細身の体形。

 青をベースにした、和服に似たデザインのメイド服。

 そして、その背に生えた紺色の鳥の翼。



「これは分かる。ウイングメイドだ」


「そうですな。ストロングタイプのメイド系、機械種ウイングメイドになりますな」



 ウイングメイドは中央ではそれなりに有名。

 中央のある猟兵団が3機保有しており、それぞれ等級の高い射撃スキルを持たせて空から銃撃させる戦術を得意としていた。

 そもそも空を高速で飛行できる機械種は貴重であり、まともに飛行機が飛ばせないこの世界では短時間だが制空権を握ることのできる戦力は絶大な力を発揮する。

 そのウイングメイドは3機合わせて『戦場で鳴く三翼鳥』と呼ばれ、掃討戦でも防衛戦でも引っ張りだこだったことを覚えている。

 


「機動力に富み、手先が器用で感知範囲も広い。銃手にはモッテコイの機種だったな」


「反面、耐久力に欠けますので、運用にはご注意を」


「俺らの今の面子で、コイツをわざわざ空戦させる選択肢は無いだろ」


「…………おっしゃいます通りですな」



 俺の言葉に毘燭は苦笑。

 

 世間では貴重な飛行ユニットも、俺のチームにはすでに凶悪な戦力が揃った『飛行部隊』がいるのだ。


 高速飛行で縛るなら、白兎を筆頭に、ヨシツネ、天琉、輝煉。

 空を飛ぶというだけなら、そこに浮楽と豪魔、廻斗が追加される。

 まさに『攻撃』『守備』『速度』『面白さ』が合わさった最強の空戦部隊。



 多分、ベリアルも飛べるのだろうけど、チームワークが乱れるから除外だな。



 とにかく、真正面からでも空の守護者とやり合うことができる面子だ。

 今更、耐久力に問題のあるストロングタイプ、しかも純粋な戦闘系ではない機種を戦場に放り込む必要性は薄い。

 


 ………いや、そもそもメイドなのだから戦場に出すわけがない。

 家に居て家事を行い、その麗しい姿で俺の心を癒すのが仕事なのだ。

 その為に俺はメイド型を求めていたのだから。

 

 

「まさかメイド型が一気に3機も手に入るとは………………」



 欲しいと願う時に手に入らず、完全に忘れてしまった頃に手に入る。

 全くこの世の中は何と思い通りにならない世界なのであろう。

 

 それでも俺にとっては念願の夢が叶ったのだから、今回については不満を述べるつもりはないけれど。




「では、早速マスター登録を行うとしよう」



 その目に蒼い光を小さく点灯させながら立ち並ぶメイド型3機へと近づき、目を合わせてマスター登録を行っていく。


 







「マスター、ご登録ありがとうございます。全身全霊を以ってマスターにお仕えすることを誓います…………ドラ」



 半竜の姿をしたメイドが恭しく俺に対して服従を示す。

 ゆっくりとした動作、落ち着いた佇まいは見た目よりも大人びた印象を受け…………

 

 あれ? 今、変な言葉が聞こえなかったか?

 何か語尾がおかしいような…………



「ワタクシは機械種ドラゴンメイドと機械種バーサーカーのダブルでございます……ドラ。口から放つ炎と粒子加速砲、竜麟での堅牢なる防御、狂戦士のパワーを以って、マスターの敵を撃ち滅ぼす所存です…………ドラ」


「え? ダブルなのか! それも機械種バーサーカーと?」



 機械種バーサーカーは闘士系のストロングタイプ。

 攻撃力に特化した前衛近接職であり、斧やハンマー等を得物にする戦士。

 単騎突破能力に長け、1機で多数の敵を相手にできる殲滅力に優れた機種。

 反面、機動力と防御力に欠け、命知らずな勇敢さも加えて、戦場での損耗率は高いと言われている。


 だが、超重量級にも通用するパワーを持つアタッカーだ。

 ここぞと言う時に投入する切り札にもなり得る機種。



「半竜メイドと狂戦士かあ………」



 思いもよらぬ組み合わせに、ため息交じりの独白。


 一体どのような相乗効果があるのだろうか?

 全く予想もつかない。



「必ずやマスターのお役に立ってみせます……ドラ。メイドとしても戦士としても………ドラ」


「…………ドラ?」



 先ほどから聞こえてくるおかしな語尾を思わず口にする俺。


 しかし、そんな俺に構わず、次は自分の番とばかりに隣の虎耳メイドが手を上げてアピール。



「はいは~い! ボク、機械種タイガーメイドと機械種チャンピオンのダブルだガオ! 得意技は打撃技に投げ技に絞め技だガオ! 近接戦なら任せて欲しいガオ!」



 半竜メイドから告げられた情報も整理できぬまま、虎メイドが自己紹介を開始。

 虎耳をピコピコさせながら、どこか陽気な雰囲気でさわやかに述べてくる。


 

 機械種チャンピオンは格闘系のストロングタイプ。

 素手での近接格闘能力と耐久力を追求した機種で、室内や閉所での戦闘を得意とする。

 そのパワーは機械種バーサーカーに引けを取らず、その拳と蹴りだけで重量級をも狩る破壊力を秘める。

 ただし、敵に距離を置かれると、途端に不利な状況に追い込まれるという弱点を持つ。

 しかし、至近戦に限ればその戦闘力はストロングタイプでも最上位。

 特に中量級以下の敵に対しては無類の強さを発揮する機種。

 

 

「機械種チャンピオンとは、また、玄人好みな…………」



 見た目にも分かりやすい強さを持つ騎士系や剣士系に比べて、格闘系の人気は1段下がると言っても良い。

 だが、重量級の突撃にも耐えるタフさと、対人への制圧力の高さから警備兵などで使われているケースも多い。

 さらにストロングタイプともなれば、対重量級以上の技も備えるはず………


 果たして、タイガーメイドとチャンピオン。

 思わず有名な覆面レスラーを思い出しそうな組み合わせ。

 このコラボの反応はいかに…………



「殴り合いなら負けないガオ。マスターの身を守るためにお傍に置いてほしいガオ」


「……………ガオ?」



 これまたおかしな単語が混ざっているぞ。

 なんでそんな話し方に………


 しかし、それにツッコむより先に、最後の鳥メイドがおずおずと手をあげた。



「アタシ、機械種ウイングメイドと機械種ホークアイのダブル……チュン。得意なことは偵察と見張りと狙撃………チュン。マスターの為にがんばる………チュン」



 頭の天辺のアホ毛を揺らしつつ、小さな声でしっかりと自分のことを語ってくれた。


 随分と控えめで大人しい感じ。

 おかっぱ髪型と和服調のメイド服からまるで日本人形のような可愛らしさが溢れ出る。



 機械種ホークアイは斥候系のストロングタイプだ。

 ちなみにノービスタイプは機械種スカウト、ベテランタイプは機械種スカウトチーフ。

 超視力に超聴覚を備え、偵察や見張り、隠密行動と潜入技術、罠発見や射撃を得意とする多彩な技術を持つ系統だ。

 ストロングタイプともなれば身を隠す光学迷彩も可能であり、1機いるだけで作戦行動を有利に傾けるだけのポテンシャルを備えている。


 

 ウイングメイドとホークアイ。

 これは非常に分かりやすい組み合わせ。

 ステルス偵察飛行機といったところなのであろう。

 

 

 3機いずれもメイドの他、戦闘系、戦闘補助系の職業を備えていた。

 メイドだけでも価値があるのに、まさかストロングタイプのダブルであるとは思わなかった。


 これだけの機種がポンと配置されていた理由は一体何なのか?


 辺境では在り得ない超高価値の機械種が3機。


 しかし、この地が暴竜を倒さなければ辿り着けない場所であり、いわばラスボスよりも強い隠しボスを倒した後に探索できるエリアのお宝だとすれば、理解できないこともないのだけれど……………

 


「ストロングタイプのダブルが3機も…………」


 

 しみじみとした呟きが漏れる。

 ここまで幸運な出来事が起こると、どこかでぶり返しが来ないかどうか不安になってくる。


 だが、今は夢であったメイド型が手に入ったことを、ただ喜ぶべきだろう………



「末永くお仕えさせていただきますよう……ドラ」

「家の中から戦場までもお供いたしますからね~、ガオ」

「地上も空も………お任せください……チュン」

 


「………………………」



 アカン………

 もう我慢できない。

 


 この3機がそれぞれストロングタイプのダブルであることには大変驚いた。

 美しさと強さを兼ね備えるメイドが手に入ったのは大変喜ばしい事だ。


 だが、それ等をひっくるめたとしても、どうしても我慢できないことがある。


 メイドが3機手に入ったことよりも、もっと重大で、俺にとっては譲れない大事なことだ。

 

 何を置いても、今、この場で言わないと気が済まない最重要案件。




 それは…………




「なんだ、お前等! そのわざとらしい語尾は! 安易にキャラづくりしてんじゃねえぞ!!!」



 堪らずに大声をあげる俺。


 このそれぞれに異なる魅力を持つ美しいメイドが発するにはあまりにも似つかわしくない言葉遣い。

 

 いや、もう言葉使いとは言わない。

 これは一種のメイドに対する冒とくと言えよう。



 そんな怒り心頭のマスターに、マスター登録されたばかりのメイド3機はすぐに揃って頭を下げながら、謝罪の言葉を口にする。



「申し訳ありませんドラ!」

「ごめんなさ~いガオ!」

「すみません、チュン………」



「だから、変な語尾を付けるなと言っているだろうが!!!」



「「「ごめんなさい!!(ドラ、ガオ、チュン)」」」



 さらに深く頭を下げて謝る3機。



 だが、謝るくせに変な語尾を止めないというのはどういうことか!


 麗しいメイドと思いきや、まるでギャグキャラのような取って付けた語尾をつけてしゃべるとは言語道断。


 俺の夢を返せ!

 俺の理想のメイド像を壊すな!

 


「確かに特徴的な語尾を付けると、誰がしゃべっているのか分かりやすいというメリットはある! だが、それに逃げてどうする! キャラクター性と言うのはそれぞれの行動で表現するものだ! そんなお手軽なキャラ付けで個性を出そうと言うのが間違いなんだよ!」



「は、はい、おっしゃる通りで……ドラ」

「よくわかんないけど、分かりましたガオ」

「ううう………難しい、チュン」



「全然分かっていないだろ! お前等!」



「「「申し訳ありません!!(ドラ、ガオ、チュン)」」」



 まだ止めないつもりか…………

 何度言えば分かると言うのか…………



 期待が高かっただけにそれを裏切られた怒りがなかなか収まらない俺。

 そこへ森羅が前に出てきて宥めてくる。



「マスター、落ち着かれてください。この者達はそのように設定されているのです。こればっかりは仕方がないことかと」


「むむ、森羅……………」


「どうしても気に入らないようでしたら藍染屋にて設定を変えることができるでしょう。ですからこの場ではこれ以上は…………」 

 

「……………ふう、分かった。確かにそうだな。そう設定されているなら仕方ないか」



 理不尽に怒り過ぎたか。

 理由を聞けば納得もできる。

 


「すまんな、お前達。少し興奮しすぎたようだ。申し訳ない」


「いえ、私達の精進が足らぬせいでございます…………ドラ」

「マスターの気を悪くさせたのなら、ボク達が悪いんだよ、ガオ」

「マスターが謝る必要なんてない………チュン」


「ぐっ!…………」


 

 真面目に返してくれているのだろうが、どうしても馬鹿にされているような気分になってくる。

 しかし、これが設定だと言うのなら、彼女達を作った者はなんと罪深いのであろう。


 彼女達は悪くないのだ。

 悪いのは、こんな設定を行った白色文明時代の白の民。

 

 もし、白色文明時代から生き残ったスリーパーという者に会ったのなら、関係無関係に関わらず、とりあえずこのことについてクレームを入れてやる!




「詫びと言って何だが、この場でお前達に名前を付けてやることにしよう。考えるから少し時間をくれないか?」


「え、個体名をですか! もちろんです! いつまでもお待ちします……ドラ!」

「わ~い! ありがとうございます! ガオ」

「嬉しい………チュン」



 そして、10分少々考えた結果。



「機械種ドラゴンメイドよ。お前の名前は『辰沙(タッサ)』だ。」


「タッサ………、私の名前…………、タッサ………、素敵な名前を頂戴いたしました………ドラ」



 喜びに打ち震える半竜メイド。

 豊満な胸に両手を当てながら、噛みしめるようにその名を呟く。



「次に機械種タイガーメイドよ。お前の名前は『虎芽(トラメ)』」


「わああああ、ボクの名前、トラメ! トラメ! とっても良い名前だよ、ガオ!!」



 ピョンピョンとその場でジャンプして喜びを露わにする虎メイド。

 飛び上がる度にミニスカがフワリと持ち上がって、少々目に毒。



「最後に機械種ウイングメイドよ。お前の名前は『玖雀(クジャク)』」


「クジャク…………、アタシはクジャク…………、ありがとう、ございます、チュン」



 自分の小さな体を自分の両手でかき抱きながら、礼を口にする鳥メイド。

 頭のアホ毛がなぜかグルグルと回転をしている。

 これは白兎の耳と同じ仕様なのであろうか…………

 


 パチパチパチパチパチパチパチッ



 名づけを喜ぶメイド達へ、我がメンバー達から拍手が送られる。


 

 さて、新しい仲間が増えることとなった。

 しかも女性型で3機もだ。

 きっと今よりももっと賑やかになるだろう。



 明るい未来を想像しながら、俺も皆に合わせるように手を打ち鳴らし、新しい仲間へと歓迎の意を示した。

 

 




※申し訳ありません。

 1週間程だけ書き溜めさせていただきます。

 あと4,5話で一区切りなのですが、執筆が追いつきません。


 街に帰るまでは今月中に終わらせる予定です。

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