第418話  麗人


 タウール商会所属のミラと名乗った女性。


 そのまま葬式にでも出るような黒い礼服姿

 とても新人狩人交流会の参加者とは思えない服装。

 

 軽装とは言え、一応皆、狩人らしい防護服を着こんでいるのが普通だ。

 蓮花会の女性3人ですら、お洒落とは無縁の武骨なコンバットスーツで身を包んでいる。


 もちろんプライベートでは女の子らしい私服を着ているのだろうけど、この場はあくまで互いの実力を見合う場所。

 ある程度の武装をしていくのはマナーと言える。

 なのにこのような服装で交流会に参加するのはある意味常識外れと言うしかない。



 絶対にパーティー会場にはいなかったよなあ………


 こんな目立つ服を着て、これほどの美女ならどこにいたって絶対に目についているはずだ。

 なのに今、俺の目の前にいるということは、今さっきこの会場に入ってきたのか、それとも今まで隠れていたのか。


 それで、同じ商会所属のルーク君の危機に耐えきれなくなって飛び出してきたと……



「ふむ………」



 俺がぶっ飛ばしたルーク君に目を向ければ、彼は未だ座り込んだまま、自分の腹に手を当てて苦し気に顔をゆがめている。

 重力制御で防いだが、完全に威力を消せなかったのだろう。

 そして、あの目の周りにもう発光現象は見られない。

 このミラという女性の言う通り、ルーク君は正気に返ったということか。

 


 なら、これ以上ルーク君を追撃する気もないし、この女性に対して何かするつもりもない。

 若干、この女性について気になることはあるけれど、今どうしても聞かなければならないというほどでもない。


 さっさと退散してもらおうか。

 女性をいつまでもこんな格好をさせておくのも悪いし………


 

 目線を下に向ければ、目に入るのは俺の前で跪く美女……の胸元。

 標準よりも大き目なそれは見事な谷間を作り出していて…………



 おっと、イカン! イカン!

 こんな注目されている中で鼻の下を伸ばすわけには………


 

 軽く頭を振って煩悩を散らし、構えた槍を下へと降ろす。 

 そして、目の前の女性に手を貸そうと思い、前へ差し出そうとした時、




 フリフリ



 白兎が俺の足元に来て耳を揺らした。



「!!!」



 白兎が伝えてきた内容は………


『この人、人間じゃない。機械種、それもレッドオーダー』










 俺の目の前で跪き、許しを乞うている美女が『レッドオーダー』?

 どう見ても人間なんだけど!


 

 思わず目を剥いてしまう。

 まさかと思いながら、俺の前で祈るようなポーズを取るミラと名乗った女性を観察。


 濡れたような黒絹の髪。

 しっとりと艶やかな白い肌。

 細面の繊細な美貌。

 吸い込まれるような漆黒の瞳。


 どこにも機械種らしい特徴は見られない。

 頭部にも突起物がなく、礼服から覗き見える首周りも、その豊かな胸元にも金属片は見当たらない。


 そもそも機械種特有の目の輝きが無い。


 ブルーオーダーなら青く輝き、レッドオーダーなら赤く輝く。

 だが、彼女の目の色は黒。

 これは機械種としてはあり得ない色だ。

 仮面やサングラスで隠したり誤魔化したりはできるが、目の色だけは変えようがないのだ。


 

 しかし、白兎の浄眼が見抜いたのであれば、間違いないはず。


 それに俺の記憶のどこかで人間に化けるという機械種を聞いたことがある。


 それは確かチームトルネラのボスから聞いた、『機械種ヴァンパイア』


 人間の血を啜り、白鐘の恩寵を無効化して人間の街に潜むレッドオーダー……




 !!!!!!


 

 待てよ………

 打神鞭の占いで出た、この交流会に仕掛けようとしている襲撃者。


 その名前は『カーミラ』

 

 あの時は、悪女っぽい名前だとしか思わなかったが、確かそんな名前の女吸血鬼がいたはず………


 それに、この女性は自分のことを『ミラ』と名乗った。

 いかにも『カーミラ』と類似性のある名前を………だ!




 コイツが襲撃者か!

 それも機械種ヴァンパイア!

 いかにも高位機種らしい機種名だ。

 コイツならばストロングタイプをも破壊するだけの能力を秘めていてもおかしくは無い。





 瀝泉槍を握る手に力が籠る。


 コイツがレッドオーダー、且つ、襲撃者なのであれば、ここで破壊するのがベストなのではあるが………




 周りに視線を向ければ、会場中の皆が俺の一挙一動に注目しているのが分かる。


 もしもこの場で、俺がこの女性を刺し殺そうとしたら一体どうなるのか?


 この女性がレッドオーダーと暴けるなら問題は無いが、そうでないなら止めようとする人間も現れるだろうし、その場で銃を抜く人間も出てくるだろう。


 最悪なのが、コイツを破壊しても人間の死体のように見えてしまう場合。

 全身が生体部品で構成されていて、機体中に血液が循環していれば、そう見えてもおかしくは無い。

 そうなれば、俺は殺人者になってしまう。

 死体を見分してくれたら容疑は晴れるだろうが、それまで拘束されるのは確実。


 それに………



『無抵抗の者を切るのは武人として相応しくない』



 瀝泉槍から流れ込む強い拒否感。

 

 現状、目の前のレッドオーダーは悪事を働いていない。

 ただ仲間を救おうと許しを乞うているだけなのだ。

 色々企んでいると思うのだが、それもあくまで占いの結果と俺の想像でしかない。


 

 どう考えてもこの場で処断するのは難しい。

 

 だからこの場合は…………






 

 片膝をついて、跪く女性と視線を合わせる。


「承知しました、レディ。彼が落ち着いたのであれば、私もこれ以上暴力は振るいません」


「………ありがとうございます。貴方さまのご寛恕に感謝を………」


「さあ、お手をどうぞ。いつまでもレディを床に座らせているのは申し訳ない」


「はい………」


 女性に手を貸して立ち上がらせる。


 そして、その際にそっと彼女の耳元で小声で呟く。



「レディ、少しばかり血の匂いがしますね。どこかお怪我でも?」


「…………いえ、別に、怪我なんて………」


「そうですか、では私の勘違いということで………カーミラさん」


「!!!!!!!!」



 その瞬間、身を固くする女性。

 目を合わせれば、その黒玉の瞳の奥に燃え盛る赤の炎が見えたような気がした。









 結構ギリギリだったかもしれない。

 いきなり襲いかかられる可能性もあったが、俺の足元には白兎もいたし、その場合でもなんとかなると踏んでの挑発。


 もちろん考えがあってのこと。


 挑発しなくたって俺がこのカーミラに目をつけられたことに変わりはない。

 なぜなら、俺が交流会の襲撃計画を完全に潰したからだ。

 

 あのアスリンにちょっかいをかけ、袖にされたら逆恨みで銃撃しようとしてきたヤンキー少年。

 そして、アスリンに罵られ、ブチ切れて大暴れしようとしたルーク君。


 どちらもこの女性と同じタウール商会所属。

 

 つまり、このカーミラが彼等を使ってこの交流会の会場でトラブルを起こし、喧嘩を誘発させて場を混乱させるつもりだったのではないかと思う。

 ヤンキー少年にアスリンを狙らわせたのも、彼女が死んで、彼女が従属する重量級が暴れるのを期待してのこと。

 さらにその隙をついてレオンハルトが従属する機械種ソードマスターを破壊する。

 そうすれば、あとは多少腕が立つくらいの新人狩人達しか残らない。


 このカーミラが赭娼に近い実力を持つ高位機種なのであれば、20人そこそこの新人狩人など5分もかからず全滅させることができるはずだ。




 なんでそんな計画を立てたのかまでは分からないが………




 とにかく、俺に計画を邪魔されたことで、カーミラは必ず俺に仕返しを企むだろう。

 まずは俺の情報を集め、弱点を探り、弱みを握ろうとするはずだ。


 

 俺は俺を狙おうとする奴を放置するつもりは欠片も無い。

 だが、この場で仕留めるには人の目もあって難しい。


 だから、カーミラには俺の帰り道に襲撃してもらいたいのだ。

 そうすれば後腐れなく始末できるから。







 ルーク君を伴い、会場の出口へと向かうカーミラ。


 扉から出る際、少しだけ俺を振り返り、軽く会釈をして去っていく彼女。

 

 傍目からは俺に感謝の意を表したかのように見えるだろうが、果てさて彼女の内心は………


 

 血の臭いを指摘されたことで自分の正体がバレている可能性。

 偶然か、それとも見抜かれたのかを悩んでいるはず。


 そして、自分の名を当てられたこと。

 これこそ意味不明だ。

 どうやったって分かるはずの無いモノだ。

 流石の高位機種も、打神鞭の占いで判明したなんて予測もつくまい。

 これについても、ただの俺の言い間違いである可能性も考えるだろう。


 故に俺はカーミラがこの場では暴れ出さない、不確定情報が多すぎですぐに行動には移さないと踏んだのだ。


 しかし、最終的は俺を襲うという選択肢を取るだろう。


 もし、俺が自分の正体を見抜いていたら………と考え、それが俺の口から広がるのを恐れて。

 さらに、自分の計画を潰してくれた仕返しとする為。


 俺の元の世界の吸血鬼のように、機械種ヴァンパイアも気位が高いはずだ。

 そのプライドにかけて、邪魔してきた奴を長く野放しにするとは考えづらい。


 おそらく襲撃のタイミングはこの交流会が終わり、皆と別れて帰途に着いた時。

 これもヴァンパイアらしく、夜の闇に紛れて襲って来るに違いない。

 


 

 

「まあ、これも俺の想像に過ぎなんだけどね。上手くいったらご喝采。今日、襲って来なかったら打神鞭でその能力から居場所まで総ざらいに暴いてやる」


 ピコピコ


「おう、その時は頼むぞ、白兎」


 フリフリ



 ルーク君とカーミラを見送った俺と白兎。


 そこへ声をかけてくるのは………


「ヒロ! 大丈夫だったかい?」

 

 心配そうな表情で駆け寄ってくるアルス。


「ごめん、何も出来なくて………」


 俺に近づくなりアルスは謝罪の言葉を口にする。


「………いや、こっちが勝手にやったことさ。気にしなくてもいいよ」


「………凄いね。銃弾を叩き落としたことといい、レッドキャップを一撃でぶっ飛ばしたことといい………」


 そこで言葉を切り、じっと俺の目を見つめてくるアルス。


 意外なくらいに真剣な眼差し。

 真一文字に閉じられた口。

 すっきりとした端正な顔と相まって、まるで切れ味が鋭い刃物のようなシャープさが前に出てくる。

 今まで柔和な笑顔が多かったから、その落差が激しい。

 

 これが女の子にモテるギャップというヤツか?

 普段優しそうな人間が急に鋭い部分を見せたら、『おっ!』となるよな。

 俺が女だったら、少しばかりドキッとしていたかもしれない……って、何を言ってんだ? 俺………



「さっきのヒロのスピード、まるで『天駆』みたいだった。瞬間移動でもしているのかと思ったよ」


 まあ、アスリンの前に飛び出したのは瞬間移動と言っても差し支えない……

 

 んん? 今、コイツ、『天駆』って言ったか?


 今から5年後、全狩人のトップの位置にいる凄腕。

 ルガードさんの話では、今の段階でも中央で名を上げている最中だという……


 確か……空間系の発掘品を保有している発掘品使いだったよな。

 同じ発掘品使い繋がりで知り合いなのか?



「………アルスは『天駆』を知っているの?」


「まあね。実は彼とは少しの間チームを組んでいたことがあってね。今ではかなり水を開けられてしまっているけど………」


 そう言って、苦笑を浮かべるアルス。


 向こうは中央でブイブイ言わせており、アルスは辺境で下積み中。

 その差はプロ野球選手とアマチュアの差よりも大きい。

 追いつこうと思えば、一体どれだけの努力と運が必要になるのか……


 だが、その目は追うのを諦めた目ではない。

 絶対に諦めない強い決意と信念の光が瞳の奥に見受けられた。



「ヒロも『天駆』を知っているんだ? やっぱりヒロも中央出身なんだね」


「あ~、別に俺は中央出身じゃなくて………」


 何と言って誤魔化そうかと言葉を濁した時………



「見事見事! まさか、4人以外にもこれ程の逸材が隠れていたとはね。全く世界は私の思っていたよりも広く、私の視野は狭いままだったよ」



 会場中に響く良く通る声を発しながら、こちらへと近づいてくるレオンハルト。



「君! ぜひ私に名を教えてくれないか? この交流会を救ってくれた勇者の名を!」



 仰々しい態度でレオンハルトは堂に入ったセリフを放つ。


 先ほどからアルスが俺の名を言っているのに、なお俺に名前を問うてくるのは、これが彼にとっての儀式みたいなものなのであろう。


 正直付き合ってやる義理も無いが、向こうは自分の要請を断る人間などいないといった感じ。


 根っからの上流階級なのだろう。

 そしてその自信に釣り合うだけの資産と能力を有している。

 

 ………まあ、言葉自体に負の感情は感じないから、純粋に興味があるだけなのだろうな。

 多分、有能な人間にありがちな、一定以上の能力を有していない者には興味がないタイプ。

 何かに秀でている者でないと視界にも入らない。

 逆に自分が認めた者なら手放しに称賛し、興味を抱く。

 能力至上主義者といったところか。


 何となく魔弾の射手の団長アデットを思い出す。


 必要とあらば取り込み、不要になれば切って捨てる。

 団長として当然の行為だとは思うが、俺自身、未だに思う所が残っている。

 ここまで露骨ではないだろうけれど、どちらも弱いモノに興味は無いのは同じだ。



「さあ、名を私に教えてくれ。その名は私の魂に刻み、決して忘れないと誓おう!」



 芝居がかった仕草もアデットに良く似ている。


 上に立つ者というのは、ある程度の演技力が必要なのだろうな。

 死地を目の前にしても、トップは臆した姿を見せられない。

 大げさなアクションで部下を鼓舞するというのは良く使われる手だから。



「…………ヒロだ。白翼協商所属………」



 ややぶっきらぼうに自分の名を告げた。


 やや苦手なタイプであることから、動揺を悟られないようにする為に感情を抑えながら短く答える。


「うむうむ! なるほど……ヒロ……か! 覚えたぞ!」


 俺の返事に機嫌良く頷くレオンハルト。


「この度はヒロ殿の活躍のおかげで、久方ぶりに血を見ることなく交流会を終えることができそうだ。感謝する!」


 血を見ない交流会は久方ぶりなのか?

 やっぱり血気盛んな年頃の連中を集めればそうなるか……


「それにしても、見事な槍裁きであったな。それに……辺境の者にしては珍しく女性への接し方を心得ているようだ。身を挺してアスリン嬢を庇い、揉め事を起こしたタウール商会の女性にも礼儀を忘れない………まるで騎士のように」


 レオンハルトは興が乗った感じでポンポンと言葉を続けていく。

 そして、チラッと俺の足元の白兎に目をやり………



「うむ。さしずめ卿は騎士。そう! 言うならば『白ウサギの騎士 ヒロ』と言ったところか!」


 

 はい?

 『白ウサギの騎士』?

 おい!ちょっと、待って!

 何、勝手に二つ名を付けてんだよ!

 しかも、その白馬の騎士をもじったみたいな名前は何なんだよ!



 フリッ!フリッ!

 ピョン!ピョン!ピョン!ピョン!ピョン!ピョン!



 レオンハルトの発言に、耳をブンブン振り回してその場で飛び跳ねる白兎。



「ほお? 卿の従属機械種も気に入ってくれたようだな。ハッハッハッハッ!!」



 自分が付けた二つ名に喜ぶ白兎を見て、レオンハルトはさらに嬉しそうな表情。


 

「『白ウサギの騎士ヒロ』……か」

「白翼協商所属の『白ウサギの騎士』! 侮れないな!」

「あのラビット可愛い! 流石は『白ウサギの騎士』だ!」

「『白ウサギの騎士ヒロ』! 要チェックや!」



 あれ?

 なんか、会場の皆が俺のことを『白ウサギの騎士ヒロ』として、認識し始めたぞ!

 

 別に『白ウサギの騎士』が嫌とかじゃないが………、でも、二つ名だったら、もっとカッコ良いのが………

 それに、俺にはチーム名である『悠久の刃』が………



「チーム名は悠久の刃だ! 悠久の刃のヒロ!」



 とにかく『白ウサギの騎士』を払拭せねばと、『悠久の刃』を名乗ってみるも……



「なるほど……チーム悠久の刃、『白ウサギの騎士ヒロ』だな!よし、これも覚えたぞ!」



 おい!

 『白ウサギの騎士』をひっつけんな!

 名前のインパクト的に絶対、悠久の刃が喰われちゃうだろ!



「おい! 白ウサギの! この場はお前に譲ってやるが、狩人業じゃ負けないからな!」



 黄色い髪を逆立てた不良少年のガイが、怒鳴りつけるように宣言してくる。

 その機械義肢である右腕を見せつけて威嚇しながら。



「『白ウサギの騎士、ヒロ』………、一応、助けてもらったみたいだから礼を言っておく。でも、調子に乗らないでね。私も力を全部見せたわけじゃないから!」



 ギッと睨みつけながら、形だけの礼を口にするアスリン。

 重量級の右腕は収納しているが、腰に手を当て、胸を張る姿は随分と偉そうだ。

 どことなく虚勢を張っているようにしか見えないのはご愛敬か………



 いや!

 ちょっと、お前らも俺のことを『白ウサギの騎士』として認識してやがるのか!


 イカン!

 このままではなし崩し的に俺の二つ名が『白ウサギの騎士』に決定してしまう……


 でも、白兎がめっちゃ嬉しそうにしているから、この場で『白ウサギの騎士』は嫌だとは言いづらい。

 何と言って訂正すべきか………

 

 

「いいなあ、ヒロ。二つ名を貰って……『白ウサギの騎士』、カッコいいね」


「おめでとう、『白ウサギの騎士ヒロ』。一足先に行かれてしまったな」



 アルスとハザンが揃って『白ウサギの騎士』と俺に声をかけてくる。



 ああ………もう駄目だ。

 取り返しがつかない………


 もう、この街では『白ウサギの騎士 ヒロ』になってしまった……

 下手をしたら、ずっと中央でもこう呼ばれるかもしれん………



 ガクっと肩を落とす俺とは対照的に、白兎は皆の声に応えるかのように、辺りをピョンピョンと飛び跳ね回っていた。






<<<【おまけ】1年後 東部領域プーランティアにて………>>>



「エンジュ! バルトーラの街の情報が手に入りましたよ!」


「え、ユティア、本当? ヒロは? ヒロはどうしてるの?」


「まあまあ、落ち着きなさい。えーっと……、新人狩人で有名になっている……ああ! ありました!」


「ああ……やっぱり、ヒロって凄い! もう有名になっているんだね」


「あれ? 名前はヒロですが………チーム名である『悠久の刃』が付いていませんね」


「え? どういうこと? チーム名を変えちゃったの?」


「…………若しくは、同名の別人かも………」


「そんな! ヒロだったら絶対に有名になっているもん!」


「ちょっと待ってください。代わりに………これは二つ名でしょうか……」


「二つ名?」


「はい………『白ウサギの騎士 ヒロ』……と」


「……………」


「……………」


「…………絶対にヒロだ」


「…………そうでしょうね」



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