第276話 挑発


「えっと・・・、どなたですか?」


 エンジュが遠慮がちに、いきなり話しかけてきた若い男に問いかける。


「おっと、自己紹介がまだだったね。俺はカイネル。しがない猟兵さ」


 軽い感じでエンジュの質問に答える若い男・・・カイネル。


「偶然、お嬢ちゃん達の会話が耳に入ってさ。その『ポラント』って街、俺に心当たりがあったから、つい話しかけちゃった」


「え!本当ですか?その・・・やっぱりここから遠いんでしょうか?」


 自分の故郷を知っているという男へ、身を乗り出すユティアさん。

 前に立つ森羅の横から顔を出して、藁にも縋るような勢いだ。


「ああ、結構遠いね。でも、俺なら連れてってあげられると思うよ。どうだい?俺と一緒に来ないかい?そっちの護衛らしい彼の仕事を取ってしまうみたいになっちゃうけど」


 そう言って、初めて俺に目を向けるカイネル。

 俺に向けられた視線には挑発的な光が見え隠れしている。

 

 それだけで向こうの意図が分かろうというモノ。

 つまり俺から依頼を横取りしたいわけね。

 まあ、実際は街に連れてくることですでに依頼は完了していて、今の状態は俺の好意だけでしかないのだが。

 

 チラリと食堂の中央に視線を飛ばせば、騒いでいたはずの猟兵の一団は静かにこちらを興味深げな目で眺めている。


 カイネルが団名を名乗らずに自分のことをただの『しがない猟兵』と称したことや、こちらを眺めているだけの猟兵団の様子から、今回のケースはこのカイネルが個人で持ち掛けてきている事柄なのだろう。

 持ち掛けてきた意図が、単なるお節介なのか、それともユティアさんの美貌に目が眩んだのかは分からないけど。


 俺の勘、外れたかな?

 素人に絡むような猟兵団の雰囲気には見えなかったんだけど。


 多分、俺が頼りなく見えたのでちょっかいをかけてきたのだと思う。

 こんなひょろひょろしたガキが女の子2人を侍らせていたら、ちょっかいの一つくらいかけたくも分からなくもない。


 食堂に行くから瀝泉槍を収納したのは失敗だったかもしれない。

 流石に今から取り出したら戦闘を仕掛けるとみなされてしまうだろうし。





「別に構わないだろ?彼は『ポラント』のことを知らないんだし。そして、君は『ポラント』に行きたい。だったら、選択肢は一つなんじゃないかな?」


「え・・・、それは・・・」


 カイネルの言葉に対し、わずかに逡巡する様子を見せるユティアさん。

 向こうが本当に『ポラント』を知っていて、ユティアさんを無事届けてくれるなら任せても構わないんだけど・・・


 多分、口からデマカセだろうな。

 本当に『ポラント』のことを知っているなら、正式な名称である『プーランティア』の名を告げたはずだ。



「ユティア!前に話したことあるでしょ!」


「エンジュ?・・・・・・あ!そうでしたね」


 エンジュに窘められ、ユティアさんは何かに気づいたように落ち着きを取り戻す。

 おそらくこちらを騙そうとしてくる人間がいることを、エンジュが前もって話していたのだろう。


 まあ、確かにいきなり首を突っ込んできて、たまたまこちらの都合の良い事を知っているなんて、普通は怪しく思うよな。



「あの・・・、申し訳ありませんが・・・・・・」


「あれ?ひょっとして、疑われてる?大丈夫大丈夫!俺って女の子には絶対に嘘なんてつかないって!」


 絶対信用できないことを軽い口調で言い放つカイネル。

 そして、無害をアピールするかのように手を広げながらユティアさんに近づこうとする。


「俺って、君みたいに魅力的な女の子には、特に親切にしたくなるんだよ。ほらほら、もっとお近づきになってくれたら、絶対に俺の言ってることが本当だって分かる・・・・・・」


「そこまでです。それ以上近づかないでもらえますか」


 ユティアさんを庇うように前に立ち、近づいて来るカイネルに対し警告を発する森羅。


 機械種エルフロード。

 外見はただの機械種エルフにしか見えないが、そうだとしても亜人型と言われるヒューマノイドタイプの中位機種だ。

 俊敏性と射撃に優れ、隠密行動や斥候を得意とする遊撃用。

 華奢で防御力に難はあるものの、膂力は人間を遥かに上回り、その近接戦でもホブゴブリンに迫る。


 一般人ならそれだけで怯えて逃げ去ってしまうだろうが・・・


「へえ?機械種エルフ・・・その亜種かな?それとも上位種?」


 カイネルは森羅を見ても全く怯える様子を見せず、逆に森羅を分析する余裕を見せてくる。


 森羅の僅かな言動でそこまで見抜くとは、何という冷静さと洞察力。


 機械種に立ちはだかれても怯むことなく対処できるその様子は、間違いなく猟兵でも戦場で前線を張り、肉弾戦を持って機械種とやり合うことのできる前衛。

 それもおそらくは辺境ではなく中央で活躍する団の一員か。


「君がマスターかな。随分、ご両親も張り込んでくれたみたいだね。でも、ちょっと君には不相応な機種だな。その足の下でウロチョロしているラビットがお似合いだと思うよ」


 俺に向き直り、こちらを馬鹿にした発言をかましてくる。


 普通ここまで言われたら、毅然とした態度を持って言い返さないといけないのだが・・・


「はあ…、それは余計なお世話だと思いますけど・・・」


 ただ憮然とした表情で返すだけ。


 もちろん、ただの人間でしかないコイツを叩きのめすのは簡単だ。

 でも、徴発されただけでこちらから手を出すのもなあ。

 そっちから手を出したならば容赦はしないけど。 

 口だけのことならば、特に俺から仕掛けることもあるまい。

  


 そういった俺の反応にカイネルは拍子抜けといった表情を浮かべる。


「おや、それだけかい?もっと言いたいことは無いのかな?」


「別に・・・、あるとすれば、さっさとどっかへ行ってもらいたいです」


「ふうん、どっかに行くのは君の方じゃないかな。彼女達の役に立たないのだろ?案内人としても・・・護衛としても・・・・・・」


 ニヤニヤとこちらを嘲弄するような笑み。

 しかもこちらを威圧するかのように、さりげなく拳を前に出して、握ったり開いたり・・・

 

 んん?

 コイツの拳の甲から前腕にかけた部分・・・青黒くなっているな。

 両手の甲と腕に皮膚装甲を入れているのか。

 だとしたら、ガチの前衛職の猟兵だ。

 おそらく素手でもゴブリンやコボルトを軽く片づけることができるくらいの戦闘力はありそうだ。 


「フフッ、怖いのか?こんな優男の俺1人にビビっているくらいじゃ、やっぱり護衛としても彼女達の護衛には役に立ちそうにないね」


「・・・・・・・・・」

 

 俺の沈黙を怯えていると捉えたようだ。

 まあ、確かに腰が引けてしまっているのは事実だ。

 こっちの肉体は人類最強とはいえ、俺自身の精神は未だ一般人・・・以下の脆弱さでしかない。

 突然、明らかに戦場慣れした猟兵に絡まれたら、戸惑いもするだろう。



 そんな俺を見て、軽蔑の目で俺を睨んだ後、またユティアさんを庇う森羅に向き直るカイネル。


「どうやら、君のマスターは何も言い返すことができないくらいの臆病者らしいね。ほら、機械種エルフ君。突っ立っているだけじゃ、大事な人は守れないぞ」


 またも手を広げて一歩足を進める。

 すると、わずかに後ろに半歩下がる森羅。

 表情は変わらないが、その青く輝く瞳が苦渋の色を瞬かせている。


 ここは街の中心部であり白鐘に近い場所だから、護衛スキルの低い森羅では攻撃体勢を見せない人間を傷つけることはできない。

 ああやって無防備に近づかれると、接触により怪我をさせない為に距離を取ろうとしてしまうのか。


 この点については、以前ユティアさんにできるだけ早く等級の高い護衛スキルを入れるよう言われていたはずなのに。

 このような機械種使役については、まだまだ俺の知識が足りないところだ。



「フン!護衛スキルをケチるからこうなるんだよ。最下級じゃあ、こうして無抵抗のポーズを取るだけで何もできなくなるんだから。今度はママにもっと等級が高い護衛スキルを強請るんだな、臆病者君」


 カイネルは顔だけをこちらに向けて、侮蔑の表情を露わにしてくる。


 それに対し、俺はただ無言を貫く。

 内心、この場をどうしようかと頭を悩ませている最中だ。



 うーむ、ここまで言われて何もしないのもなあ。

 でも、ここで挑発に乗ったらなんか負けた気もする。

 わざわざ向こう思惑に乗ってやるのもいけすかない。


 それにどうやら相手さんは俺を挑発して、喧嘩を売らせたいみたいだし・・・



 再度、猟兵の一団に目をやると、俺の挙動に注目しているのが分かる。

 

 お行儀の良い猟兵団は、街中において先に手を出すのを禁止していることが多い。

 これは血気盛んな猟兵が街で暴れるのを抑える為だが、相手から仕掛けられたらその限りではない。


 俺に手を出させることで、俺を叩きのめす理由を作り出したいのだろう。

 

 そんな分かりやすい挑発で激高するほど沸点は低くは無いし、言われていることは対外的にそう見えるのだからあまり怒りも沸いてこない。


 これがもっと分かりやすい害意・悪意なら、俺も義憤を燃やしてくってかかったかもしれない。

 エンジュやユティアさんへの罵倒であれば、俺も憤然としてやり返しただろう。


 しかし、今はただ当てこすりに近い嫌味を俺が言われているに過ぎない。

 それだけであれば我慢ならないくらいの憤りを覚えるほどではない。


 俺が手を出すことで、カイネルの後ろの猟兵団の反応も気になるし。

 俺が黙って我慢しているだけで過ごせるならそれにこしたことはない・・・



「そ、そんなことない!ヒロは、ずっとアタイ達を守ってくれて・・・、凄く強いんだから!」



 俺の後ろからエンジュの声が飛ぶ。

 俺が言われっぱなしだったので我慢ができなくなったようだ。



「あはははは、あんな小さな子にフォローされて恥ずかしくないのか?大方、ラットなんかを追い払った程度で感謝されているのだろう?」


「ヒロは・・・ゴブリンだって、オークだって倒しちゃうの!」


「へえ?そりゃ、機械種エルフを従属していれば、それくらいはできるのかな?でも、自分で従属したわけでもないのに、それを偉ぶるのは感心しないなあ」


「違うもん!ヒロはエルフだって自分で捕まえてきたんだ!」


「はははは、それは随分と大風呂敷を広げたモノだねえ・・・」


 カイネルはエンジュの言葉をまるっきり俺の法螺話と捉え、全く信用していない顔。

 

「・・・君、そろそろ何か言い返したらどうだい?それとも大人しく引き下がって彼女等を俺に任せてくれるのかい?」



 しつこく俺への挑発を続けてくるカイネル。

 エンジュに背を向け、これ以上は俺とつける話だと態度で語る。


 周りを見渡さなくても、俺に注目が集まっているのが分かる。


 悔しそうに表情を歪ませるエンジュ。

 心配そうな目でこちらを見つめるユティアさん。

 食堂の中央でこのやり取りの行く末を眺めている猟兵団。


 その全員が俺の取る行動を待っているのだ。



 戦場慣れした猟兵相手にどこまで食ってかかれるか・・・

 それとも2人を差し出してスゴスゴと逃げ出すのか・・・



 もちろん、逃げ出すなんてしない。

 

 しかし、俺自身まだ踏ん切りがつかない。

 この挑発に乗って安易にコイツを叩きのめしたら、後ろに控える猟兵団全員を敵に回してしまうかもしれないし。

 それは俺だけのことじゃなくて、俺たち全員の安全に関わることだ。

 安易に判断は下せない。


 ・・・悩ましい。

 どうしようか?どうするべきかが決められない。


 エンジュがあれだけ俺を庇ってくれているというのに、何もできない自分に嫌気が差してくる。


 でも、俺が間違った判断を下せば、彼女を危険な目に遭わせてしまう可能性だってある。


 何が正解で何が間違っているのか?

 

 俺がずっと結論を出せないでいた、そんな時・・・

 




 ドンッ




 重い物がテーブルの上に落ちた音が響く。


 突如響いた音に皆の視線が集まる。


 その音の発生源は俺達が食事をしていたテーブルに飛び乗った白い塊。


 それは後脚で立ち上がり、ボクサーのようなファイティングポーズを取った白兎だった。









「なんだ?このラビットは?ひょっとして俺に喧嘩を売っているのか?」


 いきなり割り込んでた白兎を睨みつけるカイネル。


 それに対し、器用に前脚でシャドウボクシングを始める白兎。


 連続したジャブ、目にも止まらぬストレート、鋭くえぐり込むようなフック。

 白兎の背後には俺にしか見えないオーラが立ち昇っている。


 度重なる俺への罵倒に、いい加減白兎の堪忍袋の緒が切れたようだ。



「ほお?ご主人様を愚弄する奴は許さないってか?ふむ・・・」


 少し考え込むカイネル。

 そして、急に表情を一転させて、にこやかに笑みを浮かべながらテーブルに陣取る白兎に歩み寄ってくる。


「すまないね。君のご主人様を愚弄してしまって・・・」


 先ほどまでの態度を一変させて、謝罪を口にする。


 急に態度を軟化させたカイネルに、白兎は少し戸惑う様子。

 ファイティングポーズを解き、じっとカイネルを探る様に見つめる。


 カイネルはそんな白兎に対し、何でもない風を装いながらテーブルに置いてあったケチャップソースを入れた小皿を手に取り・・・



「ぜひ、謝罪として一杯奢らせてほしい。ほら」




 ビチャッ




 白兎の頭の上からそれをぶっかけた。


 


「ああ!酷い!」

「なんてことを・・・」



 後ろから上がるエンジュ達の非難の声。


 しかし、そんな非難にも意に介さず、にやけた顔で堂々とした態度。


「ハハッ、臆病者の従属する機械種にはお似合いの化粧だな。少しは凄みが出たんじゃないか」


 頭の上からケチャップソースかけられて顔の半分を赤く染められた白兎は、ただテーブルの上からじっと加害者を見上げる。


 その背には怒りのオーラが再び立ち昇る。

 それは真っ赤に燃え上がるかのような炎を幻視するくらいの迫力。

 この時ばかりは流石にカイネルに詰め寄ろうとした俺が一瞬気圧される程。

 

 カイネルはそんな白兎を気にもしないで、さらに俺への挑発を続ける


「ククッ、機械種を従属すれば強くなれると勘違いしたか?残念だな。外ならともかく街の中では、たとえ機械種を従えていてもマスターがヘボじゃ役に立たないんだよ。いいか?臆病者君。ラビットに入れられている程度の護衛スキルじゃあ、こうやって汚されたぐらいでは反撃すらできない・・・・・ッブオッ!!!」



 それはテーブルから飛び上がった白兎の耳の一振り。

 カイネルは柔軟性の飛んだ鞭の様な一撃を鼻っ柱に喰らい、後ろに尻もちをつく。


「くあっ・・・、テメエ!!」


 スカしたイケメン面は鼻血塗れだ。

 手で鼻を押さえて白兎を睨みつけるカイネル。


 そんなカイネル相手に『かかって来い!』とでも言うように、前脚を突き出し、肉球を上に向けて指4本でクイクイっと曲げて挑発する白兎。

 さらに前脚で鼻を擦するような仕草も付け加えてる。

 頭から被ったケチャップが、まるで血に塗れたようにも見え、普段の白兎からは想像もできないほどの凄惨な凄みを醸し出していた。



 白兎の護衛スキルは最下級ではなく、遊撃将軍級だ。

 なぜ俺が授与した古代中国の官位が、護衛スキルの等級になってしまっているのか不明だが、とにかくこの白鐘の恩寵下でもあれぐらいで反撃ができる程の高位らしい。


 また、白兎が本気で攻撃していたら、さっきのでカイネルの顔は吹き飛ばされていたはず。

 しかし、律儀にも白兎は俺の言いつけを守って、人前では機械種ラビットの範囲内までに力を抑えてくれている。

 そんな力を制限した状態でも俺を守るために前に出てきてくれたのだ。

 


「カイネル!ラビットに負けるなんて情けないぞ!」

「何一撃貰ってんだよ!」

「カッコわりー!」

「はははは、ざまーみろ!」


 後ろの猟兵団からカイネルに向かって暖かい声援が投げかけられる。


 コイツ、向こうの団員からもあまり良く思われてないのか?

 それとも立場的に弄られる方のキャラなのか?



「この!クソラビットがあ!!磨り潰してやるぞ!!」


 皆の前で恥をかかされたこともあって、カイネルは怒髪冠を衝く程の怒りの形相。

 ユティアさん相手に紳士振っていた態度はどこへやら。


 ダンッと立ちあがって、拳を振り上げ白兎に飛びかかろうとした所で・・・




「ああ!!テメエ!今更、前に出てくんのかよ!」



 白兎の前に立ち、カイネルに向かい合う俺。



 白兎がここまでお膳立てをしてくれたのに、これ以上俺が引っ込んでいる訳には行かない。

 本当に今更だが、いつまでも悩んでいたって仕方が無い。

 もう前に進むしかないのだ!



 今にも俺を噛み殺そうとせんばかりのカイネルに、俺は右手を突き出し、その手の平を見せた上で、ゆっくりと指を折り畳み、拳を作ってぐるっと内向きに捻る。


 そして、手の甲を見せながら一言。



「俺が相手だ」



 どよどよっとした騒ぎ声が向こうの猟兵団から上がる。


 それもそのはず。

 俺の出した合図は猟兵同士においてのトラブルの際に、両者素手での決闘にて勝敗を決めようという宣言。



「テメエ、猟兵なのか?・・・・・・いや、単なる真似をしているだけか?」


 なぜか急に毒気を抜かれたようなカイネルの顔。

 手で鼻血を拭いながら訪ねてくる。


「さてね。それより受けるの?受けないの?」


「決まってんだろ!まずはお前をぶちのめす!」


 犬歯を剥き出しにして獰猛な笑みを浮かべる。

 先ほどまでのスカした態度は微塵もなく、ただ戦場の匂いを漂わせる猟兵の姿がそこにはあった。

 


「よし、決まり」



 一体何を悩んでいたのだろう。

 最初からこうしておけばよかったんだ。

 相変わらずの自分の優柔不断さが嫌になってくる。



「白兎・・・ありがとう。お前にお尻を叩かれないと動かないなんて、俺は駄目なマスターだよ」


 一旦下がって、テーブルの上に鎮座する白兎に声をかける。

 

 白兎は耳をフルフルと動かし、『気にしないで』と言った感じ。

 さらに耳をクルクルと回しながら、俺に向けてのアドバイスを付け加えてくる。



 なになに?『考える過ぎるな、感じろ』って・・・

 それはブルー○・リーのパクリだろ!

 さっきの鼻を擦る仕草もそうだよな?


 ・・・・・・まあ、そのアドバイスはありがたく受け取っておくよ。



「エンジュ!白兎の汚れを拭いてあげてくれ」


「うん・・・・・・ヒロ、頑張って!」


 俺から白兎を受け取ったエンジュ。

 その目には俺への全幅の信頼が込められているのが見て取れる。


 白兎からのアドバイスと、女の子からの信頼。

 ここまで色々受け取ったんだから、俺も頑張らないといけないな。


「おう!」


 俺はエンジュから激励に軽く笑みを見せて応えた。

 

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