星の輝きの記録 Vol.5

☆アルシャト

 学名:Capricorn

 出身:アンインちほー


 やぎ座のフレンズ。

 デネボラに追い詰められている場面でクオと出逢った。


 一人称は『シャトー』。

 語尾が間延びして、ゆったりとした雰囲気の話し方をする。

 容姿は、白いショートヘアを伸ばした頭上に二本の黒い巻角を持つ。瞳は黄色く、純白のワンピースを着こなしている。



 彼女は後述する能力を悪用し、幾度にも渡って盗みを繰り返していた。その結果、デネボラに追い掛けられることになり、劇中の場面に繋がっている。


 盗んだ品物は、自身が『ミラ』と名付けてペットとして飼っていたセルリアンの餌にしていた。食べられた品物はしばらく後にそのまま戻ってくるため、アルシャトはミラがどうやって栄養を摂っているのか不思議に思ったが、深く考えるようなことはしなかった。


 また、アルシャトがミラを飼うよう誘導した存在がいるのだが、そのことを彼女は知らない。


 結局、暴走したミラに襲われて、ミラは撃破されることになった。


 件の事件の後、アルシャトはデネボラに連れられて謝罪回りに行っているが、余罪が非常に多いため終わる目途はまだ立っていない。



★『E:Scapegoat』


 やぎ座のフレンズのアルシャトが持つ固有の能力。

 彼女に対して何がしかの形の危険が迫った際に発動する。


 アルシャトは、付近にいる誰かと自分の立ち位置を入れ替えることによって、彼を身代わりとし、自分は危機から逃れることが出来る。


 この際、条件は以下の通り。


・アルシャトに意識がある状態でなくてはならない。

・意識があれば不意を打たれても勝手に能力が発動される。

・『危険そのもの』と場所を入れ替えることは出来ない。

・随時、身代わりの対象の位置を具体的に把握している必要がある。


 上の条件が満たされていれば、距離を問わず入れ替えは成立する。


 この能力は単なる逃走に有用であるだけではなく、敢えて危険を用意することによって、任意の相手と自分の位置を好きに入れ替えられる機能を持つ。


 実際に、これによって湖の中のミラを地上に連れて来ることに成功した。




 ―――アルシャトは思うのだ。


    『逃げてばかりでは何にもならない』という言葉。


      それは、逃げられてばかりでどうしようも出来ない。


        そんな人物が発するものなのだと。





☆デネボラ

 学名:Leo

 出身:アンインちほー


 しし座のフレンズ。

 アルシャトを追っている所をクオと出逢った。


 一人称は『オレ』。

 ぶっきらぼうな口調で話す。


 上は白地のシャツ、下は紺色のスカートのセーラー服を主に着用している。

 他のライオンのフレンズと同様にボリューミーな髪の毛を持ち、その色は赤褐色。

 また、瞳も同様の色である。



 幾度に渡ってアルシャトの盗みの被害を受けていた彼女は、個人的にアルシャトを捕まえて罰を与えようとしていた。


 しかし、単なる懲罰ではなく、アルシャトにどうかもう少し真っ当に生きて欲しいという願いを持っていた故の行動である。これは、デネボラが元来持ち合わせていた真っ直ぐなものを好む性格に由来している。



 デネボラは高い戦闘力を持っているが、星座の能力に関係はない。


 純粋な身体能力のみで、彼女は他のフレンズを圧倒することができる。



 劇中の事件の後、デネボラはアルシャトを引っぱり回して多くのフレンズの元を訪ねている。


 少なくとも、アルシャトが彼女との生活に慣れる日は、そう遠くないと思われる。




★『ネメアの悪食』


 しし座のフレンズのデネボラが持つ固有の能力。


 どんなものでも食べることができる。

 そして、自分の栄養に変えることができる。


 この能力の所為か、例えば非常に塩辛い飴玉を好むなど、彼女は一般的な感覚からかなり偏った味覚を有している。


 それでも、普通の食事を美味しいと感じる余地はあるようだ。




 ―――デネボラとの共同生活でアルシャトが唯一案じていること。


     いつか、デネボラの手料理を食べる日が来るのでないかということ。





―――――――――




☆クオ

 学名:Vulpecula Gemini

 出身:ホッカイちほー


 こぎつね座の輝きを体内に内包する、ふたご座のフレンズ。


 イヌガミギョウブの手を借りて、体内にいたキュウビキツネと分離し、こぎつね座の輝きを取り戻すことに成功した。


 ふたご座の力を利用することで、クオは新たな力を得た。



★『久遠の真円』――共鳴:月



  ―――愛も、恋も、望月も。

        欠けたることも、無しと思えば。



 ふたご座の力で月の光と共鳴したクオの姿。


 それは月の輝きすらも増幅して、常に満月が見える夜空となる。


 クオは愛用の刀に月光を湛え、今までとは比べ物にならない程の力を得た。



 この形態の彼女は月光を操って戦うことを得意とし、単なる刀の斬撃でさえ、満月の形の光を飛ばして敵を切り刻んでしまう。


 彼女が呼べば光はどこにでも集まり、望んだ方向に攻撃を放つことができる。


 また、回復能力も高く、どんな傷もすぐに治癒する。


 彼女にダメージを与えるには矢継ぎ早に攻撃を繰り返すしかないが、光の盾を召喚することも可能なため、厳しい戦いを強いられるだろう。


 正に攻防一体となった、とても強い姿だ。




・余談


 ソウジュが『同調』を使うのは、メリに技術を学んだ影響がとても大きい。そしてとりわけ、星座の輝きを深くまで引き出すことに長けている。


 特徴的な星座の力を幾つも使う戦闘では、唯一無二の役割を果たすことになるだろう。


 しかし『同調』には、致命的な欠点がある。


 明確な答えへの言及はここでは避けるが、一つだけ明らかにしておこう。



 エル曰く、『星座と心を通わせる』ことを可能とする双子座の輝き。


 その本来の機能は『共鳴』である。

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