星の輝きの記録 Vol.3-2
★『千色忍者』――同調:
―――よく見て、そこにいるから!
カメレオン座の輝きと同調した姿。
基本的には緑色の、忍者を彷彿とさせる服装をしている。
この形態の最も特徴的な能力は、自分や周囲にいる味方の姿を景色に溶け込ませて外敵から発見されないようにすることである。隠蔽の精度は非常に高く、空を飛ぶなどして足音がないように移動すれば発見することは困難を極める。
戦闘面ではあまり火力に期待するべきではないが、苦無や手裏剣のような忍者のイメージに代表される飛び道具の扱いが得意である。
姿を隠しながら投げ物でちまちまと攻撃するような、悪く言えば卑怯な戦法を得意とするだろう。
何か他に難点を挙げるとするならば、このような蓄熱性に欠ける軽装をソウジュがあまり好まないことくらいだろうか。
★『不死の腐食』――同調:
―――九つの頭と、九本の尻尾。
果たして強いのはどちらだろう?
うみへび座の輝きと同調した姿。
ゆったりとした服装で、深海のような紺桔梗色のフードが特徴的である。
この形態では、服の中から最大八本まで蛇の頭を生み出し、敵を攻撃することが出来る。元々存在するソウジュの頭と合わせれば、九つの頭があることになる。
蛇頭は鋭い牙を持ち、唾液は猛毒である。体内に侵入すれば、地上の生き物は全て激しい痛みに悶え苦しむことになるだろう。また毒を度外視しても、高い咬合力を持ち四方八方から攻撃してくる蛇頭は無視できない脅威だ。
猛毒の霧を吐くこともでき、霧を浴びれば直接注入されたときとは違う、じりじりとした慢性的な痛みに苦しむことになる。
生存力も高く、例え首を斬り落とされたとしても瞬く間に再生させることが可能である。
実はソウジュも、この独特な姿や戦闘スタイルを気に入っているらしい。暖かい服装も加点対象だ。
★『明朝の白翼』――同調:
―――朝をその身に宿した鳥は、夜に飛んでこそよく目立つ。
はくちょう座の輝きと同調した姿。
ひらひらとした白い服で、見る者に女性的な印象を与える。
主に白鳥にみられる特徴を身に備え、飛行能力についてはカラス座とあまり差異はない。
大きな違いは、カラス座が攻撃に重点を置く能力だったのに対し、はくちょう座の場合は仲間の回復や強化など、サポートに特化した能力であることだ。
味方の上を飛行して白い羽を降らせれば、下にいる味方の体力を継続的に回復し、手足の力や反応速度などを向上させることが出来る。また、傷ついた味方の近くに寄って羽ばたけば、その一人に集中して治療を行える。
要点をまとめれば、とても優しい能力だ。
なお本人は気づいていないが、ソウジュはクオに負けず劣らず好戦的な思考回路を持っており、攻撃役を好むためこの姿が積極的に使われる可能性は低いと思われる。
★『磐砕く狩人』――同調:
―――彼は負けない。
蠍以外には。
オリオン座の輝きと同調した姿。
神話に出てくるオリオンをもう少し厚着にしたような服装。
最大の特徴は高い攻撃力。
拳に力を込めれば、岩盤さえも容易く砕く。
セルリアンとは異なり、機動力を生かし徒手空拳で戦うスタイルだ。
この形態について特筆すべきことは少ない。
強いて何かを言うのなら、やはり神話の物語に強く影響を受けているのか、どうあってもさそり座には勝てない運命を背負っているらしい。
★『跳躍するクリムゾン・スター』――同調:
―――跳んで。
跳んで。
跳んで。
そして月には届かなかった。
うさぎ座の輝きと同調した姿。
軽装の弓使いで、長いウサギ耳が目を引く姿。
動きが非常にすばしっこく、目にも止まらぬ高速移動から放たれる矢は敵にとって大きな脅威となりうる。いて座のフレンズに比べて射撃制度が低いことが救いと言える。
ジャンプ力ぅ……は平屋程度なら軽く屋根に昇ることができ、力を溜めたジャンプならおよそ五階建て程度の高度まで跳びあがることが出来る。着地のことを考えなければもっと上まで行けるだろう。
また、放つ矢には炎をまとわせることができ、普通の攻撃が通らない敵に対して別方向からのアプローチが可能になっている。妖術で矢を分裂させて炎の矢の雨を降らせれば、これも回避が難しい強力な弾幕となる。
ルカに勧められた時は否定していたが、弓矢を使う形態が増えた今、そろそろ矢切り戦法を習得すべき時が来ているのかもしれない。
★『ウラニアの神託』――同調:
―――聴け、此処に真実はある。
ろくぶんぎ座の輝きと同調した姿。
特に大きな姿の変化はみられない。
ソウジュが所有するウラニアの鏡(別名:天理の鏡)と合わせて使用することで、クオの中にいるキュウビキツネの魂を呼び起こすことが出来る。
この現象の原理は不明で、クオの中に彼女の魂がいる理由も現在は判明していない。
『ウラニアの鏡』とは元来、過去にヒトの世界で発売されていた32枚の星図カードからなるカード集で、今の彼が持っている本と鏡を併せ持つような品物ではない。
セルリアンが元々の物体の輝きをコピーするときに、『鏡』という印象に影響されて現在のような姿になったと考えられる。
ミラーセルの規格外な強さから、持ち主にとても強い思い入れがあったことが伺える。
キュウビを呼び出すのに使うのは鏡の部分だけだが、ウラニアの鏡の大部分は白紙のページしかない本の部分が占めている。
そのページ数は延べ88ページである。
ウラニアは占星と天文の女神である。
彼女が夜空の天蓋に、けして逆らえぬ天理を定めた。
天理とは、万物に通ずる自然の道理のことである。
その天理の下に、全ての星は回っているのだ。
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