星の輝きの記録 Vol.3-1

☆ロウエ

 学名:Taurus

 出身地:カントーちほー


 おうし座のフレンズ。

 ソウジュ達とは地下の迷宮で出会った。


 一人称は『ウチ』。

 関西弁によく似た口調で話す。

 目、髪の毛共にビリジアンに似た濃い緑色をしており、フード付きのポンチョを身に纏っている。また、靴下はウシ柄。


 百年近く前から迷宮に引き篭もり、後述する能力を使ってミラーセルが外に出ることが無いように封印していた。それでも平然と振舞っている様子から、変化のない生活への耐性は高いと思われる。


 戦闘力はとても高く、これも後述する能力の影響で、彼女に扱えない武器は殆ど存在しないと言ってもいい。臨機応変に得物を替え、どのような戦況にも対応できるのが彼女の強みである。


 てんびん座のフレンズであるエルと非常に深い関係にある。

 エルの危機を予感した時には、目の前にいるセルリアンを放り出してまで安否を確かめに行くほどだ。


 力の強大さとは反面、世間知らずな部分が目立つエルに対して、自分が支えてあげなければと常日頃から思っている。迷宮に缶詰めにされていたおよそ百年間、それだけがロウエにとっての気掛かりだった。



【技】


千変万化ダンタリオン

 物体の中の輝きに作用し、物の構成を作り変える能力。

 外観はもちろん、簡単な機構なら内部の機能を再現することも可能である。

 特に金属など、単体の物質に対しては高い効力を発揮する。


 また、ある程度の時間ならフレンズの外見を変えることもでき、神話でゼウスがやったような姿を変えての誘拐劇も、ロウエになら容易い筈だ。


 眩しい輝きを備えたフレンズ単体としての強さ。

 文字通り、千変万化に変化するロウエの戦闘スタイル。


 ロウエと比肩する力を持つフレンズは、彼女と出自を共にしている星座のフレンズ以外には殆ど存在しないと言っても良いだろう。



―――――――――



☆ズベン=エル=ゲヌビ

 学名:Libra

 出身地:カントーちほー


 てんびん座のフレンズ。

 パークにいる星座のフレンズの中では、恐らく最古の存在。


 一人称はない。


 とても長い金髪、宝石のように絢爛なドレス、耳朶を挟むピアス。

 その全てが正面から見たとき左右対称になるよう形を保ち続けている。


 形容するには難しい性格だが、論理を重視し、常に未来の事象を計算しながら行動している。コンピュータにも引けを取らない演算能力を持ち、予知のような精度の予測が可能である。


 さりとて感情がないわけではなく、特にロウエに対しては慈しみを持って接することが多い。

 エルに乏しい世間の常識を埋めてくれる彼女の存在は、決して欠かすことの出来ないとても大きい物だ。


 ロウエを心配に思うあまり、抱え込んだ行動をしてしまうこともしばしば。なまじエルが力を持っているが故に、多少の無理をすれば一人で解決出来てしまうこともその一因を担っている。


 最近、エルは”ユーモア”の勉強をしている。


 ―――果たして彼女の脳みそは、この問題に対しても的確な答えを導き出すことが出来るのだろうか?



【技】


聖域再構築サンクチュア=リ=ファクタリング

 演算領域を物理的な現実に拡張し、事象の改変を可能にする能力。

 具体例を挙げれば、 


 ・短距離の空間転移

 ・物理法則の改竄

 ・方向ベクトルの変換

 ・”異物”に指定した存在の自動殲滅

 ・星辰に干渉し星座の力を増幅させる


 などのことが出来る。


 『聖域』と名の付く通り、領域を拡張できる範囲には限界があるが、よほど大規模な戦いでない限り影響が生まれることはない。


 とても強力な力だが反動も大きく、全力で行使した後は行動不能になる他、無理をして使い続ければ命に関わることも珍しくない。

 そのハイリターンな特性から、ロウエには滅多に使わないよう釘を刺されている。


 しかしエルは、自分が多少の傷を負うことで災害を沈められるのなら、生贄となることも辞さない覚悟を持っている。




 ―――星座のフレンズが最初に誕生したのはカントーだと考察されている。


 命の星座を内包する石板も、宝石も。突然無から出現したのではなく、星座に対する強い想いを持ったヒトの輝きが元になっているとかつての研究者は考えた。その人物が誰なのか、最後まで明確な答えを出すことは出来なかったが。



 迷宮にいたミラーセル。


 ウラニアの鏡。


 天理の鏡。



 ……は既に、手の中に。

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