特撮は好きかと聞かれたら。僕はこう答える。
「大好きだ!」
僕はこの作品を、そう答えてくれる皆さんに読んでほしい。何故なら、作者は大の特撮オタクであるし、作中の主人公も同じく特撮オタクだからだ。
まだまだ連載中とのことで、今後の展開が楽しみな本作だが、皆さんにおすすめしたい魅力が二点ある。ヒロインと作品の空気感だ。
まずは、この作品のヒロインであるオモテサカ。ミステリアスで美少女なヒロインで、まるで向日葵のような存在。同級生からすれば憧れのマドンナと言ったところか。このオモテサカ、結構なくせものである。この作品をタイムリープものにしているのは彼女の能力。ヒロインであるオモテサカを守り続けることさえできれば、希望が潰えないというのがいい。そして、女の子を守るのは男のロマンだ。そうだろう?
ただ、それだけの設定で終わらないのがこの作品の濃さ。主人公に出会う前、オモテサカは超人が見つけられずに独りで二百四十八回も街が破壊される惨状を見ている。二周目はそういう背景のもと、オモテサカの振る舞いを見てほしい。きっと一周目とはまた違った面白さが見えてくるはずだ。
そして、二つ目の空気感であるが、随所に見えるレトロ感だったり、考えられたネーミングセンスだったり、伏線が散りばめられた謎解き感だったりと、素晴らしいバランスで作品の空気が作られている。
特に好きなのがゲームセンターHAIZARAでの五十円筐体。一気に昭和にタイムスリップした感覚は病みつきだ。
ウルトラマン、仮面ライダー、戦隊モノ。有名な特撮と一緒に、皆さんも世界を救うため、タイムスリップしてはいかがだろうか。