第26話 夏草や、兵どもが 夢の跡…。

 少し前、ゆとり教育の一環で、競争することは悪で、人の優劣をつけることにつながる。


 これは差別を助長し、人間にコンプレックスを植え付ける。

 勝ち負けを決することは、よくないことだ。


 このような風潮が世間を席巻した。

 あの頃は、運動会の徒競走でも、1位、2位、3位という順位づけをしないように教育委員会のお触れがあったそうで、人を比較することは、人権侵害、差別に値するとか、訳のわからない思想が蔓延していた。


 たしかに徒競走が苦手な人からいえば、100メートル走で順位付けされるのは屈辱以外の何物でもなく、トラウマかもしれない。


 でも勉学の世界だけでなく、やはり世界規模で物事は日々ランク付けされているわけで、運動(スポーツの世界)なら、4年に1度の祭典、オリンピックで運動能力を競うし、もっと言えば、動物の世界だって、最強の遺伝子を残すため、最強の雄の遺伝子、精子を求めて雌は求愛する行動に出る。


 犬だって、猫だって、熊だって、自然で生きる動物たちの雄は、雌へ求愛行動を取る際、雄同士、命を賭けて熾烈な争いを繰り広げ、喧嘩に勝った強いオスだけが最愛のメスを手に入れることができる。


 メスの猫をたくさん縄張り内で、はべらし、子孫を一匹でも多く残せるのは、やはり生存競争に打ち勝った、強い精子を持つオスだけに限られる。


 それはそうだ。

 病弱で、すぐに死んでしまうような欠陥のある遺伝子を持つオスを、メス猫も欲しないでしょうし、できれば体が丈夫で、強い、男の中の男のようなオス猫と、結ばれたいと誰もが思うでしょう。


 ゆとり教育が施行され、中学生も高校生も、人間らしい生活を取り戻すため、授業時間の短縮が叫ばれ、部活動の時間短縮、土曜日の授業をなくす取り組みが一部の地域で施行された。


 中学生は完全週休2日制を満喫し、マンガやテレビ、ゲームに熱中する余暇時間が増え、想像以上に私生活を充実させたことだろう。


 でも、それでいいのだろうか?

 それまでの中学生といえば、たしかに詰め込み教育が主で、かわいそうだというくらい、時間に追われる生活を強いられてきた。


 でも、もっと突っ込んで言えば、競争相手は狭い村社会だけではない。

 地方の生徒なら、数年後、東京や大阪、都心、府心の生徒が大学受験では好敵手となって現れるでしょうし、自らの前に立ちはだかる。


 もっといえば、グローバルな世界で資金力にモノを言わせる中国や、勉学、教育に熱心な韓国、そしていずれ世界を席巻すると言われているインド。


 ロスチャイルドの息がかかるイギリス。

 ロックフェラーが率いる、アメリカ。

 優秀なゲルマン民族、ドイツ。

 フランスに、イタリア…。


 これらの海外資本を相手に、いずれ市場競争に参加する企業人となって、若者は日本を背負って立たなければならない。


 優秀な、グローバルな人材が求められるこの世の中で、日本だけが、ゆとり教育を叫んだのは、どこかの第3国の、息のかかった議員さんが、日本を貶めるために、法律を施行したとしか思えない。


 そうでなければ、余程の愚か者なのでしょう。

 ゆとり教育の影響で、日本は、だいぶ世界から水をあけられ、遅れを取り、海外資本から、三流国家の烙印を押された。


 完全に海外企業競争力を失った日本は、世界の第一線から転げ落ち、本来、未来を手にすべき若者から自由と仕事に対する対価、高額な給料、お金を奪った。


 でも、ゆとり教育が終了したおかげで、ようやっと日本に、優秀な人材が生まれ始めた予感もする。


 卓球の美宇&美誠コンビ。

 卓球男子のこちらは中学生、張本君。

 将棋の藤井聡太七段が、そんな風潮を見事に吹き払ってしまった。


 目下28連勝記録を樹立した藤井聡太四段は16歳。

 高校2年生。

 美宇&美誠コンビに至っては、こちらも10代。18歳である。


 彼ら、彼女らは、小さい頃からプロ意識、国家戦略としての競争力を植え付けられているので、海外の選手や、年上の有名なプロ棋士と戦っても物怖じしないし、タフで頑強な精神が小さい頃から植え付けられているといっていい。


 仮に目の青い、髪の毛が金髪な海外の選手と対戦しても、小さな日本の戦士には生まれついてのコンプレックスが微塵もないので、いつでもどんな状況でも、堂々と自分の実力が発揮できるよう、自分の能力をフルに出せるよう訓練されている。


 これからの日本は、バブルで失速した失われた30年を奪還するが如く、見事に世界に返り咲き、黄金期に入るだろう。


 グローバルな世界に打って出るには、まさに打って付けの人材が出揃う予感がする。その試金石が、2020年の東京オリンピックとなるだろう。


 一部、テロリストが、東京五輪を狙って侵入してくるかもしれませんが、日本の公安も、それはそれで既に織り込み済みでしょうし、世界でも指折りの優秀な組織だと聞きます。


 事前に危険を察知して、それなりの対策を練ってくれるでしょう。

 東京五輪が待ち遠しいです。


 いくつ、金メダルが獲れるのかな?

 日本の復活は、まさに彼ら、彼女らにかかっているといって間違いない。

 優秀な人材を輩出する日本に、まさに死角なし。


 ※ゆとり世代、すべての人達を批判しているわけではありません。

 ゆとり世代でも頑張っている人は大勢いましたし、事実、教育の現場で、頑張っている生徒をつぶさに見てきました。


 ゆとり教育が、あまり適した制度ではなかったと、教育の現場を見て思ったので記事にしました。賛否両論、色々とあるとは思いますが、ここに一石を投じます。

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