第1131話 大型アップデートの内容 後編
夏の大型アップデートの内容を確認している最中。内容としては模擬戦にPT戦とバトルロイヤル戦の追加、再現クエストの実装は確認した。
まだ他にもあるみたいだし、流石は大型アップデートというだけの事はある! さてと、他の内容も確認していきますか。
「おっ、群集の所属は関係無しの模擬戦も実装か! あー、でもこれは今までの模擬戦と同じ仕様になるのか」
「これは地味に嬉しいかな!」
「今までどこか適当な場所を見繕ってやってたもんねー!」
「ケイやサヤは、ちょいちょいやってたしな」
「水月さんやアーサー君とかとやってたもんね」
「……誰か分からないけど……他の群集の人?」
「2人とも赤の群集の人だな。色々と接点があって、模擬戦みたいな事は何度かやったんだよ」
「……そうなんだ?」
いやー、赤のサファリ同盟の本拠地で模擬戦とかやったのが懐かしい。あれが正式な機能として組み込まれるようになる訳か! それが可能になるなら、使ってみたい機能ではあるよな。
「って、ちょっと待った。この機能、どこで使うんだ? どこの群集の群集拠点種でも使えるようになるのか?」
「それは……どうなんだろ?」
「どこかに専用の場所が出来るのかな?」
「分かりません! でも、色々と同時に実装なら群集拠点種が混みそうなのさー!」
「その辺はなんとも判断し切れんとこだな」
「……実装を……待つしかない?」
「そうなんだろうなー」
てか、再現クエストも地味に前にあった模擬戦についてのアンケート内容に関係してる部分もあるし、夏の大型アップデートは模擬戦絡みの要素が多いっぽいな。
まぁストーリー進行やLvや進化によって機能面は解放されていってるし、予告あり大型アップデートではその辺に関わらない内容になって不思議じゃないか。
多分だけど、他の群集の人との模擬戦がこれまで通りなのは、夏の大型アップデートの次の大型アップデートがある時にPT戦やバトルロイヤル戦が解禁されそうな気もする。
まぁそこまで考えるのは流石に気が早いか。さーて、それじゃまだ他にもアップデート内容はあるみたいだし、続けてチェックしていこう!
「次は……ほほう、『フレンド伝言板』の実装か!」
「それは公式サイトでの実装みたいかな?」
「ゲーム内でフレンド登録をしてる相手に限定はされるけど、ゲーム外で伝言残せるようになるみたいだね。携帯端末と連携させていれば、新着の伝言の通知も受け取れるんだ」
「これ、すぐにでも欲しいのさー! アルさんに伝言がある時に役立ちそうなのです!」
「あー、今回は偶然だったが、こういう風に急に予定が変わった時には便利な機能ではあるんだな」
「だよなー!」
この機能こそ、俺がいったんに要望を出した時に実装予定だと言われたやつだろうね。確かにこれがあれば、今日みたいな時にアルへと連絡する事も出来る!
というか、ハーレさんも言ってるけど、これについては夏の大型アップデートを待たずに今すぐにでも実装してほしい! まぁ流石にそれは我儘でしかないけど。
「……そういえば……みんなとフレンド登録……しておきたい」
「それは大歓迎なのさー! みんな、いいよね!」
「もちろんだ!」
「……ありがと!」
みんなも頷いているし、忘れないうちにサクッとフレンド登録は済ませておこう。……よし、登録完了。風音さんとは今後も色々と接点はありそうな予感がするんだよな。俺らがよく行く桜花さんと仲が良いんだし、俺らのPTは基本的に1枠空いてるしね。
ともかくこれで、今はまだ無理だけど夏の大型アップデートが実装されたらゲーム外にいても簡易的に連絡は取れるようになる。でもまぁ不特定多数の人に対しての呼びかけには……いや、そうでもないっぽい?
まだ詳細を見てないけど、次に書いてる実装予定の機能がそこそこ広範囲に対して使えそうな予感。
「『共同体伝言板』ってのも実装されるんだな?」
「おぉ!? 本当なのさー!?」
「へぇ、こっちは共同体のメンバー全員に対しての伝言用って感じか。どっちかというとさっきの『フレンド伝言板』よりは、こっちの『共同体伝言板』の方が使いやすいんじゃねぇか?」
「確かに私達の中で使うのならそうかな? でも、その辺は使い分けな気もするよ?」
「あー、まぁそれもそうか」
「群集の制約はないっぽいし、『フレンド伝言板』は他の群集のフレンドの人に連絡を取る手段として良いのかもなー」
「……そうかも?」
パッと思いついた使い方が、フラムがまた何か余計な事をしてきた際に水月さんへチクるという内容だったのが、何とも微妙な心境にはなったけども! いや、大真面目にそういう用途として便利そうなのがなー。
その使い方は除外するにしても、何かしら使い道はあるはず。まぁ連絡が来たからといって、すぐに対応出来るかどうかは別問題だけどさ。あー、必ずしも利点だけではないから、最初からではなく後から実装みたいな形になったのかもね。
今日の俺みたいな要望が多くて、大型アップデートに合わせて実装に踏み切ったという可能性もありそう。連絡したら絶対に来いみたいな勝手な人もいるし、その辺の塩梅は難しそうだしなー。
「……ん? 最後の1つのアップデート内容って……新規サーバーの解放? え、もしかして、完全の1から別のサーバーも稼働するのか!」
うっわ、珍しいな、これ! VRMMOは大体単独サーバーのゲームが多いけど、あえてここでサーバー分けをしてくるのか!
あー、でも今までやってきた事を考えると、再現クエストでやるよりオリジナルをやりたいって事もありそうだもんな。今の俺らがやってる方では再現クエストで体験できるようにしつつ、完全なオリジナルを1からやる機会も作るんだな。
「ここは私達には関係なさそうかな?」
「別のサーバーで1から始める理由はどこにもないのさー!」
「どちらかというと、完全な新規プレイヤー向けっぽいよね」
「……勢力が確定してない……真っ新な段階から……始めたい人向け?」
「おそらくそうだろうな。場合によっては、現行のこっちのサーバーから活動場所を変える人も出てくるかもしれんがな」
「あー、確かにそれはあるだろうなー」
既に今の場所で蓄積している色んな情報を持ち込んで、新しいサーバーで有利に進めようって人もいそうだよね。まぁそれが上手くいくかは……その人次第か。
キャラの育成は最初からになるっぽいし、新規の人がその手の情報を手に入れてあっという間に追い抜いていく可能性は充分あるしさ。
「そうなると、こっちのサーバーにはあまり新規さんは入ってこないのかな?」
「いや、そうとも限らんだろ。友達から誘いを受けて始めるって事もあるだろうしな」
「あ、それもそうかな!」
友達と一緒にやりたいって人は少なからずいるはずだし、俺らが今いる方のサーバーに新規の人が入ってこないって事はないはず。
てか、新規にサーバーを用意するって事は、思ってる以上にプレイヤー数が多かったりする? うーん、公表されてる訳じゃないからそこは分からん!
「てか、まだサーバー名は決まってないんだな?」
「私達のいる方がどういう名前になるのかが気になるのです!」
「新規サーバーの方は行く事はなさそうだけど、そこは気になるよね」
「……サーバー名は……実装される時に……発表?」
「今の段階で発表されてないなら、その可能性が高いだろうな」
「どんな名前になるのか、楽しみかな!」
「だなー!」
そうなってくると、いったんのいるログイン場面でログインするサーバーも選ぶ事になってくるのか? 新規サーバーは完全に別物になる感じだし、アイテムとかの持ち込みは多分無理だろうね。うん、本格的にここの要素は俺らには関係ないか。
気になるのは掲示板の扱いがどうなるかだけど、その辺は書いてないな。可能性としてありそうなのはサーバー毎に完全に掲示板も分けてしまう事か? まぁその辺は実装されてから考えればいいや。
「よし、とりあえず大型アップデートの内容の確認は終了! 模擬戦の幅が広がるのと、便利機能の追加がメインってとこだな!」
「個人的にはレースが無かったのが残念なのです……」
「……あはは、ハーレは何気にレースゲームは好きだもんね」
「レースはレースで、その内実装されるんじゃないかな?」
「まぁアップデート内容を見る限り、そ可能性はありそうだよな」
「……不動種向けの……内容がないのが気になった」
ん? 言われてみれば、確かに不動種向け……というか、模擬戦をしない人向けのアップデート内容は無かったような気もする? あ、いや、そうでもないか。
「まだ詳細仕様が分からないけど、それは違うのさー!」
「……違うの?」
「模擬戦機能の拡張なら、多分中継も出来るはずなのです! そういう方向から見れば、不動種の人も楽しめる要素はあると思うのさー!」
「実況が出来るかどうかは別としても、中継が出来ればそれだけ色々と出来るよなー」
それこそ、バトルロイヤルなら誰が勝ち抜くかの賭けみたいな事も出来るはず。お金はないから、掛け金代わりに消耗品のアイテムを賭けるとかで成立しそうだよな。
多分、この夏の大型アップデートになる頃には『瘴気珠』や『刻印石』の入手は今よりも遥かに安定してくるだろうし、需要はあるはずだしね。掛け金代わりとしては成立する可能性は高い。ゲーム内のアイテムで、ゲーム内だけでやるなら、そういう賭けは特に問題はないしね。……リアルのお金が絡むと危険だけど。
「ま、その辺は実際にアップデートされてから、詳細仕様を確認してからで!」
「そりゃそうだ。大雑把な実装予定の内容だけで、具体的な事はまだ書かれてねぇしな」
「……確認は終了?」
「そうなるかな?」
チビチビとお茶を飲みながら……実質的にはジュースだけど、まぁそこはいいや。夏の大型アップデートの内容の確認はこれくらいでいいだろ。さてと……。
「21時までもうちょっと時間もあるし、そこまでは寛ぎますかー」
「「「「おー」」」」
「……うん」
どことなくいつもより気が抜けた返事だったけど、俺自身も気が抜けた言い方をしてたからお互い様か。そういやあんまり食べ物はつまんでなかったけど、ちょっとくらいは……って、全然ない!?
思いっきりハーレさんが果物を両手に持ってるし、ごっそりと食べられてたっぽいね、これ。まぁハーレさんらしいといえばらしいし、どうしても食べたい訳でもないから別にいいか。
「そういや、21時からはどう動く?」
「んー、とりあえず情報共有板で最新情報の確認から? フィールドボスのヤシの木や『瘴気珠』がどうなったか気になるし、競争クエストの動きも把握したいしなー。……21時までは動く気はないけど」
「そこはケイに賛成かな」
「私も同じくだね」
「……休憩は大事。……でも、桜花のとこには行きたい」
「桜花さんがログインしたら、とりあえず連絡をするのです!」
「ま、それが無難なとこだろうな」
「……フレンドリストを……チェックしておく」
桜花さんなら、場合によっては別ルートからサンプルの『瘴気珠』を既に手に入れて、検証をしてる可能性はあるよなー。まぁログアウトしたタイミングにもよるんだろうけど、そこは実際に本人に聞いてみないと分からないか。
「あー、情報収集の内容次第ではあるけど、動きが少ない場合はどうする? 峡谷エリアにでも偵察くらいには行ってみるか?」
「今日は流石に大々的に衝突は無いとは思うけど、どういうエリアなのかは実際にみておきたいし、それは賛成かな!」
「無茶をしない程度に偵察に行くのは、私も賛成だね」
「でも、強行偵察は無しなのさー!」
「俺としても変に大暴れはしたくねぇな」
「あー、うん、その気持ちは分かる。俺もそこまで大々的には動きたくはないし……」
疲弊して休憩してから再ログインしている状態だけど、完全に疲労が抜け切った訳じゃない。とはいえ、何かやっておきたいって感じだからなー。無茶はしない程度にに抑えつつ、様子見程度に抑えられたら良いってとこだよね。
「……それなら……アルマースさんは……小型化?」
「俺は目立つし、今回はその方が良いかもな。ケイ、岩の操作でみんなを覆って隠れながら進んで行くってのはどうだ?」
「出来なくはないと思うけど……それって視界はどうすんの!?」
「そりゃ、ケイのコケの視点でだな? ロブスターのハサミの先にコケを増殖させて、その状態で岩の外に出すのじゃ無理か?」
「あー、多分やろうと思えば出来る? でも、みんなを隠し切るのに岩の生成量って足りるのか……?」
アルのクジラと木を纏めて小型化したとしても、それでも結構な大きさはある。それにサヤのクマも結構なサイズだ。うーん、かなり薄めにしてハリボテ状態にすればいけなくはないか?
「強度のないハリボテにするか、並列制御を使えば流石に出来るとは思うけど……まぁその辺を詳しく考えるのは、峡谷エリアに行ってからで! 現地を見ないとはっきりした事は言えないしさ」
「ま、そりゃそうだな」
「って事で、21時までは全力で寛ぎタイム!」
みんなからの返事がなかったけども、まぁあからさまにさっきまで以上に気を抜いた状態にはなったしさ。これから何をするにしても、寛いで休憩をするのは大事だ! ただ無茶をして、ひたすら闇雲に動けば良いってもんじゃないからね。
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